第10話体育祭2
明けましておめでとうございます
本年も、「執事とお嬢様」をよろしくお願いします。
それでは、季節が真逆な本編をどうぞ
そしていよいよ最後の競技となるリレーが始まった。
自分は丁度中間位のスタート順で、もちろんアンカーは斎藤となっている。彼は、目立ちたがり屋なのだろうか?そんなことを考えているとすぐに順番はまわってきて、現在1組は3位で
「竹田、頼んだぞ!」
「あぁ」
そういってバトンを受け取ったが目立ちたくな自分は、現状維持で3位のまま次の走者にバトンがまわった。
そしてアンカーも近付くと放送部の実況にも熱が入り
「さぁ、4組、3組、1組 そして遅れて2組もバトンがアンカーにまわった!」
「そして、勝利の栄光まで残り50mといったところ!最終コーナから各クラスが並んで最後の直線へ!!」
「アーッと、最初に抜け出したのは1組だぁ!1組が突き放すぅ!速い速いぞ1組他の追随を許さない圧倒的な速さで今ゴールイン!」
「勝利の栄光を付かんだのは、1組だぁ!」
多分しなくても放送部の実況者は、競馬が好きなのであろう。そんな感じでリレーも1組が制覇し体育祭は終了した。そして、午後からは体育館での表彰式だけとなった。
~奈織視点~
誠二のカッコいいとこたくさん見れちゃったぁ~ そんなことを思いながらも教室に戻り椅子に座っていると
「菊田さん、放課後校舎裏来て」
「う、うん」
そういって、斎藤さんが言って来たので勢いで答えてしまうと、周りの女子からは
「菊田さん、絶対告白だよ」とかたくさん言われて困っていると先生が来たので皆が席に戻ると
「はぁーい、それじゃ体育館に行くよぉ~」
そういって、体育館に行き表彰式が行われ総合優勝は1組。そして、1組の中から選ばれるMVP は、斎藤くんだった。選ばれた理由は綱引きでの咄嗟の判断やリレーでの巻き返しが評価されたみたい。その後、校長先生からの長いお話を聞き、そして運命の放課後
校舎裏で佐藤さんと向き合っていると最初に口を開けたのは佐藤さんだった
「菊田さん、僕は出会った時から貴方に恋をしました。どうか、僕と付き合ってくれませんか?」
そう言って、彼は頭を下げたが私は
「ごめんなさい」
そう言って、告白を断り帰ろうとすると
「ちょっと、待ってくれ。何故何だ?体育祭でMVP も取った。それなのにダメなのか?」
「そうだよ」
「それじゃ、他に好きな人でもいるのか?」
………コク
「そうか…、わかった。時間をくれてありがとう」
そうして、私は誠二と合流し歩いて帰った。
~斎藤視点~
僕は、この告白の為だけに体育祭を頑張りMVPを取った。だが帰って来た言葉は
「ごめんなさい」
の一言だけだった。しかし諦めきれなかった僕は菊田に
「好きな人でもいるのか?」
そう、問うと帰って来たのは小さな頷きだけだった。
ショックを受け少しその場で立ち尽くし帰ろうと校門を出ると、目に入って来たのは
楽しそうに話している菊田と微笑みながら聞いている竹田の姿だった。
家に帰ると、家族が凄かったねとか声を掛けてきたが気にする事なく部屋に直行し入った瞬間、竹田に対して強い憎悪を感じ枕に八つ当たりをした。そして、僕は 絶対に菊田を僕の物にしてやる。そう、どんな手段を使っても。そう、強く決心した。
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