オキテガミ《意味怖》

朝、目が覚めると、机の上に封筒があった。

名前は私宛。誰からかは書かれていない。

開けると、メモが一枚。


『今日、絶対に家を出ないで』


「うん、わかった」と呟きながらも、胸がざわついた。

不審に思いながらも、窓の外を見る。

空は晴れて、鳥の声が聞こえる。特に異常はない。

朝食の準備をしながらも、封筒のことが頭から離れない。

スマホで誰かに連絡しようか迷ったが、なんとなく、家で大人しくしていようと思った。


昼になっても、封筒はそのまま机の上にある。


「本当に何なのよ? 怖いから従うけど」


そう思った瞬間、玄関のチャイムが鳴った。


「えっ、誰?」


返事を待たずに、ドア越しに低い声が響いた。


──「出ないでって言ったのに」


その声の後、玄関の鍵が外から回る音がした。

あれ? 金属の音が──ドスッ!



『届くの、少し遅れたね』


解説


封筒の指示はリアルタイムの警告ではなく、すでに手遅れでした。

主人公はもう、この世には居ないのかもしれません。

まず、何故一人暮らしの主人公の部屋に封筒が?

人って怖いですよね……。

皆さんは、知らない人が来ても決して扉を開けてはいけません。

主人公と同じ結末を迎えたくなければね。


あれ? インターホンの音が聞こえて──

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

500字短編物語 甘寺らいか @noakko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ