いい人

實鳥

いい人

「いい人」

それは誰にでも分け隔てなく接して、その人の中心には優しさが鼓動している人。


私は「いい人」になれるだろうか。


小学生の頃、友達が忘れ物をした時。

私はその子に物を貸してあげた。

その子は喜んで感謝してくれた。

これは「いい事」をしたに違いない。


中学生の頃、好きだった男の子に彼女ができた。

悔しかった。

でも、私は一番の友達だったからその子のことを祝福してあげた。

これは「いい事」をしたに違いない。


高校生の頃、クラスの友達が喧嘩をしてしまった。

私が教室に入ると既に喧嘩が始まっていて、誰も止めようとはしていなかった。

私は二人の友達だから止めに入った。

その時私にも罵声が飛んできた。

「いつも何様のつもり!?」「あんま調子に乗るなよ!」

お互いに溜まっていた不満が爆発してしまったのだろう。

その場はなんとか収めることができた。

その後、二人は違う大学に進学しても遊びに行くほど仲良くなっているのをインスタで見た。

これも私は「いい事」ができていたはずだ。


そして大学生の今、私にグイグイくる男の子がいる。

別に嫌いじゃないし好きだけど、もっと他に綺麗で可愛い子はいっぱいいるのに。

でも、友達にその男の子が好きになった子がいる。

だから私はどうにか応援してあげたいし、うまくいくよう誘導したりした。

二人はいい感じになってきているらしい。

嬉しい。よかった。

きっと「いい事」ができた。


そして私は問う。

私は「いい人」になれているだろうか。

「いい人」とはなんだ。



どこか心臓が破裂しそうだ。


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