第6話 やらかし娘らしい?

やったぁ!お米が食える!

パンもアップナッシュの酵母でタネを作り焼いたらフカフカのあま~いパンが出来たよぉ!


今度は普通に麦酵母からのパン焼きとかしましょ♪

問題はこの自然酵母からのパン作りを定着させる事かな?


宿の料理長さん、モグレルさんが言うには大麦の粉を練って焼いてるんだって

だから硬くて全然ふっくらしないのよ

大麦粉に小麦粉を混ぜたパンも美味しくて栄養があるけどね



大麦粉から焼くのも良いけど酵母で発酵させた小麦粉のタネがないと駄目ね

イーストなんか無いから自然酵母になるけど慣れないと難しいんだから


女将さんに調理場を使わせてと頼んだ時に条件として見せて欲しいって言われたから始めたら教えろって言われしまったの


お米の時は女将さんがピッタリ着いてアレコレ聞いて目を輝かせてたけどねぇ~


「まさかライスを食べるとは思わなかったわ

これはリョウちゃんが作ったから食べるんだからね?

普通は絶対に食べないんだから!料理長だってそうでしょ?」


「┅┅餌だよな?ライスなんて食べようなんて思わねぇ

しかしだ┅これを見るとなんか美味しそうに見えるのは何でだ?」

「エヘヘ♪この白いご飯とオカズのステーキを一緒に食べると!

ん~ん!美味しい!

そして皆さんに食べて貰える様にオニギリを作りました!

さぁ!食べて下さい?」


ては事で食事会になったんだ♪

パンは直ぐに納得されたけどライスはねぇ・・・


でも!女将さんとモグレルさんが1口食べたらビックリしてモグモグして┅┅それから皆さんオニギリを食べて又々ビックリ!

美味しい!美味しい!ってね♪


だから明日の賄い食事は私がお米で振る舞う事にしたの

パンはもう!前のめりで仕込みを始める始末よ


だから麦酵母作りを一緒にして沢山作ったの

日にちが掛かるから直ぐにって訳には行かないからねぇ~


毎日同じ量の酵母を仕込んでパンの確保が見込めたら切り換えるんだって


1週間後が楽しみ♪


そして石鹸造りは綺麗な灰と動物性脂肪が必要だからミコちゃんを助手に指名して灰作りと脂集め!


「リョウ姉さん?門の外で?」

「そうよ♪沢山焚き火しないといけないから外よ

そしてボアの丸焼きをミコちゃんに見て貰うからね♪」

「ちゃんと教えて下さい・・・何にも分からないから」

「ウフフ♪簡単だから大丈夫よ

さぁ行きましょ♪」


西門を出て壁の側で作業するからねぇ~


「門番さん?お願いが有ります!私は聖源華亭の者でリョウと言います」

「ん?あの宿の?それで?なんだい?」

「この子があの辺で焚き火しますから気に掛けて欲しいんです

1人だから変なヒトとか魔物は大丈夫だけど子供だから┅」

「ん~ずっと見てる訳には行かないがな?

あの辺ならここから良く見えるから大丈夫だろう」

「1日ずっとですからお願いします」

「ああ他の奴等にも言っとくからな」


良し!次は灰が飛ばない様に石で囲ってっと、2つ作って灰専用と丸焼き用っと・・・へへ♪


「ミコちゃんこれをゆっくり回すのよ

そして時々こっちの燃えたのを移してね」

「木は入れ無いの?」

「木はこっちにじゃんじゃん入れて燃やしてね

煙りが出るから気を付けて

赤く燃えたのは煙りが出ないから肉が臭くならないのよ」


「なる程!でも木の灰が石鹸になるなんて不思議!」

「脂はモグレルさんに頼んだから良いとしてボアの丸焼きは最高に美味しいからね♪

ミコちゃんの腕に掛かってるのよ♪」

「私の?・・・うん!頑張るから!食べたいしぃ┅エヘヘ」

「じゃあ私は木を切って持って来るから、門番さんも見てくれてるから安心してね

何かあったら叫べば良いから」


「うん!ここなら近いから安心だね♪こうして回してこっちに木を足すっと・・・大丈夫!」


チャイルドボアは昨日の夜モグレルさんに聞いて下処理して来たから焼くだけよ

顔を残すのが普通とか言われたけど?顔は要らないわよ?

食べないしぃ┅


でも中国料理の豚の丸焼きは確かに顔が有ったわね・・・子豚?

このチャイルドボアは大きいから顔がねぇ┅┅オークじゃないから良いけど


1mちょっとのピンクの塊に串ならぬ棒を突き刺してる・・・

まぁ馴染まないやり方よ、お尻から口へだから┅


それを可愛い女の子がお尻から出てる棒の取っ手をゆっくり回して時々は口の方から・・・シュール


林へ走って木をバッサバッサと切って魔法で乾燥させては運んでを繰り返す私!

そしてせっせと積まれた木をくべるミコちゃん


お昼は2人並んでオニギリと具沢山のお汁にお新香も!

キュウリの一夜漬けをポリポリ♪


「リョウ姉さん?石鹸を作るの見ても良い?」

「良いけど危ないから放れて見るのよ

灰から出る煙りは絶対に駄目だからね?目に入ると潰れるんだから

直接触っても駄目よ

こんな手袋をして用心するのよ」


「へぇ~なんか薬師さんみたい

リョウ姉さんはポーションとか作れるの?」

「作れるよ、私は錬金術で作るからね、薬師みたいに作りたいけど場所が無いから」

「ああ!ゴリゴリするのや大きな釜でってのね?」

「ミコちゃん詳しいのね?作って見たいの?」

「・・・私の母さんが薬師だったから┅でも魔物に殺されて父さんは畑仕事が忙しいから中々言えなくて・・・」


「う~ん┅じゃあもしも私が工房とか作ったらミコちゃんポーション作りを勉強する?」

「ホント!勉強できるの!」

「アハハ♪分かったよ、じゃあその時は女将さんに話してからね」

「うん!女将さんなら良いって言うから!楽しみ♪」

「ミコちゃんって読み書きとか算術は?」

「女将さんに少しずつ教わってるよ、でもまだ良く出来ないの」

「勉強は大事だからね、私も教えるから夜は部屋においでね」

「やったぁ!お願いします!」


ホント可愛いわねぇ~♪妹がいたらこんなかなぁ・・・

一人っ子だからなんか新鮮♪ウフ


お昼の中過ぎに鐘がなって3時

丸焼きも良い感じで灰もかなり積もってるわね♪


「じゃあソロソロ帰りましょうか?」

「お肉大丈夫かな?」

「この串をこうして┅┅プス┅ほら?この先が生じゃ無い感じよ

後は余熱でちゃんと焼けるからねぇ~収納っと!」


「・・・それが魔法バッグなの?パッと消えたよ?」

「この魔法バッグの小さいのは道具屋さんで買える金額よ

商人さんとかはみんな持ってるって」

「でもぉ高いでしょ?私は無理だもん┅┅」

「ポーションを作れる様になれば直ぐに買えるからねぇ~

それに薬師ならバッグは必要だから、薬草やポーションを入れるのに必要だからね」


「あっ!そうだね♪エヘヘ♪買えたら良いなぁ~」

「買える買える!きっとミコちゃんには素質有ると思うよ

お母さんのを見て覚えてるしねぇ~♪それに私が教えるんだから大丈夫なの!アハハ♪」

「だと良いなぁ~アハハ♪」


灰はそれなりに沢山取れたよ、純粋な木灰、アルカリ純度高そう!

動物性脂はオークとかの脂肪部分をモグレルさんや冒険者ギルドの解体長ルシルさんから貰らうから


後は脂肪を煮て脂を取り出すだけよ♪


宿の裏庭で木灰と脂に水を入れてゆっくり煮てかき混ぜ香り付けにハーブを入れるっと・・・

頭で解っていても初めての実験?

中々と難しいもんね・・・

頃合いとか分からないしねぇ┅


ここは勘よ!料理も感じで味付けなんだからぁ!計るの面倒臭い!


目分量!感じ!そんなで良いの!


ドロドロの液体?なんか灰色って

・・・見た目悪いわね

じゃあピンク色にする?どうやって?フフン!

そりゃあ果物の汁とか?ブドウが良いかな♪

あっ!ピンクは無理かぁ・・・


そんなで収納してた果物から色づきの良いのを探して┅┅あっ!

そうだわ!牛乳石鹸!

あちゃぁ!なんで水でやったのよぉ!


これは灰色で次は牛乳で!ミントは忘れず!レモングラスも良いわね・・・フフン!


そんなで夜中から朝方までひたすら石鹸を作りました!

ミコちゃんは眠いと言って私の部屋へ・・・子供だもん


運ぶのは無理!って事で冷やすので並べた石鹸さんに布を被せ放置!

簡単な看板に私の名前と触らないで!と書いといたわ


もぅ無理!眠いって!朝方なの!

ミコちゃんが寝てる横でバタンキュー!お休みなさ~い♪


(ウフフ♪リョウちゃんって面白いわね

ミコもすっかり懐いてお姉さんって・・・

ホント姉妹みたいにして、ミコの事はリョウちゃんに任せようかしら?

それが良いと思うのよね┅あの子の将来はきっと宿の従業員なんかより他に有る筈よ

リョウちゃんがそれを導くなら有り難い事だわ・・・不思議な子ね)


ミコちゃんはすっかり寝坊して女将さんに謝ってたけどニコニコしてるのよ♪

余程楽しかったのかな?

女将さんも怒らなくてニコニコ?

私はギルドへ行かないとだからお昼を自分で作って食べたのよ┅┅


「それは見た事が無い料理だな?」

「そうですか?モグレルさん?休憩じゃ無いの?」

「いやな?その料理が気になってな?なんだかなぁ┅」

「私も気になるわ?それはなぁに?」

「ああ!フレンチトーストですよ♪これは卵バージョンでこっちは牛乳バージョンです♪」

「そのバージョンってのは分からねぇが甘い香りなんだな?」


「食べて見ます?女将さんも?」

「良いの?ウフフ♪是非!」

「俺も良いのか?」

「ハイ♪気にいったら教えますねぇ~」


パクリ・・・ん?


「まぁ!美味しい!これ!もっと欲しいわ!」

「┅┅なる程な・・・でもよ?これはお菓子じゃねぇのか?」

「う~んお菓子じゃ無いですね、2つも食べたらお腹いっぱいですよ?

スープとサラダにこれを食べたら立派なランチです?」

「「ランチ?」」

「ああ!昼食です!昼食!」


この世界って1日2食でお昼抜きが当たり前なんだって

なんか納得できないけど!

オヤツみたいに9時とか3時に少し食べるんだって

間食はねぇ┅肥るよ?


砂糖が高い世の中だから蜂蜜を使いました!

だって沢山持ってるからね♪

蜂蜜も高級って甘味は贅沢だってさ!


砂糖は殆ど輸入品で後はダンジョン産って┅出たよダンジョン有能説!


サトウキビは南の地方で栽培されてるらしく隣の国が生産地だとか

国内産は少なくて高いと・・・

昨日市場で砂糖ダイコン見掛けたけど?


「砂糖はダイコンから作れますよ?知らないのかな┅」

「えっ!リョウちゃんそれは本当に?」

「聞いた事がねぇな・・・」

「ならば!私が作って見せます!市場で見ましたから!

今夜も調理場使わせて下さい!」

「まぁ!リョウちゃんなら何時でも使って良いのよ

ねぇ料理長?良いでしょ?」

「ああ!嬢ちゃんなら問題ねぇぞ

好きな時に使いな♪」



オッホッホホ!砂糖作りの前に丸焼きの仕上げもしないとだから!

これで大きな調理場をゲット!


でも!冒険者ギルドへ行かねば!

解体の引き取りに来いとルシルさんに念を押されたからね

それにGクラスは週に一件は必ず依頼を受けないと失効するんだもん!

早くEクラスくらいにならないとね・・・忙しいわ!もぅ!


「あっ!リョウさん!ちゃんとフードしてますね♪」

「ハイ!それと薬草とホーンラビットの納品です!」

「常設依頼の分ね?薬草は一束1ポイントよ、50ポイントでFクラス昇格だからね♪」

「ハイ!頑張ります!」

「解体長の所へ行くんでしょ?」

「頼んでたのと買い取り分とか話さないといけませんから」


お肉は必要だからね、脂を貰う時に言ってたけど揃えてあるかな?


「来たな!肉はこの保管庫に入れといたぞ

しかしかなりの金額になったぞ」

「それはカードへお願いしますから、お肉は?」

「こっちだ、ボアとボーン、それにロック鳥の肉だ」

「これはオークですね?多い!」

「オーク肉は10kgの奴が5個だぞ、ボアも10kgで5個、チャイルドが減ったからな?ハハ!」


そうですぅ~丸焼き用に3匹┅


「ロック鳥の肉は高級品だからな、良いのか?売らなくて」

「鶏肉は唐揚げが美味しいんですよ♪だから全部ですよ♪」

「はぁ~それでもデカイからな?10kgの奴が15個だぞ?

良い所ばかりだからな、そのなんだ┅余りの肉は貰ったが良いんだな?」

「ええ!これだけ有れば充分です!」


「ハハハ!それとギルマスが呼んでるぞ」

「ギルマス?ギルドマスターさん?」

「そりゃそうだぜ?なんと言っても数が数だからな

それとロック鳥はAランクの魔物だぞ?どうして嬢ちゃんがって訳だ」

「そうなりますよね?はぁ~」

「じゃあ精算したのはフランに渡しとくからな」

「ハ~イ┅┅はぁ~」


ギルドマスターの部屋へ・・・


「ふむ・・・フードを外してちょうだい」


えぇえ!女のヒト!それもエルフさん!初めて見たわ!

綺麗・・・緑色の髪なのね┅


「ハイ・・・リョウと言います」

「私はここのギルドマスターでアナシスタと言うの

それで?あのオークやロック鳥とか貴女が倒したの?」

「はぁ┅┅┅そうです」

「オークが30体ってのは群れだったの?」

「いいえ!多くても3体です、田舎からこちらへ来る途中での事ですから」

「それを聞いて安心したわ、群れなら大変だからね

それとロック鳥は?」


「あれは偶々なんです!空から落ちて来てバタバタしてたのを┅」

「なる程┅戦闘では無いのね?

しかしワイルドボアはBランクなのよボーンもね

それを狩る貴女はそれだけの力を持ってるって事なの

そんな貴女をGクラスってのはギルドとして許せないからね

どう?私の権限でEクラスからって事で」


「それは嬉しいですけど?」

「フフフ♪GクラスにFクラスは期限が限られるから不自由よね?

Eクラスだと半年の猶予よ

どうかしら?本当ならDクラスにしたいけど流石に他の冒険者達がね?ウフフ♪」

「はぁ┅半年なら余裕がありますね?私は良いですけど」


「じゃあ決まりね、Eクラスよ!そしてそのフードは被るの辞めたら良いわ

フランやカーシャは隠したが良いとか言うけどそれは良くないのよ

堂々と素顔で町を歩いたが貴女の為よ?

だってずっとそんななら窮屈でしょ?

見慣れたら誰も何も想わなくなるわよ、私がそうだったからね」


なる程!アナシスタさんもそうなのね!そりゃそれだけ綺麗でスタイル良いならそうよねぇ~

でも若くは無いけど?


「ゴホン!変な事は考えないでね

エルフだからまぁ長生きだけど女の歳は公にはねぇ~

黙ってなさいよ?その鑑定は私より良くてもね」


コワ!凄い圧が!アナシスタお婆さん!ご免なさい!315歳!


「それはもう!はい!絶対口にしません!」

「まぁ良いわ┅貴女、リョウは何か秘密だらけだから私も同じって事にしておくからね

くれぐれもやらかさない様にするのよ?ウフフ♪」

「はい!目立つの嫌いですからぁ!少しは我慢します!

宜しくお願いします!」


てな事でギルマスさんに目を付けられた?

あのね?私は魔法でどうにか魔物に勝つけど剣術とか体術はからっきし弱いの!

そのぉ力が無いからね・・・


こればっかしは無理なの、女の子なのよ?そんなムキムキじゃ無いしね

身体強化しても長く持たないっての!

元々が貧弱なんだから┅┅

OLでずっと事務職でしょ?交通機関が良いんだからそりゃ歩かないし走らないわよ


マラソン2時間してるけど体力は着いても力持ちにはならないの!

こりゃ剣術とか習ったが良いのかな?

誰か教えてよぉ~!


「リョウさん!フードは!良いの?」

「ギルマスさんが慣れろって・・・」


ザワザワ!ザワザワ!


「まぁ!・・・そうね!あのヒトも同じようなもんだからね┅

でも用心だけはしてね?

それで!凄い金額よ♪これはカードへ入金なのね?」

「はい!全額お願いします!それと昇格したみたいです」

「ウフフ♪Eクラスよ!これからはちゃんと依頼を受けてね

Dクラスのも良いから頑張って!」

「そうなんですね、Dクラスって討伐ですよね?

ゴブリンなら受けます!」


「まぁ!ゴブリンは厄介よ?」

「でも嫌いだから殺します!それに困った村とか助けたいから」

「ウフ♪じゃあお願いね」



ザワザワとうるさい声を知らん顔して宿へ!

そして町でも振り返る人達ばかり

これも馴れたら良いだけよ!

この町で当分暮らすんだから!

女将さんやミコちゃんにギルドも良い感じだからね


私はこの星で生きて行くの!

ここはそんな私のマイホームタウンだから!



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