第12話 第8章 前編 潜入!ゼファーリア城



Scene 36 潜入!ゼファーリア城


王都ゼファーリア近郊のレジスタンス拠点。

薄暗い部屋で、木の机を囲む仲間たち。蝋燭の炎が揺れ、地図の上で影が踊る。

集まったのはシン、ヴィクション、活月見、蓮華、ガロウ――

その視線は王城へと伸びる線の先に注がれていた。




活月見

「さて……城の防衛は奴らの手の内にある。

 正面突破なんざ悪手もいいとこさねぇ。」


蓮華

「地下道の調査は終わっています。

 崩れてはいますが、まだ通れます。

 作戦は予定通り――潜入です。」


ガロウ

「正面を避けるのは賢明だな。

 ……忍び道、か。」


ヴィクションは腕を組み、鋭い眼差しを向ける。


ヴィクション

「潜入ルートは確保済み。

 ……なら、準備は整った。」


ガロウ(苦笑しながら)

「ただ、アイツらの事だ。

 裏道とは言え、すんなりとはいかねぇだろう。

 気は引き締めて行こうぜ。」


シン

「……行こう。

 ミサキを……あいつを取り戻すために。」


活月見がため息をつき、シンを見やる。


活月見

「命を懸ける覚悟は顔に書いてあるねぇ……。

 なら、あたしも全力で手を貸そう。」



Scene 37 潜入、そして……


夜。

月明かりの下、森の奥に隠された古びた鉄扉がギギギと音を立てて開いた。

湿った風が顔を撫で、誰も踏み入れていない闇の匂いが漂う。


蓮華

「道は確認済み。……足場は悪いけど、行けます。」


足元の石段は崩れ、壁には苔がびっしり。

仲間たちは灯りを抑え、息を潜めながら地下道を進む。


ガロウ

「……嫌な空気だな。墓場に足を踏み入れたみてぇだ。」


活月見

「でもルートは正解だよ。ただ、ここは昔、聖堂と繋がっていたはずだが……

 今は闇に侵されて、まるで別の場所だ。」



Scene 38 魔力貯蔵庫跡


やがて道は広い空間へと開けた。

天井のアーチは崩れ、石柱が傾いている。

かつて光魔法を蓄えた神聖な場所――

だが今は紫黒の瘴気が漂い、陰鬱な空気に満ちていた。


ヴィクション

「……酷い有様だな。」


蓮華

「闇の魔術で意図的に……」


その言葉が終わる前に、彼女の気配が鋭く変わる。


蓮華

「――来るわ。」




空気が張り詰め、瘴気がざわめく。

そして――音もなく現れたのは、紫色の光を瞳に宿す女。

ミザリー。

その表情は無機質で、そこにはかつてのミサキの面影はまるでなかった。


ミザリー

「……侵入者、排除。」


その声は氷のように冷たく、仲間たちの背筋を凍らせた。


シン

「……ミサキ……ッ!」


叫びにも反応はない。

彼女の両手が僅かに動くと、紫黒の魔弾が無数に宙に浮かび――

一斉に仲間たちへと放たれた。



Scene 39「激しい応戦」


ヴィクション

「下がれ‼️」


剣を振り抜き、迫る魔弾を弾き飛ばす。

衝撃が火花を散らし、石壁が崩れる。


ガロウ

「チッ……容赦ねぇな‼️」


活月見

「《術式・護・結界壁(じゅつしき・まもり・けっかいへき)》‼️」


淡い光の障壁が広がり、爆風を吸収する。

煙の中、シンが必死に声を張り上げた。


シン

「ミサキ‼️俺だ‼️……シンだ‼️」


その瞬間、ミザリーの瞳が一瞬だけ揺れた。



揺らぎ。

刹那の迷い。

ガロウはその揺らぎを見逃さない。


ガロウ

「ミサキ‼️……目ぇ覚ませ‼️」


怒声に似た叫びが闇を裂く。

ミザリーは眉を僅かに動かした――

だがすぐに闇がその瞳を覆った。


ミザリー

「……目障り……排除……消す。」


紫黒の魔力が吹き荒れ、足場の石が砕け散る。

仲間たちは必死で防御を固めた。


活月見(小声で)

「やれやれ……深く呑まれてるねぇ……。」



光も音も飲み込むような闇が、貯蔵庫跡を覆う。

その中心に立つミザリーは、無機質な瞳のまま仲間たちを見下ろしていた。


シン

「……必ず、ミサキを――」

ミザリー

「………」


その決意の炎を宿した瞳を、闇の中の女は無感情に見返す。

戦いはまだ始まったばかり――。




※本作はAIアシスタントの助言を受けつつ、作者自身の手で執筆しています。(世界観・物語は全て作者オリジナルです)

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