元創造神の異世界生活
幟
第1話 元創造神 異世界へ1
俺は創造神の生まれ変わりだ。
夢で見たとか中二病とかではなくはっきりと覚えている。自然に生まれた神ではなく、人々の信仰が集まり生まれた神だった。
最盛期では何百万人もの信徒を抱えていたが、時がたち世界の状況が変わっていくにつれ次第に信徒の数が減り私を覚えているものはいなくなっていった。
信仰によって生まれた神は、覚えているものがいなくなれば神として存在し続けることはできない。私も例外なく存在を忘れられたことで神としての生を終えたはずだったが気が付くと人間の少年になっていた。
神としての力はなくなってしまったみたいだが、人々の願いを聞くことだけが存在意義であった私に人間としての生活はとても楽しいものであり、今日も仕事終わりの夕食探しの旅に後輩と出ている。
「あ~今日は何食べようかな。昨日はうどんだったから、今日は米を食いたいな。定食っていう気分じゃないし焼肉とか行っちゃうか?」
「先輩、明日も仕事ですよ。焼肉なんて行ったら次の日ニンニク臭で大変なことになりますよ。ここは海鮮丼なんてどうですか?」
「海鮮丼か~生魚は最近食べてなかったな。それじゃあ海鮮丼にするか!」
「俺おいしい店知ってるんでついてきてください!」
後輩君が元気に駆け出そうとするとなぜかその場から動けず石のように固まってしまった。
「先輩、なんか動けないです」
「何言ってんだ、動けないわけ・・・あれ?俺も動けないぞ」
「どうなってるんですかね?もしかして誰かが声をかけてくれるまでこの場で固まったままとかじゃないですよね。俺腹減ってるんですけど」
「そんなバカなことあるわけないだろ。あれだよ、きっと仕事のし過ぎで筋肉が凝り固まってるとかだよ」
「筋肉が凝り固まって動けなくなるなんて聞いたことないですよ!」
「まあとにかく動けるようになるまで待つしかない」
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30分後
「先輩動けるようになりましたか?」
「今話しかけるんじゃねえ」
「どうしたんですか?何かありました?」
「だから話しかけるんじゃねえ!膀胱に響くだろうが」
「え!もしかして漏れそうってことですか!大丈夫ですよ首から下は動かないんですから膀胱の筋肉も固まってますって」
「もし出たらどうするんだ!いい大人がお漏らしとか人生終わるだろうが!」
道の真ん中でお漏らしとか冗談じゃねえぞ、っていうかどうして誰も通りかからないんだよ、一人ぐらい通ってもいいだろ。
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30分後
「あーーーーーーーやばい、やばい、やばいry」
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15分後
「か~~~~~~~~~~~~~~~~~~あっ!」
ジョボジョボボボボボ
「あちゃー」
「終わった、おわ」
非情な現実に打ちひしがれようとしたその時、股の間からの噴水を隠すように突如光が溢れ、目の前を白く染めた。
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