死ににきた山で
- ★★★ Excellent!!!
十七歳の真琴は、雪深い山を歩いていました。
ひとりきりで死ぬために――
倒れた真琴を助けたのは一徳という名の老人でした。
「まだ体が弱っている。せめて今日一日は休んでいきなさい」
一徳さんは真琴に何も聞かず、ただ静かに囲炉裏の番をしていました。
一徳さんの家で暮らすうち、真琴の心は少しずつ変化してゆきます。
とにかくこのお話、一徳さんの言葉が染みるのです。
超シンプルな暮らし、移り変わる季節。
そして、さなぎから蝶へ――
山の美しい景色とともに、全編に流れる静謐な空気が心地よい物語でした。
美味しいお茶が飲みたくなりました。