第13話 これで公認の主従関係です。

「こっちだよ。藤乃さん……」

「はい……刀也様……じゃなくて今は学校……ええ、風間君」


 藤乃さんの口調がごちゃ混ぜになってるよ。もうどっちか1つにモードに絞った方が良いんじゃないかな? 藤乃さん……そんな事を心の中で考えている場合じゃないや。今は安全な場所に逃げなくちゃ。


「風間を探せ~! 血祭りに上げろ~! 風間を許すな~!」

「藤乃さんの手を握ってどこかに逃げたぞ。もう一度ギルティー執行だあ!!」



お昼休み。それは学生にとっての休息の時、藤乃紫陽花ちゃんファンクラブから命を狙われる為にあるものじゃないんだよ。藤乃さん。


「……ハァ……ハァ……ハァ……もう走れないわ。刀也君」


 「……藤乃さんはさ運動音痴なんだね」


ピキッ!


 あれ?今、藤乃さんの辺りからピキッ!って変な擬音がなった気が……気のせいか。


「ムムム……誰が運動音痴なの? 刀也様……風間君」


「……藤乃さん。もう喋り方慣れてる方に統一しちゃいなよ。端から見てたら痛い中二病の女の子に見えるよ」


ピキッ!


 あ! まただ。また藤乃さんから何か怒った時になるピキッ!が聞こえて来た。


「……私は中二病ではありません。刀也様」


「あ! 今度からメイドモードでいくんだね。了解了解」


「……刀也様。私の扱いが先程から雑になってます」


「そりゃあそうでしょう。朝、校門に到着した途端に手なんか繋いで、皆に僕達の関係をバラしちゃったんだからさ……あ! 良かった。空き教室の鍵開いてる。藤乃さん。昼休みが終わるまでここに隠れよう」


「畏まりました。刀也様(プイッ!)」


 ……怒ってるみたいだけど仕草が可愛いだけだよ。藤乃さん。


「……何怒ってんの?」


「怒っていません……それよりも刀也様から、私への優しさが消えてしまいました。悲しいです」


「うん。消えるよ。消えて宇宙の彼方まで飛んじゃったよ。藤乃さん……この裏切りメイドさん」


「裏…切りメイドさん?」


 おお、効いてる効いてる。思いのほか藤乃さんへの心のナイフが効いてるよ。


 今日の朝のベッドの件や裁判の件と良い。もう藤乃さんへの遠慮はいらないよね。これからは普通に接する事にするよ。藤乃さんへの優しくしてあげる特別扱いは今日で死んだ。


 ……まぁ、少し言い過ぎたし。朝、コンビニで買ったモンブランケーキを食べてもらって機嫌を直してもらおうっと。


「ごめん。言い過ぎたよ。お詫びに藤乃さんにはこれを食べさせてあげるよ」


「と、刀也様。それはスイーツですか?……ありがとうございます」


 さっきまで頬を膨らませて怒っていた藤乃さんは、モンブランケーキを渡すと頬を緩ませながら喜んでくれたよ。

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