二人の暮らす世界が鮮やかに浮かび上がる、素晴らしい描写の数々です。あっという間に引き込まれました。あたたかい余韻のある素敵な物語です。
古びた森に生きる魔女と、ひとりの青年が出会う。よくある設定のはずなのに、どこにも嘘がない。この物語が描くのは、恋や魔法ではなく、魂が触れ合うということ。派手な奇跡も、悲劇の涙もいらない。ただ、想いがそこにある。――魂の美しさは、消せないし、終わらない。例え命が失われても続いていく、その美しさがたまらなく好きだ。