第14話 ガーランドダンジョン Ⅰ

「1階層は様子見ですか?」

「ボチボチと行きましょ♪私達はじっくり階層を探索して攻略するのよ

魔物は直ぐに判明するけど他は調べないと分からないわよ」

「先ずはどれくらいの広さなのかですね?」

「そうよ!さあ!行きましょ!」


この町はダンジョンの為の町

そして町から不埒者を排除する為に歓楽街をここに移したのよ


飲み屋さんや如何わしいお店とかね

風俗店を集めたら凄く繁盛すると喜ばれて店が集まったようよ


そして娼館も、こればっかりは町に有れば良からぬ人達が暗躍するからね

なんせ奴隷制度ってのが有るんだから


性奴隷は禁止されてるから借金奴隷の女性が望むなら奴隷を解放してお店で働くんだって

これは犯罪まがいだけど魔法契約で縛ると不正出来ないって訳よ


あくまでも本人の希望が有っての契約だって

娼館だと借金返済が早くて稼げるから望む女性が多いってのが信じられないけど


この世界の女性は性に関してはユルユルなのよ┅┅

問題は男性が少ないって事

一夫多妻制度はそんな感じで許されたとか


男1人に女は4人から5人だって

行き遅れ女性が多く出るから必死なんだって

カップルとかも二股なんて当たり前なんだから


日本なら殺傷沙汰よ!浮気だなんだと泣くは騒ぐわで殺傷沙汰よ


冒険者パーティーだってハーレムパーティーとか多いから付いて行けないわ


Aクラス冒険者は大抵そのハーレムパーティーを作るらしいって┅

そりゃあ女性冒険者にもAクラスは居るけど!


「私はなんか嫌です、1人の男性に複数とか・・・責めて2人なら┅」

「私は信じられない、でも当たり前と言われたら何も言えないのよ

ミコちゃん!貴女はあなただけを好きになってくれるヒトとだからね?」

「そんなヒトがいたら良いけど┅」


私と違ってミコちゃんは夢見る少女よ!素敵なヒトと幸せにって思ってるんだから

ミコちゃんを泣かせる奴は私が許さないからね!

しっかりチェックするから!

男なんて!男なんて不潔で汚いんだから!


うっ┅また吐き気が・・・嫌なの!


町は区割りと言うか娼館とかの歓楽エリア、飲酒エリア、宿泊エリアに普通の食堂や商店街

そして武具屋さん鍛冶工房エリア

とハッキリ別けられてるからとても分かりやすいの


「この町もお姉さんの入れ知恵なんですよね?」

「入れ知恵って┅少し話しただけよ、だって昼間から酔っ払いとか淫らなお姉さんが男を誘うの雰囲気が悪いでしょ?

それにどうしても悪い事を考える輩が出るからね」


「ウフ♪なんか色々助言して町が変わったのお姉さんの仕業とかって噂になってますよ?

それにスラムが失くなって孤児もお腹いっぱい食べれる様になったんだから」

「子供は大事な宝だからね、孤児だからと放ってたら駄目なの

それと仕事なんか作ればいいんだから

何もしないで諦めてるのは罪なの

働いてお金を稼いで生きる事を実感して欲しいの」


「ガーデンス町には工場?とか言うの増えました

なんかお姉さんがこの町の領主様みたい」

「イヤイヤ!まだ2年だからね?来た当初は色々と不満だったから色々としたの

今の事は結果オーライになっただけ

これは皆が望んでたから良くなったのかもね」


そうよ、私のした事は大した事は無いわ

話を聞いて工夫してくれたからよ

少しのヒントを投げてそれを大きく発展させたのは町の人達


誰だって快適な町に住みたいし便利で使い易い物は好きでしょ?

まぁ安心安全な暮らしが一番望まれた課題だったのよ


入り口から入ると長いトンネルを通り次第に草原が見えて来る

そしてトンネルを出ると┅┅


「うわぁ!凄い!ここって地下ですよね?」

「地下の1階層って事よ、しかし空が有るなんて不思議ね?」

「広いですね┅┅それに冒険者が多いです」

「1階層だからよ、でもドロップ品とか売っても大した事は無いって書いて有るわ」

「あっ!2階層へ行く階段を探さないと駄目だからですよ!」

「え~っと┅ふむふむ┅この案内に書いて有るのは10階層までは次の階段を探さないと行けないらしいって

つまり!階段と言うか進む道は決まって無いのよ

探した者だけが進めるって事ね」


「進めない冒険者があんなに・・・ゴブリンとかでも長く戦うなら不味く無いですか?」

「消耗して出ていくわよ、ダンジョンは神様の試練とかだからね

そう簡単に攻略はさせてくれないって事よ」


ミコちゃんの索敵、気配察知、魔力感知、隠密の能力を強化訓練よ

他も色々と訓練しないと駄目

腕力問題は私も経験したからトレーニングよねぇ~


痩せてるけど胸やお尻は大きいから女として見られるのは危険なの

まだ成人したばかりの子供なんだから


最近は特に可愛くなってるのよ

背も少し伸びて益々良い女の子になってるからねぇ~

1人で森やダンジョンをウロウロするんだから能力強化に防御力をもっと強くするの


「それとミコちゃんに結界魔法を覚えて貰うわよ」

「結界なら光魔法のを張れますよ?」

「まだ弱いから直ぐに壊れちゃうでしょ?

それより結界魔法を使えたが守れるの、1人で採取する為には自分で守らないとね」

「はい!姉さんの結界魔法は凄いから私も使いたいと思ってました」

「ミコちゃんに空間魔法や錬金術も覚えて欲しいのよ

私は旅に出るから安心したいのよ

もしミコちゃんに何かあったら私は後悔しか無いからね」


「リョウ姉さん┅┅うん┅私の姉さんでお母さん!

寂しいけど頑張るから!グスッ┅大好き!」

「泣かないの┅時々帰って来るから┅そして2人で旅するからね?

今はまだ早いの、もう少し大人になったら一緒に行きましょね?」

「うん!必ずよ!私┅頑張るから!そして薬師の試験も受かって錬金術で何でも作れる様になるから!

姉さんから教えて貰った事をもっと上手く使える様になります!」


本当に可愛いんだからぁ~

本当の妹?娘?ウフフ♪なんだかなぁ~♪

もぅ!可愛くて食べちゃいたいわよ!


もしも私のミコちゃんに何かしたらソイツは必ず殺す!

例え貴族だろうがなんだろうがギタンギタンのボロボロにして殺してやるわ!

勿論スケベ目的なんてのはアレとタマを潰す!

クラウスと同じよ!不埒な輩は潰すか殺すから!ふん!



先ずは気配察知と魔力感知を発動

魔物の様子を知らなくてはね


「気配察知は常に使うのよ、魔力感知は慣れるまでは魔物対策に使うの

そして鑑定しながら進むと良いわ」

「そんなに1度は難しいですぅ!」

「フフ、それを繰り返すと並列思考が付くわよ

そして速くなると並列演算思考を獲得するからね

普段使いすれば並列演算処理も出来る様になるから

魔法を使う時に色々と便利よ

風魔法と火魔法を同時にとか合成魔法とかね」

「そんな器用な事が┅┅姉さん私を無敵にしたいんですか?」

「勿論!1人で冒険者活動するんだから

でも薬師がミコちゃんの本職だからね?

錬金術師も資格取ればそっちも無敵になるの

貴女の将来が何の心配無く自由に生きる為よ」


「もぅ┅かなり厳しいんですけど?そんな夢みたいな将来なんて・・・」

「私は貴女に後悔や嫌な思いをして欲しく無いの

そして幸せになって欲しいのよ

生まれて良かったってね♪」


彼女の生い立ちや今の状況を考えるとどうしても手を出したいの!

そして実家のお父さんと弟さんに安心して貰いたいのよ

お母さんを亡くして貧しい農家だからって1人で町へ出て来たんだから・・・8歳から


今は実家へ十分な仕送りが出来るからって喜んでるけど私としたらまだまだよ

1度一緒に行って様子を見たいな

どんな畑でどんな考えなのか?

弟さんも農家で良いの?とかね┅


ミコちゃんの全部を面倒みたいのよ!だってぇ・・・可愛いもん!


「おいおい!なんかすげぇ良いのを見つけたぜ!」

「ほう~まだ若ぇが良いカラダしてるな?┅┅クク」

「すげぇ良い女だしそっちは幼いのにカラダは大人だな┅ククク

こんな所に良い獲物が見つかるなんてよ!ヒャハハ!」

「おい!向こうで楽しもうぜ!ジュル┅なんならペットにするのも良いぜぇ~♪」

「おんな┅おでの女┅欲しい┅グヒヒ┅」


ん?はぁ~こんな所に?馬鹿なの?阿保なの?

冒険者だらけなんですけど?


「おい┅又アイツ等女狩りしてるぜ」

「フン!早く行きましょ!たった2人で来るからよ」

「ああそうだな┅悪いがとばっちりは嫌なんだよ」

「早く行ってくれないかな?私達を狙うかも知れないわよ?」

「そうよ、速く!アイツ等に狙われたら仕方ないわよ」

「そうだな┅┅俺達じゃあAクラスパーティーに文句言え無いもんな┅┅畜生!」


ダンジョン内でのトラブルは自分等で対応する事┅証拠無しなら┅

殺しもダンジョン内では普通って

犯罪が罷り通るのもダンジョン


魔物より怖いのがヒトとはね┅


「姉さん?」

「良いの、無視よ!」

「けっ!逃がす訳ねぇだろ?ククク少し痛め付けたら大人しくなるだろ?ふふん!」

「カラダは辞めとけよ?特に胸と尻は大事だからな」

「なぁ?売れないか?上玉だぜ?」

「馬鹿!ここはダンジョンだぞ!何時もと違うだろうが!」

「じゃあこの隷属の首輪を付けりゃあ良い!ヒャハハ!」

「奴隷┅おでの奴隷なんだな?何時も楽しめるんだな?ゲフゲフ♪おでのオモチャ!グハッハハ!」


こんなクズがのさばってるとはね

捕らえたら処刑でしょうからそっちが良いわね

ここで殺しても見てる冒険者が多いし┅┅さて?どうしようかな


「キャア!いやぁ!放して!」

「こっち来い!ヒヒヒ良い事しようぜ!キャハハ!」

「早く黙らせろ!」

「ミコちゃん?なにしてるの?早く対処しなさい!」

「ひぃ!姉さん!ごめんなさい!じゃあ【雷魔法ショットプラズマ】」


ビリビリビリビリ!


「ぎゃあ!」┅バタン

「なにをしやがった?おい!」

「逆らうのか?フフフやはり傷め付けないと駄目か?」

「女2人だ!気絶させろ!」

「グフ!グフ!抱き締めたら良いんだな?食べるんだな┅グフグフ!」


「気持ち悪い!いゃあ!」

「こら!しっかりしなさい!こんなの1人冒険者なら沢山遇うんだからね

容赦しなくて良いの!でも殺すか捕らえるかは判断しなさい!」

「殺すんですか?私が?殺し?┅┅┅」

「盗賊や野盗に変質者とかが狙って来るのよ!その時にクズクズしてたら駄目なの!

コイツ等はゴブリンと思いなさい!ゴブリンなんだから!」


「なんだと?俺達をゴブリンだと!ふざけるな!

綺麗な顔して馬鹿なのか?」

「この状況で笑ってやがる┅コイツ何か変だぞ!」

「さっきから目が変だ!なんか光ってねぇか?」

「ヒトじゃねぇのか?」

「グフ!おでの女!舐めてグチャグチャにするんだな!」


「ミコちゃん!見てなさい!こんなゴブリンはこうするのよ!」


ストーンバレット!バシッ!バシュ!バシッ!ババババ!


「ぎゃあ!痛ぇ!ギャフ!穴が!辞めろぉ!┅ガフッ」┅バタン

バタン┅バタン┅


「くそっ!魔法使いか!ならばこうだ!死ね!」

「おやおや!殺すの?Aクラスさん?散々悪さして来たならその分苦しみなさい!」


ファイヤー!シュゥゥ~ボウゥゥウウ!


「ぎゃぁああ!燃える!ぎゃあ!」

「馬鹿か!こんな所で火を!辞めろ!ぎゃあ!」

「頭が燃えるんだな!グギャア!」


ストーンボンバー!グワシャア!


「姉さん?殺りすぎでは?」

「殺って無いからね♪まぁ半殺し以上だけどねぇ~」

「アレ放って置いたら死にますよ?」

「う~ん?死んでも良いけど」

「Aクラスパーティーを殺したらギルドで問題ですよ?」

「そんな事は無いわよ、コイツ等が悪いんだから

それに犯罪歴も有りそうよ

こんな首輪を持ってるんだからね」


奴隷にするには奴隷商の資格が無いと出来ないのに勝手に首輪を付けると厳しく罰せられる

そして目撃者多数で冒険者達は良く知ってる

今まで証拠不十分で無罪放免だっただけ


でもまぁ拷問でもすりゃ直ぐに白状するのにねぇ~

ここは異世界!法律なんて有って無いような世界なのよ!フフフ


「おーい!そこの!」

「誰か来ましたよ?」

「直ぐに鑑定!駄目でしょ?こんな所なんだから

あれはギルド職員よ、後ろは衛兵みたいね」

「あっ!ホントだ、鑑定忘れるんですよ┅」

「君達!┅┅┅なんだこれは?」

「コイツ等!┅これは君達がやったのか?」

「わ、わたしじゃ無いですぅ!」

「ふふん!コイツ等私達を襲ったんですよ

だから返り討ちにしました」

「返り討ちって┅┅死んで無いか?」

「まだ生きてますよぉ~少し手加減しましたからぉ」


「手加減でこれか?かなり焼けてるし、アイツは体に穴とか┅」

「兎に角運ぶぞ!お前達も来い!」

「ええ!こっちは被害者なのよ?」

「でもだ!事情聴取しなければならん!」

「ギルドもですよ?」

「ふん!多くの冒険者達がよ~く知ってるでしょ?

今までコイツ等を野放しにしてたのは誰の罪なの?

被害者は沢山出てると言うのにね?

そして知ってた冒険者達にも罪が有るのよ

見て見ぬふりして自分の事しか考えないなんてね!

そんなだから次に狙われてしまうのよ!ふん!」


Aクラスパーティー【闇夜の死神】5人は全員処刑の判決

そしてアジトの家にはこれ迄の悪事で稼いだ金と物が多く発見された

驚くべきは地下の部屋に無数の裸の女性死体が・・・


行方不明だった女性冒険者に町で働いてた女性・・・


そして後ろだての貴族も浮かび上がり大事件へと発展するとは!


「奴隷の首輪を持っていたのは貴族へ売る為だったとはな

そして奴隷商人が加担してたぞ

辺境伯様も事の重大に頭を抱えてるとさ

もうすぐ王都から調査団と暗部も来るそうだ」

「じゃあ王宮暗部が動いてるのね?

辺境伯の暗部は?」

「暗部の事は分からん!しかしアナシスタさんに聞いたらリョウ!お前は色々と問題らしいな?」


「はぁ?私が?」

「エヘヘ♪姉さん色々とやらかしてますからねぇ~」

「だいたいだな!なんでDクラスなのにあんな魔法が!

それに相手はAクラスだぞ!

はぁ~なんで俺はこんな所の所長なんだよ」


「ギルドのダンジョン支所は重要ですよ?

そこの所長さんなら大したもんです!」

「茶化すな!ふん!ここが支部になればそう言えるがな!

それでこれがギルド報償金と辺境伯様からの報償金だ

喜べ!お前達を辺境伯様直々に表彰するそうだ

近く屋敷に呼ばれるから粗相の無い様にな!」


「アントンさん?そんなの行かないからね

なんで貴族の屋敷なんか!私は表彰とか要らないの!

それに関わりたくもない!」

「所長さん?姉さんは貴族様が大嫌いなんですよ

アナシスタさんも良く知ってるのでぇアハハ┅┅はぁ┅」


「行く行かないは俺の知った事じゃあねぇぞ!

しかしちゃんと伝えたからな?

でもだ!領主の呼び出しに応じ無いとかしたら後が怖ぇぞ?」

「良いのよ!これ迄も断わってるからね、絶対に行きません!

それにまだダンジョンを楽しんで無いんだから!プンプン!」

「そうですよ?1階層で絡まれたから全然なんです」

「なら、ダンジョンへ入ってたって事で許して貰えるかもな

でも変わった奴だ、普通は喜んで行くんだがな・・・」


アントン所長は元Aクラス冒険者

引退してからでは無くてパーティー解散したから職員として誘われたらしい

だから現役の冒険者でも有るのよ


フランさんやカーシャさんにアナシスタさん達も一応冒険者の経験はあるらしくってフランさん達はCクラス

アナシスタさんはSクラスだって

こちらは元らしいけどね


引退したら元が付くわよ、そしてギルド職員の採用にはCクラス以上の冒険者実力が必要だって


フランさんがCクラス?解せん!


ダンジョン支所受付嬢さんのラノラさんはBクラスだって・・・

フランさんに冒険者指導したとか

可愛いとか美人さんだけどなんか怖いんですけど?



ギルド職員さん恐るべし!



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