第5話 スミスじいさんの種もみ!

前回までのあらすじ



作者は悩んでいた・・・

ナメクジの歩行速度より伸びない☆・・・

ここは思いきって展開を変えて、今流行りの異世界ファンタジーに鞍替えしようかと思ったその時!


「そんなことはさせないぞ!!」


作者が振り向くとそこにはパー◯ンが立っていた・・・

◯ーマンに脅され泣く泣く今の路線で書き続ける作者なのであった・・・





本編始まるよ~



「タロウ、どこか行く当てはあるのか?」

「うん、この先に親戚のおじさんが住んでいる村があるんだ。」


 そう言ってタロウは地平の向こうを指差した。

 指差す方にペロタンが目を凝らすと、小さな村が見えた。

 乾ききった荒野の中にあって、豊富な井戸水が出るその村はさながら荒野に浮かぶ緑の小島にも見えた。


 ペロタンとタロウが村に一歩踏み入れると、地面から突如として隠されていた網が現れた。罠だ!二人は網に捕らわれそのまま宙に吊り上げられた。


「なんだぁ?こんな網なんてさっさとぶった切るか。」

「ダメだよペロタン!そんなことしたら余計に敵だと思われちゃうよ!」

「仕方ねえな、様子見とするか・・・」


 網に捕らえられた二人を確認しに、村人が次々と現れた。

 その中にはタロウの見覚えのある顔が混じっていた。


「タロウ!タロウじゃないか!」

「おじさん!!」

「一緒にいるソイツはなんだ!?

まさかミュータントか!?」

「違うよ!

ミュータントだったらとっくに僕は殺されているはずだよ!」


 しばらくタロウと親戚のおじさんとのやり取りが続き、誤解が解けたペロタン達は網から解放され、タロウは村に置いてもらうことになり、ペロタンもしばらく村に滞在することを許された。


 ペロタン達が村に到着した翌日、なにやら村の入り口の方で村人が集まり騒いでいた。


「おいおいどうした。野盗のクソゴミどもがご挨拶でもしにきやがったか?」

「ペロタン、行ってみようよ!」


 村の入り口付近の群衆の中に親戚のおじさんがいたのでタロウは声をかけた。


「おじさん、なにかあったの?」

「おお、タロウか。スミスじいさんが長い旅の末に種もみを持って帰ってきたんだ。」

「ええ!種もみをっ!!」

「タロウ、種もみは今の時代にはそんなに貴重なのか?」

「当たり前だよっ!

とんでもなくすごい貴重なんだよっ!」


 かつての世界には種もみはごく当たり前に存在したが、この世紀末の世界では種もみは金にも匹敵する貴重な品であった。

 まさにその一粒一粒が黄金の輝きをはなっていたのだった。


 沸き立つ村を遠く離れた高台から望遠鏡で覗く人影がいた。

 ミュータントの野盗の一味が村の一部始終を偵察していたのであった。


「お頭、奴ら種もみを手に入れたようですぜ!」


 お頭と呼ばれた男がすっくと立ち上がった。


「くくく・・・

あいつらに種もみはもったいねえ、俺達が頂いてやるとするか・・・くくく・・・」


希望に沸きたつ村に邪悪なる影が差そうとしていた。



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