第15話
「蓮くん、それって霊刀だよね?霊刀って確か…」
「あぁ、正直…あまり手入れをしなくても大して問題はない。でもこの刀は、両親と零の霊力が入ってる刀だからな。少しでも大切にしたくてな」
「そっか、それは大切だね」
「……まぁな」
そう短く答えながら刀の手入れをする。そして、二人のいる部屋に沈黙が流れた。だが二人は、各々自分の時間を過ごしていた。刹那、その沈黙を破るように翠蓮の携帯から電話の音が響き渡る。翠蓮は雨月を見るた。電話に出ても良いかどうかの確認である。それを雨月は翠蓮に首を縦に振り頷いた。それを肯定と捉えた翠蓮は電話に出る。
「もしもし、どうかしたのか。虎柏」
「急に連絡してごめんねー?言わないといけないことがあって…」
そう言うと梅の様子は言いづらそうな様子だった。翠蓮は梅の様子を見てただ事ではないことを察して眉を顰めた。
―――何かあったのか?
翠蓮はそう考えながら、梅の言葉を待つ。すると梅が重い口を開く。
「貴方、私の養子になる気はないかしら…?」
「は?どういうことだ?」
「そりゃ、驚くわよね。でも、貴方の年齢的にも保護者が必要なの。何とか押し切ろうとしたのだけど、霖家の生き残りだから尚更、保護者がいないとって」
「……なるほどな」
霖家は数ある陰陽師の名家を束ねる大切な役割を担っていた歴史がある。だが、翠蓮が生まれてからは呪われた一族と呼ばれていた。なぜなら、翠蓮は生まれた時から普通の陰陽師よりも霊力が多く力が強かったためだ。そんな名家の中の名家である霖家の翠蓮は、本来であれば名家の人間に保護される物だ。しかし、翠蓮と零はそれを嫌がった。二人は幼いながらも名家の人間達が自分たちを嫌っているのを知っていたのだから。その為、妥協案として任務の時は名家の人間を一人以上同行するようになっていた。翠蓮は梅の養子になることを躊躇していたのだ。梅が今まで自分達を気味悪がり妖怪が出た瞬間自分達を盾にして逃げ出し殺された人間達の二の舞いになるのではないかと。
―――また、俺のせいで人が死ぬんじゃ…
と翠蓮は顔を顰めて梅に問う。
「…俺の一族、なんて呼ばれてるのか知ってんのか?」
「……知ってるわよ。呪われた一族…貴方の近くにいると不幸になる…ってやつでしょう?」
「あぁ、知ってんなら…」
「でも、そんな噂…大して宛にならないわよ。弱者が勝手にほざいているだけよ。あんな戯言、気にすることはないわ。……まぁ、貴方なら気にしてしまうわよね」
そんな梅の言葉に翠蓮は、息を呑んだ。梅の口調が変わったためだ。そして、今まで自分を守り続けた勘が言っていた。
……彼女が言っていることは、信じて良いと。
だが、そうだとしても翠蓮はまだ決めかねていた。すると知らぬ間に近くに来ていた雨月が優しい目を見た。その目はいかにも
「信じてみたら?」
と言わんばかりの様子だった。翠蓮は、雨月のその目と梅の真剣な声色に自分も腹を括り口を開く。
「俺は―――」
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