暗黒勇者〜冤罪から始まる成り上がり〜
JoJoROCK
プロローグ
「勇者ジン・ミズクモ!貴様を王女強姦未遂の容疑で国外追放する!」
国王の怒号が謁見の間に広がる。
「王様!俺はやっていません!確かに王女に招かれて部屋には入りましたがそんなことしていません!今すぐ王女をここにーー」
「黙れ!王女は今体調が優れていない!極刑を免れただけでもありがたく思え!すぐにでもこの国から消え失せろ!」
俺の周囲にいた貴族に他の勇者達は不敵な笑みを浮かべたり「やっぱりな……あいつならすると思ったよ」と小声で呟いたり、誰も俺の言葉を信じていない。
「同じ勇者でありながら王女を強姦しようなんてクズだな」
「本当に、自分を物語の主人公か何かと勘違いしてるのか?」
「こんな奴と同じ空気吸うだけでも吐き気がするぜ」
よく知りもしないで三人の勇者は俺を嘲笑う。
復讐してやる。
絶対にこいつらを許さない。
力をつけて必ずこいつらに復讐してやる。
俺は何も言えずにそのまま王宮から出ていく。
王宮を出た後、城下町の人達が「あの勇者……犯罪者だって……」とヒソヒソ話をする。
今まで仲良くしてくれた人も、何もかもを失った。
こんなことなら……異世界になんか行きたくなかった。
王女でもあるエミリー・シー・オブ・クラウド・スカイサウンド・ブロッサムとは恋仲になっていた。
それを快く思っていなかった勇者と貴族・国王達が結託して俺を貶めたに違いない。
しかし、証拠がないから誰も信じてくれない。
勇者の中でも俺は弱いから舐められる。
「おい兄ちゃん、王女様を強姦したって本当かよ?」
いつも世話になっている武具屋のおっさん胸ぐらを掴まれる。
「俺はしていない……」
どうせ誰も信じてくれない。
おっさんは「ついて来い」顎を上げ右手から親指を出して俺を武具屋の方へ誘導する。
武具屋の中へ入り俺は洗いざらい今起きている状況を話した。
おっさんは半信半疑ながらも少しは信じてくれたようだ。
「そうか……色々気になることはあるがオーダーメイドしてた剣を渡しそびれちまったからな受け取れ」
「金はないぞ?」
「いつか出世払いしてくれたらいい。俺も近いうちに隣国に移住するつもりだからな」
そう俺は冤罪をかけられたせいでこの世界で今まで得てきた武器も財産も騎士に連行される際に没収されてしまったのだ。
俺が特注した剣は双剣だ。
他の勇者のように魔力コントロールが上手いわけでもなく、身長や体格に恵まれているわけでもない。
そこで俺と相性の良さそうなのが双剣スタイルのようだった。
「いつか武器代は払う」
「……そうかよ」
おっさんはどこか悲しげな表情で俺を見送ってくれた。
俺は門を潜り抜け、30分近く歩いた。
誰もいないことを確認し、俺は中指を突き立て「俺を貶めたクソ勇者どもと王族の奴らに絶対復讐してやる!」と大声で捨て台詞を吐いた。
俺は魔王を倒す勇者として召喚されたが何も信用できない。
この物語は俺が暗黒勇者として俺を貶めた勇者と王族に復讐する物語だ。
暗黒勇者〜冤罪から始まる成り上がり〜 JoJoROCK @jojorock
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