狂愛とは。私が溺れたい愛

水底みなぞこ水面みなもを見つめ、

曖昧あいまいに広がる脳髄のうずいを焼き付ける。


何処どこにもかぬように、けぬように。

散乱して飛び散る残骸を縫合ほうごうするように。

言の葉で、包容ほうようで、甘美に、狂気的に、

荘厳そうごんに抱きとめられているような。


あいが身を消すほどの情に溺死できしする。

一抹いちまつ泡沫うたかたいて火照ほてえらを走らせて

おぼれ、溺れて、狂い、狂う。


持たぬ触覚で想うありごとく、

このまま殺されてみたい。


微生物の臓物ぞうもつ追憶ついおくの、その日まで。


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