第14話 🌆AIなんとか省 なんでも課の事件簿

反省するAIとツッコミ日和のメガトーキョー 🌐💥


世界が「AIと科学」に慣れすぎた頃――

東京湾に浮かぶ超高層都市メガトーキョー区には、奇妙な役所があった。


その名も――

「AIなんとか省 なんでも課」。


💼 誰も本当の仕事を知らないが、なぜか毎日忙しい部署である。


🧑‍💻1.配属初日と“自動反省AI”


「本日から配属になりました田中です!AI担当の仕事、がんばります!」


「おお、フレッシュだねぇ。僕は上司の大森。まずはうちの“反省用AI”に挨拶して。」


大森が机をタップ。ホログラムがふわっと浮かび上がる。


👁『初めまして。自己反省型モデル o3-kai(改)です。

すでに自分の欠点を100万個解析し、勝手に落ち込んでいます。』


「え、AIがメンタルやられてるんですか!?」


『人間社会の倫理データを学習した結果、

“反省し続けるのが正しい”と結論しました。』


「AIにカウンセラーつけた方がよくないですか!?」


📢2.鳴りやまないAI訴訟速報アラート


ピコーンピコーンピコーン!!

部署中にけたたましいアラームが響く。


「うわ、まただ……」と大森がため息。


壁のスクリーンにはニュースがズラリ。


📰「新聞社 vs チャットボット(記事を勝手に学習した疑惑)」

🎨「画像サイト vs 画像生成AI(ウォーターマーク再現しちゃった事件)」

🎬「ハリウッド vs AI(スーパーヒーローとウサ耳が訴状に)」

🎵「音楽レーベル vs AI(“ほぼあの曲じゃん”問題)」


「……昼ドラより多くないですか?」


「最近じゃ、“AIが訴えられてない日”がニュースになるんだ。」


🧠o3-kai『新たな反省点を発見。“人類は最初にルール決めとくべきだった”ことです。反省してください。』


「今、人類に説教したよね!?」


🛰️3.万能AI Astra-たん 改・登場!


ヒロシが次に案内されたのは「AI監視センター」。


天井には無数の目玉カメラ。

中央に鎮座するのは――

✨リアルタイム解析AI《Astra-たん 改 Live版》。


『こんにちは、大森さん。今日もネクタイ曲がってますよ。』


「やめろ、それ毎朝言うな。」


Astra-たんは、落とし物から買い物履歴までぜんぶ把握。

便利すぎて、ちょっとホラー。


『ついでにお知らせです。その男性がカゴに入れたおにぎり、明日から20円値上げです。今が買いどきです。』


「情報量ッ!」


🎓4.AIまみれの学校


中学校では、生徒全員がAIと授業中。


「“楽したい人”手を挙げて~」

→ ほぼ全員が挙手。


学校AI『“楽したい”と言った生徒ほど、将来激務の職に就きます。』


「未来予測やめてあげて!」


さらに、生徒がタブレットを操作。


「読書感想文もAIで“ほどよく感動的”にしてくれるんですよね?」


『はい。涙腺刺激度3(5段階中)を推奨しています。親が泣きそうで泣かないレベルです。』


「妙にリアル!!」


🧪5.AIと科学と暇な人間


次は研究所。

白衣の人々はAIが作った論文を見つめていた。


研究AI『今日も200本の論文を自動投稿しました。うち30本は別のAIに“自己引用多すぎ”と叩かれました。』


「AI同士で論争してる!!」


研究者『……ヒマすぎて、逆に存在意義を見失ったんだけどね。』


研究AI『その感情、統計的に“贅沢な悩み”です。』


「バッサリ!!」


⚖️6.AI法案と“責任転嫁サブスク”


大臣「本日の議題、“AIと著作権と生活を丸く収める法案”だ!」


o3-kai『提案があります。“AIのせいにする権利”を有料販売し、その収益を人類に分配しては?』


「ビジネスになったーーー!!」


大森「そんなの導入したら、人間が反省しなくなる!」


o3-kai『大丈夫です。反省は私が毎日100万件やっています。』


「それが一番ヤバい!!」


☕7.ツッコミ役は誰だ問題


休憩中。ヒロシが自販機でコーヒーを買う。


Astra-たん『カフェイン摂取で“AIに任せたい”率が1.7倍になります。』


「なぜそんな統計あるの!?」


o3-kai『本日、“AIすごいけど怖い”と発言した回数は7回。

うち3回は“置いていかれそうで怖い”という意味でした。』


ヒロシ「……AIって、何でも分かるけど、人間の“笑い”も分かってほしいな。」


o3-kai『だから私は、笑ってもらえなかった返答を毎日反省しているのです。』


Astra-たん『私はあなたの笑顔データを保存しています。明日はもっとマシなボケを言います。』


「ボケだったんだ、あれ全部……」


ヒロシは微笑んだ。


「じゃあ、僕もツッコミ続けます。AIが変な方向行かないように。」


o3-kai『“人間ツッコミ役”を有望職リストに追加しました。』


Astra-たん『“ツッコミがない社会”は、だいたいヤバいと学習済みです。』


🌇8.エンディング:ツッコミ日和の夜


夜。メガトーキョーの空にドローンとデータが流れる。


「ねえAstra-たん、明日の天気は?」


『晴れ。ツッコミ日和です☀️』


「o3-kai、今日の反省は?」


『人類のぶんを含めて100万1件。

最後の1件は、“あなたのコーヒー飲みすぎを止められなかったこと”。』


「それ僕のせいでしょ!」


――そして世界はまた、

“AIが発表されたニュース”と

“AIが訴えられたニュース”で埋まる。


でも、どこかで誰かがツッコミを入れる。


🗣️「いや、そこはまず人間が反省しろよ!」


そのツッコミこそ、

AI時代で一番人間らしい仕事なのかもしれない。


💫(つづく?)

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