第4話 一回戦、ついに決着?!
(あらすじ)
一回戦の相手、
対して、
この戦いは、森嶋雛木のほうが相性有利であり、一度は先手を取られ、ストックを一つ奪われたものの、何とか巻き返した。
現在ストックは二対一で、田中亮介が優勢だ——
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僕は当然のようにライン回復のために、もう一度中央方向へ消しゴムを打つ。
もちろん、この二対一のストック差を無駄にしたくないからな。
「結構、やりますわねぇ。貴方。」
対戦相手の森嶋 雛木が、しゃべりかけてきた。
「まぁ多少はね。」
「すぐに追いついてあげるわ。覚悟してなさい。」
森嶋はあくびと伸びをする。
ずいぶんとリラックスしている様子だ。
楽しんでいるのか、余裕そうにしているのか、虚勢を張っているのか、
僕には皆目見当がつかないが、状況はこちらが有利だ。
「今に見てなさい...」
そうして森嶋が屈んで、消しゴムを打つ体勢になる。
トンっ
森嶋の放った消しゴムは見事に僕の消しゴムに命中し、僕の消しゴムを中央からどかした。
森嶋の消しゴムは思った以上に僕の消しゴムを吹き飛ばし、後一発でも当たろうものなら、確実に落ちるような位置まで行った。
僕は今、内心すこし冷や汗をかいている。
もう少し当たり所が悪ければ、そのまま落ちていた可能性も考えられるほどだった。
僕は一度深呼吸を挟んで体勢を整え、消しゴムを打とうと構える。
パンっ
消しゴムは、狙った通りに一直線に森嶋の消しゴムへと飛んでいき、当たった。
しかし、やはり森嶋の消しゴムはうんともすんとも言わない。
僕は下唇を噛んだ。
このままではまずい、ここで本気で森嶋の消しゴムを打ったとしても、おそらく落とせずに反撃され、こちらが一方的に落とされてしまうのがオチだろう。
そこで僕は妙案を思いつく、ハイリスクハイリターンだが、うまくいけば、こちらが試合に勝つことができるだろう。
そして二ターン目。
真ん中とは反対方向へ打つ。
僕は机の端、しかも僕のスタート地点に近い方の端へ行く。
少し端から離れてはいるが、相手の消しゴムを、ストックを使って端へ釣り、二ターンを使って相手を落とそうということだ。
森嶋は少し悩んだ後、甘めに打ち、真ん中をキープした。
やはりこちら側の意図はバレバレのようだ。
僕は少しばかり考えてから、この場所をキープした。
正直、ストック有利を生かすにはこの作戦しかない。
だが、相手もしびれを切らして突っ込んでくるなんてことはない。
そのまま、数ターンが経過し、会場全体に緊張が張り詰める。
だが、僕はさすがに耐えきれなかった。
流石にしょうもないと思い、僕は真ん中へと消しゴムを進める。
ここからはもう、肉弾戦だ。
僕は近距離戦を仕掛けるべく、すぐに近づいて、至近距離で吹っ飛ばした。
もちろん、あまり吹っ飛ばないし、正直肉弾戦をしても、望み薄だと思っている。
だが、こちらにも考えはある。
もちろん、森嶋は本気で僕の消しゴムを落としに来る。
対して僕は、森嶋へ、何度もはたから見れば、愚直に攻撃を続ける。
「急にどうしたの?勝負がつかないからって焦ったのかしら?」
森嶋は一度伸びをして、ものすごくリラックスした感じだ。
そして、僕の消しゴムは落とされた。
そしてまた森嶋が煽ってくる。
「あら?もうストックが同じになってしまったわよ?やっぱりあなた、大したこと...」
その余裕そうな表情が、次の瞬間、一瞬で青ざめる。
おそらく、気づいたのだろう。
先ほどまで、なぜ愚直に、直線的にばかり攻撃を仕掛けていたのか。
僕の消しゴムのリスポーン位置の方向へ行くように仕向け、リスポーン後、すぐに相手を追い詰めて落とせるようにずっと仕向けていたということを。
そして、僕はそのまま一回目の行動で至近距離まで近づく。
二回目の行動で、ついに、森嶋の消しゴムを、落とした。
「決着ゥ!!」
実況席が盛り上げる。
「勝者は、前回大会準優勝者!田中亮介!!」
観客席も、実況席も大盛り上がりだ。
ふと、反対の東ゲートの入り口から、誰かがのぞいていた。
多分、木村だろう。
僕はグッドサインを、木村に向かって突き出した。
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(あとがき)
最近疲れた。
ラブコメ書くかも。
投稿遅れてごめんなさい。
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