帰路

 男性同士の友情っていいな。って。

 一人でいるときよりも、自由そうで、楽しそうで。


 最近よく塾の帰りにアパートのベランダでタバコを吸っている四、五人の男性の影を見かける。

 おそらく、大学生くらい。


 彼らには何でもない日常の一コマなんだろうけど、すごく輝いて見える。

 逆光なのに、すごく彼らの姿がまぶしくて。

 いいな、って。


 先日彼らの一人が、私に気がついて手を振ってくれた。

 曖昧あいまいに手を振り返すと、最初に手を振ってくれた人が背を皆に叩かれていた。

 その影絵が美しくて目を細めた。


 彼らの世界と私の景色が織りなった気がして嬉しかった。

 そんな夜。

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