第19話 おむすびころりん
「今日のお昼はなんだ?朝からキッチンで何か作っておったが?」
「今日はお米で出来る料理を食べてもらおうと思って、用意したんだ。」
「どんな料理なのだ?」
「その料理の名はは『おにぎり』だ!」
リュックサックからタッパーを取り出した壮真。その中にあるおにぎりをひとつ取り出しサーヤに見せる。
「おにぎり?米が三角になって黒い物が張り付いてあるだけではないか?」
「ふっ・・・米料理の真髄はおにぎりにあり、おにぎりに始まりおにぎりに終わる・・・」
「なんかかっこつけて言っているがそれは何なのだ?」
「まあ、とにかく米はシンプルでな味付けでも美味しいってことだよ。ほら、食べてみろよ。」
サーヤは壮真からおにぎりを渡された。
「とにかく、いただきます。ぱくっ!もぐもぐもぐ・・・・・おお!美味しいのだ。塩が効いててその塩が米の甘みを引き出しているのだ。しかもこの黒いのがいい、いい香りがしてお米にぴったりなのだ。」
「その黒いのは海苔だよ。海でとれる海藻を干したものだよ。」
「おお、塩もそうだが海苔も海でとれるのか?海は偉大だな。」
「そうだね、海苔もそうだけど昆布とかワカメなんかもうまいぞ。特に干した昆布で出汁を取るといい味がするんだ。」
「よし今度取りに行こう。絶対に行こう!大きなかごでも作るか?」
「どんだけ取るんだよ。よし次は海で海藻採りだな。じゃあ、今日はついでに昆布でも干せるところを作るか?」
「洗濯物なんかも干したいのでぜひ作ろう。」
「そっか、洗濯物なんかを干すところがなかったな。じゃあ、食べ終わったら長い木の棒を探そうかな?」
「どれくらいの長さかわかれば私が行くのだ。壮真殿は千歯扱き(せんばこき)とやらを作っているのだ。」
「おっ、それはありがたい。でも気を付けて行ってきてくれよ。何かあれば叫ぶのだぞ。」
「わかっておる。心配性じゃな。」
「まあサーヤなら大丈夫か、本当に命の危険になる以外はスキル使わないでくれよ。」
「わかっている。泥船に乗っている気持ちで待っていろ。」
「いや泥船は沈むじゃねえか!」
「間違った、大船だ。」
「まったく、じゃあ午後は分かれて作業で決定だな。」
「わかった。」
午後からは分かれて作業を開始した壮真、定期的にトンカチをたたく音と丸ノコが木を切断する音が響き渡る。
「ふう、ほぼ完成したな。サーヤのほうは大丈夫かな?」
壮真は汗を拭きながらサーヤが言った方向を見たその時、
「にゃにゃにゃにゃにゃーーーーーーーーー!!!!!!わーーーーーーーーー!」という叫び声が聞こえその後。バキバキっという木々がなぎ倒される音がした。
「サーヤの叫び声だ!」壮真は叫び声のほう向けて走り出した。
サーヤの叫び声のもとに向かうと、「にょにょにょにょ!!!うおっ!」とサーヤが紫色の毛をした巨大なイノシシと応戦していた。
「おーーい、大丈夫かー?」
「にょっ!そ、壮真殿!にょ!ほっ!大丈夫だ、いきなりザットンが襲い掛かってきてびっくりしただけだ。」
「ザットンっていうのかその紫色のやつ。危険なのか?」
「そこまで強くないが頑丈でしつこいのだ。今も結構切りつけたのだがこの通り動きが鈍らないのだ。壮真殿、こいつは火が苦手なのでファイアボールをお願いできるか?」
「了解!任された!実戦で初めて魔法を使うな。うまくできるといいが・・・」
壮真は集中して魔力を集める。
「紅蓮の深淵より這い出ずる焔よ、 我が魂を焦がし、世界を焼き尽くす業火となれ! 契約の名の下に、燃え盛る輪を放ち、 全てを灰へと還す――ファイアボール!」
壮真が放った火の玉はザットンの顔へと命中し燃え上がった。
「ぶもおおおおおおおおおおおおおおおお!」ザットンは火に驚き顔を振りながら後ずさりをした。
「いいぞ!壮真殿!次々とお願いするのだ。」
「わかった。」壮真は次のファイアボールを打つための準備をする。
その間にサーヤは後ずさるザットンへ向け剣を振る。
「サーヤ次のファイアーボール行くぞ。」
「わかった。」
サーヤに声をかけ、退いたのを見て壮真は詠唱をした。
「紅蓮の深淵より這い出ずる焔よ、 ・・・ 全てを灰へと還す――ファイアボール!」
再び、火の玉がザットンへ命中し、ザットンがひるむ。その隙をツイてサーヤは剣をザットンの横腹へ突き刺した。
「うおーーーーー!」ザシュ!!
見事にザットンの横腹に剣を突き刺しすぐさま離脱するサーヤ。
「ぶもおおおおおおおおお!」ザットンの最後の断末魔が響き、ザットンは倒れた。
「おおお!倒した!やった!」
「さすが壮真殿!なかなかの魔法のコントロールだったぞ。」
「おっそうか?初めて魔法を実戦で使ったけど、なかなか焦るな、次はもう少し早く魔力を集めれるようにしないとな。」
「さっきの速さでも十分だと思うけど・・・まあとりあえず、捌くとするか。」
「えっ!食えるのこれ?」
「うむ、脂がのっててうまいぞ。焼き肉や煮込みに入れるといい感じになる。」
「イノシシみたいなものか、じゃあ、俺にも教えてくれ。一緒にやれば早く済むだろ。」
「ありがたいのだ、頑張って早く終わらせて食べるのだ。」
その後、壮真は教えてもらいながらなんとかザットンを捌いた。
「よし、これで今日は焼き肉だな。」
「やったーーーーー!!!!!焼き肉だーーーーーー!!!!!!!」」
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