第13話

 21世紀も四半世紀経過したと言うのに、人類は未だ月にすら到達していない。今世紀中に到達する可能性もゼロに近いそうだ。

 AI技術が発展してきた今では、人類よりもAIの方が先に宇宙進出すると言われている。まぁ確かに地上からの支援なしにロケットの運行制御しながらミッションを達成できるスーパーマンを育成しても些細な間違いで失ってしまうより、自律制御してもらう方がコストもかからない。月まで届くようなケーブルを作成すればロケットへ地上から支援もできるが、無理な話だし。

 それができるなら先に宇宙エレベーターの方が現実的だろう。

 そう言う事で、人類は未だ数人しか宇宙へ行っていない。子供の頃に描かれた未来予想で描かれた、手軽な宇宙旅行はまだまだ先の話のようだ。

 僕のような一般人が見る事ができる、宇宙から見た地球は10年前に成功したアメリカの宇宙飛行士が撮影して持ち帰った数枚と、無人ロケットが成功した任務によりもたらされた映像が全てだ。初めて見た時、確かに地球は碧い球体だったのだと、改めて実感したのを覚えている。

 考えれば宇宙を見る方法は昔から変わらず、地上で望遠鏡を覗くことだけだった。機材が進歩しようが、それは変わらなかった。それがこの世紀で宇宙を宇宙から見れるようになろうとしている。パラダイムシフトの渦中にいるのだと思うと、少々感慨深い。

 まあ、それができたとしても僕らの生活に何ら変化はないだろう。庶民がそう言った恩恵を実感を持って享受するには、商品化された何かが安くなった時だろう。

 それまでは、わずかにではあるが僕の中にある、キュリオシティーを失わないようにしていきたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る