第3話
楽園に戻れなかった竜たちは、水のある場所にしか生存できないため、森の泉や湖、川などでのみ生存した。海には死竜が住み着いていたため、人間も竜も近寄らなくなってしまった。やがて人間は魔力を失いつつあり、魔女の末裔の祈りの魔法で竜の力を借りて、死竜を消すために《召喚》という技を習得する。
だが精神の強い者でないと、竜の存在に人間の精神がもたなくて、死んでしまう。そのため、竜を召喚できる者は「勇者」と讃えられるようになった。
*
そして、現在…。
新たな勇者と、竜たちの物語が始まろうとしていた。
*
俺の名は、ラディ。
もうすぐ18才になる。
俺は魔法も使えないし、剣の腕前も大したことないが、最近全てを凍らせる技を習得した。その技の名は、
勇者の名前は、コール。
この光の国イノスの第一王子だ。透き通るようなシルバーの髪の色。髪は細く長くて、降ろすと肩甲骨あたりまであるが、いつも後ろで一つに結っている。深い森のような瞳。剣も弓も魔法も使える、正に勇者にぴったりの人だ。
魔法は、魔石と呼ばれるクリスタル水晶を使って呪文を唱えて使うが、誰でも使えるというものではない。どんなに練習して訓練して、努力しても、使えない者は使えない。もちろん、俺も使えないけど。
「……ディ。………おい、ラディ!」
コールの声だ。俺は我に返り顔を上げてコールを見ると、コールは腰に手をあてて溜め息をついて俺を見ている。
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