第20話:裏コード共振と、世界の修正

1.裏コード共振、攻撃開始 ⚡

地下空洞に響き渡る、俺、佐倉悠斗の叫び。

「凛!3.30 GHzだ!キャンセラーを撃ち込め!」

凛は、迷うことなくデバイスを操作し、コアに向けて**『無効化(キャンセラー)』のエネルギー波を放つ。能力は20%に制限されているが、狙いは『裏コードの周波数』**。

青く輝くコアの表面に、波紋が走る。

「くっ…小賢しい!だが、そんな微細な攻撃が、このコアに通用するとでも!?」少年使者が、焦りの色を浮かべながら叫ぶ。

「無駄だ!共振は、徐々に効果を発揮する!」俺は、次の指示を出す。

「咲耶!コアの周囲に、**『極小のフリーズポイント』を、『正弦波(サインカーブ)状』に生成しろ!コアの振動を増幅させるための『補助ノード』**だ!」

咲耶は、額に汗を滲ませながら、20%の能力を極限まで精密に制御する。コアの周囲に、肉眼では見えないほどの小さな氷の粒が、まるで回路のように配置されていく。

「次は、19.45 GHzだ、凛!ひかり!零!一斉攻撃で、コアの**『安定化プロトコル』**を崩せ!」

「ブースト!」ひかりは、20%の加速を拳に集中させ、コアに向けて音速の連打を放つ。物理的な衝撃ではない。**『衝撃波の共振』**を狙った攻撃だ。

「イリュージョン!」零は、コアの周囲に、無数の**『偽のテンプス・クロニウム結晶』を幻惑で描き出す。コアの『自己認識』**を混乱させ、防御プロトコルの起動を遅らせる。

「デバッガー!指示が正確すぎる!なぜ、我々のコアの**『弱点』**を知り得た!?」少年使者が、怒りの声を上げる。

俺の視界には、コアのエネルギー出力が、咲耶のフリーズポイントとひかりのブーストの衝撃波によって、裏コードの周波数で激しく共振し始めている様子が、鮮明に表示されていた。

2.崩壊の連鎖と、影の支配者の敗北 💥

「コアの安定化プロトコル、崩壊まで、残り10秒!」凛が叫ぶ。

「咲耶!最後のフリーズを!コアの**『時間軸』**を固定しろ!」

「分かったわ!」咲耶は、残された全能力を、コアの**『時間軸のブレ』をゼロにする、一点集中の『絶対静止(アブソリュート・フリーズ)』**に投入した。

キィィィィン…

コア全体が、一瞬、時間の流れから切り離されたように、ピタリと動きを止めた。

「今だ!凛!全周波数で、コアの**『システムロック』**を破壊しろ!」

「『キャンセラー』、最大出力!」

凛のデバイスから放出されたエネルギーが、静止したコアの表面に、無数の亀裂を入れる。

バキィィィン!!

静寂を破り、巨大なテンプス・クロニウムのコアが、粉々に砕け散った。

コアが破壊された瞬間、地下空洞全体が揺らぎ、空間の歪みが急速に収束していく。

【CRITICAL ALERT: Core System Destroyed - Temporal Overlap Protocol CANCELED】

【Final Protocol: World System Integrity Restored - Root Bug Corrected】

俺のデバッガーウィンドウが、全ての危険が去り、世界の完全な**『修正』**を告げる。

「…やった…!」ひかりが、喜びと安堵の声を上げる。

少年使者は、コアの残骸の前に立ち尽くしていた。

「馬鹿な…我々の**『恒久的な修正』**が…デバッガーごときに…」

「お前たちが目指した『完全な世界』は、**『バグのない、存在しない世界』**だ」俺は、力を込めて言った。

「この世界のバグは、**『人間性』そのもの。それを消そうとしたお前たちこそが、世界にとっての『癌』**だったんだ」

使者は、顔を上げ、俺たちを見た。その瞳には、初めて、敵意ではなく、諦めと、わずかな寂しさが宿っていた。

「…私たちは、**『デバッガーの可能性』を過小評価していたようだ。しかし、覚えておけ。『システム管理者』は敗れたが、『世界の設計思想』**は変わらない。バグは、必ずまた生まれる」

使者は、他のローブの幹部たちと共に、崩壊する空間の歪みへと身を投げ、静かに消えていった。

3.修正された世界と、チート同盟の日常 ☀️

俺たち五人は、コアの崩壊と空間の収束に巻き込まれ、次に気づいた時には、再び学園の校庭に立っていた。夜空は澄み渡り、月は穏やかに輝いている。

部室に戻ると、凛がモニターに最終ログを表示させた。

「世界のコアへの干渉は、完全に消滅したわ。そして、佐倉君の成績改ざんも、**『システムログのバックアップ』によって、元の『中の下』**に戻ったわ」

「やった!これで、普通の陰キャに戻れる!」俺は安堵の息を漏らす。

咲耶は、静かに俺の隣に座り、紅茶を差し出した。

「悠斗。私たちの世界は、**『バグのない世界』にはならなかった。だが、私たちには、そのバグを恐れず、修正していく『力』と、そして『デバッガー』**であるあなたが傍にいる」

ひかりが、笑顔で俺の肩を抱きしめる。「これからも、あたしたちの**『裏世界の司令塔』**でいてね、ゆうくん!」

零は、ポッキーを咥えながら、俺にウインクをした。「この世界を**『退屈させない』**ために、よろしくね、陰キャ君」

俺は、美少女たちに囲まれながら、改めて決意した。

バグを生み出す世界の設計思想は変わらない。だが、俺たち『放課後チート同盟』がいる限り、この世界は、誰にも壊させない。

俺の、**「バグだらけだけど、かけがえのない非日常」**は、これからも続いていくのだ。

—―第20話 完—―

【第2部:『世界の危機』編 完】

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