第22話:存在しない少女の謎と、論理バグの解読

1.論理矛盾のバグと、雫の謎 🧐

図書館で遭遇した、存在しないはずの美少女、一ノ瀬雫。彼女が去った後、俺たち『放課後チート同盟』は、図書館の郷土史コーナーで緊急会議を開いていた。

「佐倉君の『真実のログ』によると、彼女の**『存在ログ』が、この世界にない…ありえないわ。彼女は、『この世界にとって、最初から存在しなかった人物』**だとシステムが認識している」

凛は、解析デバイスを叩きながら、信じられない、という表情を浮かべる。

「でも、あたしたちの目の前に、実体としていたよ!幽霊とか、幻惑ってこと!?」ひかりは、不安そうに周囲を見回す。

「私の**『幻惑(イリュージョン)』**じゃないわ。彼女の存在には、物理的な質量と、明確な情報があった。…だが、彼女の『管理者レベルのアクセス権限』というログが気になる」零が、冷静に指摘する。

咲耶は、郷土史の本『桜ヶ丘の起源』を手に取り、俺に尋ねた。

「悠斗。この本とデータベースの**『情報の矛盾』は、彼女の出現と関係がある。彼女は、『世界の真実』を調べていると言った。二つの起源の情報のどちらが『偽のログ』**なのか、解析できるか?」

俺は、能力を集中させ、二つの情報を読み比べる。

【Book Log: 開祖 - 明治時代の富豪】

【Database Log: 開祖 - 江戸時代の修験者】

【True Log: Both Logs are 'False'. The original foundational log is missing.】

「…だめだ。どちらも**『真実のログ』ではない。どちらも、誰かによって『上書きされた偽の情報』だ!そして、『本来の基礎ログ(オリジナル)』**が、完全に消去されている!」

「両方とも偽物…?」

「そうだ。そして、この情報の矛盾が、図書館のシステム全体に**『論理の穴』を開けている。この穴を利用して、雫は…『存在しないのに、この世界に介入』**しているんだ!」

俺は、一ノ瀬雫の正体に、一つの仮説を立てた。

「彼女は…**『影の支配者』とは別の、『世界の外部から介入してきた存在』だ。そして、彼女自身が、この世界の『設計プロトコル』を知る『鍵』**なんだ!」

2.デバッガーの奇策と、論理バグの修正 💡

雫の正体を追求する前に、この論理バグを修正しなければならない。このままでは、論理の穴が広がり、世界のシステムに深刻な影響を及ぼす。

「**『情報の矛盾』を修正するには、『第三の真実』**が必要だわ」凛がデバイスを操作する。

「第三の真実…?」

「そうだ。どちらの起源も**『偽』なら、この『論理的な行き詰まり』そのものを、『一時的な真実』**としてシステムに認識させるしかない!」俺は、頭の中で最速のシミュレーションを行った。

「咲耶!図書館のネットワークを**『フリーズ』**で一時的に外部から隔離しろ!」

「了解!」咲耶が、図書館のメインスイッチに手をかざす。図書館内の全ての情報機器が、一瞬で**『時間停止』**したかのように静止した。

「零!咲耶が作った静止空間の中で、**『幻惑』を使い、この郷土史の本に『もう一つの起源(第3のログ)』が隠されていた、という『情報の痕跡』**を、一時的に上書きしろ!」

零は、俺の指示の意図を理解した。「つまり、**『矛盾していることこそが、世界の真実の一部である』**と、システムを騙すのね!」

零は、幻惑の能力を発動。本のページに、かすかな**『透かしの文字』が浮かび上がる。そこには、「この地の起源は、時空を超越した**『システムの設計図』**にある」**という、偽りの第三の真実が書き込まれた。

「凛!フリーズが解除される瞬間に、この**『第三のログ』が、データベースの『自己修復コード』として認識されるように、『無効化(キャンセラー)』**でネットワークに流し込め!」

「…なんて無茶な!でも、やってみる!」

俺は、咲耶の解除のタイミングを、デバッガーの能力で読み取る。

「…今だ!咲耶、解除!」

咲耶がフリーズを解除した瞬間、凛のキャンセラーが、論理の穴に**『第三のログ』**を流し込む。

【System Error 006: Logic Loop Instability - Corrected by Self-Repair Protocol.】

警告ウィンドウが、緑色に変わった。論理バグ、修正成功。

3.雫の招待と、放課後の監視 🔍

安堵の息を漏らす俺たちだったが、咲耶の表情は険しかった。

「論理バグは修正したが、**『一ノ瀬雫』**の謎は残ったままよ。彼女が、次に何を仕掛けてくるか…」

その時、図書館のカウンターの上にあった、俺の私物の教科書に、新しい紙片が挟まれているのを見つけた。

それは、雫の筆跡で、優雅に書かれていた。

> 「佐倉君。あなたの『デバッグ』は、本当に面白い。あなたの能力について、もっと知りたい。――明日の放課後、『屋上の隠し扉』で待っています」

> 一ノ瀬 雫

>

「屋上の隠し扉…?そんなもの、学園にないわ!」ひかりが驚く。

俺は、デバッガー能力で、雫が消えた図書館のカウンターのログを解析した。彼女は、**『存在しない人物』にもかかわらず、確実にこの世界に『痕跡』**を残している。

そして、俺の脳裏に、雫の**『存在しないのに管理者権限を持つ』というログと、『屋上の隠し扉』**という言葉が結びついた。

(彼女は、この世界が**『ゲーム』**であることを知っている。そして、屋上の隠し扉は、**システム上の『管理者コマンド』**でしか開かない、裏の入り口だ!)

「これは、雫からの、**『招待状』**だ」俺は、紙片を強く握りしめた。

「罠かもしれないわ。だが、彼女の正体と、彼女が知る**『世界の設計プロトコル』**の秘密に迫るには、この招待に応じるしかない」咲耶が、強い決意を込めて言った。

「明日の放課後、**『存在しない少女』との単独会談。そして、私たちは、あなたの『護衛(ボディガード)』**に徹するわ」

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放課後チート同盟 本を書く社畜 @wata098765

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