ハッピーハロウィン!

夕日ゆうや

コスプレイヤーの初恋

 高校の文化祭も無事終えて、俺らは10月27日を迎えた。

 時和ときわ台にある古びた屋敷で俺とヒナとワズミ、それからコワはコスプレをして撮影会を始めている。

「いやー。さすがハロウィン。いろんな衣装の子がいるね」

 SNSを開くと、そこにはすでにコスプレを楽しんでいるコスプレイヤーさんが大勢いた。

「ふーん。でもわたしも負けていないと思うなー」

 鼻をふんすとならし、メイド和装をほどこしたヒナ。

「なになにヒナっちてば嫉妬? きゃー。さすがカイだね。尊敬するぅー」

 やたらと高いテンションのメイドバニーなワズミ。

「あら。あなたたちずいぶんと力を入れているのね」

 初参戦のコワはかなり落ち着いている。というか冷静すぎるくらいだ。

 その服はメイド水着だ。一番きわどい格好をしているが、それでも恥じらいを感じさせず、むしろ貫禄があるくらいだ。

「まあ、とりあえず撮影会、再開するぞ」

 休憩を終えて、俺はみんなにポーズの指示を出す。

 みんな「メイド・プラス」の新作衣装に身を包んでいる。

 なんとも可愛らしいが、俺以外にはあまり話をしない。

 学校でボッチになっている奴らを集めた結果がこれだ。

 コスプレイヤーという共通点を除いて。


 まあ、今が楽しいからいっか。


 きっとコスプレは来年も、再来年もあるのだから。


 俺らの恋はまだ始まったばかり――。


                     ~完~

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