3.2 オコリン棒

アカリは、リュックから、今度は黒い短い棒状の発明品を取り出した。




「次の発明品よ。『オコリン棒』」




「なんてストレートな名前だ」




「**『作用機序』はシンプルよ。『怒りという名の過剰なエネルギー』を、『無害な摩擦熱』に変換し、使用者の『自己評価』を『5グラムという真の軽さ』**にリセットするわ」




「それで、どうやってムラカミさんに使わせるんだ?」




「簡単よ。大山は、『次の被験者』の『研究協力』を要請する。そして、彼が最も怒っている瞬間に、この『オコリン棒』を『彼の手に握らせる』。これが**『実験のトリガー』**よ」




大山は、この天才少女の無茶ぶりにめまいがした。




「怒ってる上司に、いきなり棒を握らせるだと? 俺がまたクビになる」




「大山。貴方は、**『無重力空間』にいるのよ。失うものなんて、『偽の70キロの重み』**だけよ。さあ、行きなさい!」

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