第4話
「考えながら薪割りをしてると、足が真っ二つに裂けるぞ」
とコールが言うと、俺はハッとして足元を見た。自分の斧が、爪先のすぐ先の地面に刺さっていて、思わず俺は声を上げた。
「うわぁっ?!」
自分でも吃驚して思わず叫ぶと、コールは「あははは!」と声を上げて笑った。そこに、森から青年が2人、それぞれの馬に乗ってやってきた。この2人は、セルとギター。俺たちの仲間である。
「まーたバカなことしてんのか?ラディ」
「今夜がどんなに大事な夜か分かってんのか?…わからねえだろうなぁ」
と二人は顔を見合わせて笑い合っている。俺はキッと二人を睨み付けて、
「うっさいなっ!分かってるよっ」
と怒鳴った。とは言ったけど、本当はよく分かっていないのは、ホントだったりして…。
*
この二人も旅の仲間で、昔からの知り合いである。
セルは、
ギターは、武器職人。
彼の作る武器は天下一品だ。彼に作れない武器はない。王家にも仕える歴代の武器職人の家の長男で、仲間の中では一番年上の22才。きれいなブラウンの髪で、肩くらいまでの流さだが、いつも後ろで一つに結っている。
そして、旅の仲間はもう一人。
野郎の中の紅一点。
鳥や犬たちの鳴き声が聞こえてきて、俺たちは顔を上げて振り向いて森の方を向いた。
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