第18話 ペリン
※ この作品は素人による拙い文章の空想創作物語です。
夜。畑の主(名前は忘れた)はお金をくれた。
この世界の通貨だ。
はじめて見たコイン。元の世界で例えると1円ぐらいの大きさの銅貨である。
「1ペリンな!」
主は笑顔で渡してくれた。
この世界ではペリンだと分かった。
主の奥さんがご馳走してくれた。
私はスプーン片手にスープを頂いた。
スプーン。この世界にも当然あるだろうとは思ったが久しぶりに見た気がする。
ラム地方での佐藤さんの所では肉を手掴みか串刺しだった。
ついマジマジと見てしまった。
それを見た主は。
「スプーン見た事ないのか?……その銀スプーンやるよ」
と言ってくれた。
銀もこの世界にはあるのか?まぁ銅もあれば銀も金もあるだろう。
何かの役に立つかも知れない。
私は有り難くスプーンの礼を言った。
余り口に合わなかったが 完食させて頂いた。感謝しかない。
翌日。噂が立ち 広まるのは早い。
近隣の畑の主達が私を囲み。俺の畑も頼む!次はウチの畑!とお願い祭りが始まった。
仕方無く引き受けた。
私は3日間この たけのこの郷に滞在している。
ペリンも20ペリン迄貯まった。
このペリンの硬貨価値が知りたいものだ。
私は本日最後の畑仕事を終え。その家の主宅で夕食をご馳走になった。
最初の主宅に戻り扉を開けようとした時。
室内から話し声が聞こえた。
かなり大人数で話し合っている感じだ。
「あのカーレ・シュウとか言う田舎者ホント馬鹿だな!」
「何も知らねぇとは…世間知らずの田舎者だね」
「銀スプーンをあげたら喜んでいたぞ!」
「1ペリンでも喜んでやがる!」
「もっと利用しようぜ」
「アイツを利用してバロッカスだけでなく村の名産とかできんかな?」
「名物とかでもいいんじゃない?ねぇアンタ…」
私は窓外から身を隠し聞いていた。
つまりは田舎者の無知が体よく利用されたらしい。
スプーンで喜ぶ私。
1ペリンで喜ぶ私。
1ペリンの硬貨価値は低いのだろう。
私は1円ぐらいの価値しかないと見た。予想だが。
「そろそろ開散するか!カーレ・シュウが戻って来ちまうからな」
「ドンドバリッシュが巧く飯食わせて引き留めてくれてるからな」
「今晩はアイツんちに泊まるかもな」
私は家から離れた。
人気の無い村の外れから夜空を見上げた。
離れた家々の灯りが消えていく。
たけのこの郷で硬貨を手に入れたのは良かった。
この事は早めに知りたかった。
本来は南波で得るつもりだったが……。
かなり時が経った。
私は村の広い土地。まだ畑になっていない場所を選んだ。
土魔法で土を盛り上げた。
高さ50m。大きさは分からん。
土魔法と水魔法で盛り上がった土の山を固める。
ツルツルのキノコを作った。
今迄収穫した 気持ちが悪いトンガリ野菜を重力魔法と風魔法で全て運ぶ。
各家の収穫納屋に入っているのは知っていた。
列をなして私の元に来る沢山の 気持ちが悪いトンガリ野菜。
私はその野菜を 作ったツルツルのキノコの山の頭頂部に全て積上げた。
人がこの山に登ろうとしてもツルツルなので直ぐに滑り落ちてしまう。
重力魔法と風魔法で防御力も追加してあるので 切る事も破壊する事も出来ない。
私はこの山を「キノコの子の山」と名付けた。
硬貨と言うものを教えてくれた私なりの恩返しだ。
私はたけのこの郷の名物を作ってあげた。
繁栄してくれる事は願わない。
私はこの村を抜け東方面に向かった。
村の先には森が広がっていた。
靴下の森とは違う森。
私は夜の森の探索は初めてだと思う。
何が出るのか楽しみではある。
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