第2話 元創造神 異世界へ2

 神々の住まう天界にて一人の天使が喜びの声を上げ、自身の上司である女神のもとへ報告を伝えに向かっていた。


「エリュンさまー、異世界人の召喚に成功しましたー!」


天使が声をかけて女神の部屋に入ると、空を見て大の字に寝転がっていた女神が飛び起きこちらに笑顔で近寄ってきた。


「なに~!でかしたわ!これで私の世界も発展間違いなしね。あんたの今月の給料、期待していいわよ」


親指を立てて天使をねぎらうが、なぜか天使の顔は少し影が差していた。


「どうしたのよ、問題なく召喚できたんでしょ?もしかしてかなり態度が悪いやつが来ちゃった?それとも帰せ~とか怒ってる?」


「いえ、それがそのー、一度見ていただいたほうが分かりやすいかと」


「なによ、もったいぶって。とりあえず案内よろしく」


「はい、こちらです」


天使は複雑な表情で召喚者たちのもとへと女神を先導し待機している部屋も前まで来ると女神へ向き直る。


「ここからはそ~っと覗いてください」


「そ~っとね。どれどれ」

「先輩、あの状況じゃーしょうがないです。俺だって漏らす可能性はあったんですから時間の問題でしたよ。俺以外見てないはずですし気にしちゃだめですよ。俺誰にも言わないですから安心してください、墓場までちゃんと持っていきます」


「やめてくれ、俺はもう立ち直れないよ。お前が優しい言葉をかけてくれるたびに腿に張り付く冷たいズボンが現実を突きつけてくれるんだ」


「とりあえず脱ぎましょう!そのままだと風邪ひくかもしれませんし履いててもいいことはないですから」


「俺にパンツ姿で行動しろってことか。お漏らしから変態への転職ってことですね、わっかりました~もう何もかも捨ててやるよ!ファーーーーー」


「あ~~~先輩、上まで脱げなんて言ってないですよ!ちょっと落ち着いてください」

「あれが問題ってこと?」


「いえ、あれはまた別の問題かと」


「いい大人がお漏らしでしょ、結構大きな問題だと思うけど」


「そんなことではなくて、あのおもらゴホン・・あちらの男性をよく見てください」


「絶対に本人に口を滑らせたりしないでよ。で確認しろって見るからに普通の人間のよう・・・じゃないわね」


「お分かりになりましたか、現在は神格を持っておられないようですがどこか別の世界の神様かとおもわれます」


「そうみたいね、もとは創造神様だったみたいね。私なんかよりもずっと高位の方だわ。どうして人間になんてなってるのかわからないけど普通に考えてこんなところにいていい存在じゃないわ、どうしましょ」


「なかったことになんてできませんよね」


「できるわけないでしょ!怒らせたりなんてしたら私なんて簡単に消されちゃうわ、あんたもなんかいい案考えなさいよ」


「そんな!エリュン様に言われたことを実行しただけですよ!フォローは上司の役目じゃないですか、ここはひとつよろしくお願いします」


「ニホンってところじゃ上司は座って部下を働かせればいいらしいわよ、だからあんたがこの場は平和に治めなさい」


女神と天使が入り口前で言い合いをしていると二人を覆い隠すように影が差した。


「あの、お二人はどちら様で?」

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