初舞台〜♪ハロウィンの〜

くさぶえ 舞子

初舞台!

ハロウィン当日、14時から始まるため、一時間前に昼ご飯のスパゲッティを口に頬張りながら、Rくんは聞いてきた。

「ねぇ~女の子おる〜?」

 私はズッコケそうになった。

仮装コンテストがある、人前にでることの緊張より女の子かい!

口の周りをオレンジ色に染めながら、スキをついて、左肩の洋服でクイッと拭いた。

ふぅ〜危ない危ない。衣装に着替えるのを遅らせてよかった〜

ご飯を食べ終わってから、何とか、ジャックオーランタンのマントを羽織らせて、黒いズボンを履かせた。

 14時ちょっと前に会場に着いた。フォトスポットで写真を撮ったあとで、受け付けを済ませた。

待ち時間があった。何やら、続々と、ハロウィンの格好をした子どもたちが開催場所のエントランスホールに集まってきた。

ヒラヒラと、お姫様のした同じ年くらいの女の子に

チビジャックオーランタンがフラフラと寄って言って声をかけている。すかさず

「こらこら!やめなさい!」

 と、連れ戻してはイスに座らせた。しかし、中々落ち着かない。

 主催者側の人が何か紙を取れと、回ってきた。

引いてみたら、一番目を引いてしまった!あぁ〜と、ちょっとガッカリしながらも、逆に緊張する暇がないからラッキーか!と、開きなおった。

 司会が始まって、今回出場するのは6組らしい。

そのうち賞が取れるのは【かわいかったで賞】【怖かったで賞】【すごかったで賞】だった。パッと見た感じ、賞を諦めた。

 そして、最初に名前を呼ばれて、舞台後ろの中央の階段からジャックオーランタンが登ってきた。

司会のおばちゃんが

「年とお名前は?」

 と、聞いてきたのでRくんは

「はーっはっはっはっはっ!オラ、五歳!のはらしんのすけだ!」

 と、手を斜め上に上げてポーズをとって決めていた!どっ!と会場が笑いに包まれた。

「違うでしょ、お名前!」

 と、司会のおばちゃんにツッコまれていた。

すると、ポーズを決めたままフルネームを名乗っていた。彼なりのカッコいい表現なのだろう。

そこで

「お母さん!この衣装はどうやって作られましたか?」

と、私に質問が飛んできた!慌てて

「…ドンキです。ドン・キホーテです…。」

 と、答えたらここでも笑いが起きた。

見るからに、手作りです!と、気合いが入ったと分かる仮装の出場者たちが他にいたからだ。

 結果、二分の一の賞は逃した。

【かわいかったで賞】は、アリスとウサギの格好を姉妹。

【怖かったで賞】は、ガイコツを着て鎌を振り回していたチームではなく、白塗りメイクされたミッキーとミニーの兄妹が取った。(この選択が面白かった)

【すごかったで賞】は、しょくパンまんと、ドキンちゃんの被りものと全身コーディネートした手作りの超力作!が取っていた。

 それぞれに賞品(館内のカフェのチケット)がわたされ、みんなでスリラーを踊って終わった。

和気あいあいと、「トリックオアトリート」もなく、仮装大会で終わった。

「【面白かったで賞】があったらうちだったのにね〜」

 と、スタッフさんと話して帰った。思えばコレが保育園以外の初舞台である。堂々としたものだった。

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初舞台〜♪ハロウィンの〜 くさぶえ 舞子 @kusabue015

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