第7話 強化訓練
柔らかパンは人気が出て女将さんもニコニコ♪
でも小麦粉が高いから頭が痛いとブツブツ・・・
それで商業ギルドへ直談判!
なんと商業ギルドのギルマスさんは昔馴染みらしくてタメ口♪
「小麦粉をもっと多く作らせなさいよ!」
「なんだ藪らから棒に!」
「ケイリヒ!アナタは世間の事に疎いのよ!
今や小麦粉なの!小麦の重要性を知りなさい!」
「そんな事を言っても農家は売れない小麦なんて作らないぞ
今年の分も大麦を植え終わってるしなぁ」
「ふん!あのね、小麦は二期作って言って年に2回作付出来るってよ
この辺りの気候なら可能なんだって、だからね!
余った土地で作付してご覧なさいよ、高く売れて儲かるって言えば農家もやるわよ」
「はぁ?二期作だと?なんでお前がそんな事を知ってるんだ?
しかしそれなら高い小麦を多く作れるな・・・
もしもマリアナが言う通りなら小麦に小麦粉が不足して高値になるな┅┅農家は?」
「そうなりゃ農家はこぞって小麦を植えて大麦なんか植え無くなるかもねぇ~
そしたら今度は大麦が値上がりしたりしてぇ┅┅ウフフ♪」
「馬鹿!そんな事になれば市場が混乱するぞ!
くそっ!大麦はエール生産に欠かせないが余ってるしな・・・
小麦は元々売れないから高いんだ、しかし二期作なら交互に作付出来る、農家の収入が増えるなら┅┅分かった!知ってる所に打診するとしよう」
「商会にも話せば協力してくれるわよ
小麦粉が有ればパンやパスタだっけ?色々と食料事情がかわるんだから!
ウフフ♪この町の小麦粉がもう無いしねぇ~アハハ!」
「なんだと!それはなんでだ!待て!マリアナ!何を知ってる!」
市場の穀物エリアから小麦粉が消え商会からも小麦粉が無くなってるなんてね
私と女将さんで買い占めしたからぁ~♪アハハ♪
パン屋さん開くのよぉ~♪それとパスタに麺よぉ!
チャイルドボアの丸焼きは従業員さん達と美味しく頂きましたよぉ~♪
流石に全部は食べきれなくてちゃんと収納してるけどね
ボア肉はブタ肉と違いコクが有るのよ
脂が甘くてしっかりした肉なのに柔らかく胡椒と岩塩が合うのか程よい旨味♪
お腹部分にお米と野菜を入れてたのがそりゃあ絶品よぉ!
トリの丸焼きもそんなのするでしょ?美味しかったぁ~♪
そして石鹸はまだ柔らかくてもう1日したらバッチリよ!
灰色と思ったら段々と透明になるのは面白いけど?
純度が高い木灰だからかもね
牛乳石鹸は真っ白でハーブの香りもちゃんと着いてるからね
次はシャンプー作りしないとぉ♪
生産も面白いねぇ♪
【クラフト】と【創造】とかならパッパっと作れるみたいだけどなんかねぇ・・・ズルしてるみたい
スキルに頼らず作るのが良いのよ!知恵と工夫って奴よ!
だから私に足りない武術を磨こうとギルドへ来たけど?
「フランさん、誰か剣術とか体術を教えてくれるのってありませんか?」
「それなら訓練場に行けば誰か居るわよ
稽古着けて貰うの?」
「ハイ!私は剣術とか習って無いから我流なんですよ?
だから基礎でもって思って」
「先輩冒険者が居るから教えてくれるだろうしね
それと教官してる職員も居るけど今は・・・」
「わぁ!それなら見て貰えますね?」
ってんでギルドの訓練場へぇ~♪
おお!やってる!
ん?あの女のヒトは?なんか?
「あら?貴女は新人でEクラスに飛び級した子ね?
訓練しにきたのかしら?」
「はぁ・・・剣術とか基礎を┅」
「偉いわね、普通の冒険者は先ずは腕試しに馬鹿な依頼を受けるんだけど貴女は違うのね」
「私は剣や体術が弱いですから┅」
「じゃあ私が見てあげるわ
私は副ギルドマスターのレニシアよ」
「えっ!副ギルドマスター?ああ!私はリョウです!
宜しくお願いします!」
「じゃあリョウ!こっちでその練習用の木剣を構えて」
「これですね、これで良いですか?」
「変わった構えね┅┅素振りをして」
「ハイ!」
何時もの様に素振りを頑張ります!
「┅┅┅┅┅┅┅アナタは?」
「なんか変ですか?」
「ウフフ♪変というかその振り方に構えは東大陸の物よ
普通なら剣の構えはこんななの
見てなさい」
私はどうやら自然に剣道の構えと振り方みたいね
レニシアさんの構えは腰を落としてガッチリと剣を掴み上段から真っ直ぐ落とす
そして摺り足で前に出て斜めに振るのを繰り返すって┅┅
「両手剣を振るのはこんな感じよ
片手剣ならもっと動くわよ」
「┅┅そうか!剣が重いからですね?」
「貴女のやり方だと確かカタナとか言う剣じゃなかったかしら?」
「カタナを知ってるんですか?」
「大賢者様が愛用してた剣だからね、今は東大陸だけの物よ
西大陸ではそのカタナを打てないらしいわよ
中には変なドワーフが作れるかもね」
「はぇ~物知りなんですね?」
「一応冒険者ギルドの副ギルマスだからね
でも貴女の素振りはかなりの数をしてきたんでしょ?
形が綺麗だわ、でも悪い所もあるわね
それならその型とこっちの型を覚えると良いわ」
と言う事で最初は何時もの素振りを!
そして指摘される事の多い事!
「ほら!剣先を見るからぶれるの!相手を見る感じよ!」
「肩に力が入ってる!力を抜いて!真っ直ぐ振り落とす!」
「足に力を入れる!体幹は良いみたいだから腰を入れて!」
剣道の素振りでこれなのよぉ~
両手剣ならもっと指摘が来るのぉ!
「ほらほら!腰を落として!踏ん張るの!
そして振り下ろしたら力を入れる!しっかり持つのよ!」
「剣の重さを利用して!だから!振り下ろしたら力を入れて持つの!」
ヒャア!重い!なんで木剣じゃ無いのよ!はぁはぁ┅┅
両手剣ってこんなに重いのね・・
持ってるショートソードは片手剣らしくそんなに重く無くて使い勝手が良いのよ
でももうボロボロ┅手入れとか知らんし!
「今日は剣の振り方だけ教えたけど稽古付けるから又来なさい
私は毎日居るからね
それとショートソードは手入れに出したが良いわ
そうね┅ガッドガさんの所が良いかもね
フランに聞いて行くと良いわ
今日はお疲れ様!」
「はい!ありがとうございました」
はぁ~凄く疲れたぁ・・・
「フランさん・・・ガッドガって職人さんの所を教えて下さい」
「まぁ!ウフフ♪レニシアさんにしごかれたみたいね
ガッドガさんかぁ┅あのお爺ちゃん偏屈だけどリョウちゃんなら大丈夫かしらね」
リョウちゃんって┅フランさん?
それに偏屈ジジイ?
「そのガッドガさんってまさか!ドワーフ族とか?」
「そうよ♪でも凄い職人だからね
腕はピカ一よ♪
リョウちゃんならお気に入りになるかもね♪フフ」
地図を貰って来てみたけど?
ここは鍛冶工房の集落?何件もトンカンしてるのね┅
鍛冶工房エリアってのかな?
「こんにちは┅┅」
「は~い!なんだい?」
「冒険者ギルドのレニシアさんからここへ行けと言われまして」
「レニシアから?剣の事かい?」
「はい、これですが┅」
「ありゃまぁこれは酷いね┅あんた手入れとかしてないね?
駄目だよ!剣は命を守る武器なんだからね
毎日手入れしないといざと言う時に切れない折れるってなるんだよ」
すみません┅┅
「ん?なんだ?娘っ子が来る所じゃねぇぞ!」
「あんた!レニシアが紹介した子だよ
これを見てご覧よ」
「┅業物だが扱いが悪いな┅手入れとか無しとは全くよぉ!」
「すみません!私は剣の事とか知らなくて」
「はん!それで良く冒険者になんてなるもんだよ
あんたは可愛いから冒険者なんてやらなくて良いのにね」
「アハハありがとうございます
でもそれは盗賊から助ける為に使ったんです
何時も私は魔法で魔物とか始末するから┅」
「ほぅ!盗賊かぁ┅なぁこれはどこで手に入れたんだ?」
「それは┅(神様からとは┅)田舎のお爺ちゃんからです!」
「なる程な、これは良い剣だぞ
鉄じゃない鋼を使ってるしな
じゃあ俺が手入れしてやる
打ち直しをちょいとして削れば元通りだ!待ってろ」
「あっ!はい!私はリョウと言います!宜しくお願いします!」
「リョウってのかい?まだ幼いねぇ」
「15歳です┅」
「まだ子供だねぇ~でも見てくれは立派な大人ね
あんたみたいな綺麗なヒト族は珍しいよ
最初エルフと思ったわ!アハハ!
私はあの爺さんの嫁でターニャと言うんだよ」
「ターニャさんはこの細工物を?」
「私等ドワーフは手先が器用だからね、旦那は鍛冶馬鹿で嫁は大抵が細工師だよ」
「はぇ~そうなんですね♪
これは櫛ですか?」
「珍しいだろ?ここいらはブラシなんだがあたしらはこの櫛で髪をすくのさ」
「見事ですね┅これ買います!」
「あら?櫛を使うなんて可笑しな子だねぇ」
「アハハ♪お婆ちゃんがこれなんですよ
私の髪はブラシより櫛の方が通りが良いから」
「フフ♪綺麗な銀髪だねぇ、それにサラサラで真っ直ぐだからそうかもね
それは金貨2枚だけど良いのかい?」
「ハイ!これを」
香木の櫛なんて素敵ね♪
何の木かしら?とても良い香り!
エルムの木 広葉樹 高さ30mになる高木 深い森に多くトレント材と同じ扱い 木質は硬く細工には技術を要する
ドワーフ職人だけが細工出来る
へぇ!凄い木なんだね┅
だから高いのね、金貨2枚って高級品よねぇ~アハハ
でも古い日本の櫛に似た形で半円形ってのが良いわ♪
「これを振ってみな」
「もう出来たんですか┅振るんですね?えっと┅」
ここは剣道じゃなくてこっちの剣術で┅シュッ!シュッ!
「なる程な┅少し傾く癖があるぞ
ならここを┅┅カンカン┅ほれ、振ってみな」
シュッ!シュッ!おお!軽い!そしてぶれない!
「そんなか┅もう少し待ってな」
「はぁ?」
「何も知らないんだね?剣にも相性ってのが有ってね?
あんたの癖を剣に寄せるのさ
少しはそこの所を勉強しな」
ふぅ~ん剣とか奥が深いのね
じゃあガッドガさんにミスリルソードとか頼めば私好みのが出来るんだね・・・ミスリルかぁ
手入れ代金銀貨2枚払ったけど安い感じよ?
「櫛を買って貰ったからね、それに初めの客だからさ
これからも来るんだろ?」
「ハイ!勿論です!それでお願いしたいのはこれなんですが┅」
「ん?変わったナイフ?」
「これはクナイと言って投擲用の武器です
こっちは手裏剣と言って回転しながら飛ばして軌道を変えられるんですよ♪」
「へぇ~変わったのを使うんだね?」
「これは暗部とかが使う奴だぞ?嬢ちゃんはそんな関係なのか?」
「違います!これは田舎のお爺ちゃんから教えて貰ったんです
私の田舎は魔物が多くて子供でも戦える為にって」
「子供でも┅ねぇアンタ?これは私にも必要かもね
泥棒とかに投げたら効果有るわよ」
「そうだが┅┅ナイフよりこれなら誰でも投げれるな┅」
「クナイはコツさえ掴めばかなりの武器になりますよ
そして手裏剣は飛んで来るだけで恐怖を与えます
見ててください」
シュッ!と手裏剣を投げると!
プーン!シュルシュル!ドガッ!
「あの音が不気味でしょ?」
「へぇ!凄いわね!それにナイフと違い横からってのが良いねぇ
これは欲しいさね!
アンタ!作っておくれ」
「けっ!呑気なもんだ、分かったからよ」
「ありがとうございます!あの?ドワーフ族ってお酒とか好きなんですよね?」
「ん?リョウちゃんはお酒を飲むのかい?」
「いえ!私はまったく飲めないですから
だからコレ欲しいですか?」
「なんだい?酒なのかい?」
「はい!ウィスキーと言ってちょっとキツイお酒です」
「ウィスキーだと!┅┅婆さんコップ!」
「ふん!しょうがないね!私も味見するからね!」
コップ?大きいわよ!
あっ!そのまま!あちゃー!
「こりゃすげぇ!」
「┅┅ドワーフ殺しより酒精が強い!旨い!」
「リョウ!この酒はなんだ!どこで売ってる!」
「アハハ・・・それは田舎のですから┅」
「この1本だけかい?もっと無いのかい?お金を払うよ!」
「今はそれだけですが・・・2、3本なら」
「今度持って来ておくれ!金貨10枚かい?もっとかい!」
「イエイエ!お金なんて┅」
「こりゃあ珍しい酒だ、そして綺麗だ!こいつは酒精が強いのに滑らかでコクがある
香りも良いし┅┅なんだろうな?」
「それは麦が原料ですよ、えっとエールを蒸留した酒?そんなです」
「ん?なんだと!蒸留だと!確かにドワーフ殺しは蒸留した酒だがこんな味はでねぇぞ」
「アハハ・・・そのエールに問題が有りますね
そもそもエールを造る時に大麦を発芽させてませんよね?
発芽させて麦を発酵させ分離させたのがエールですがそこにホップを混ぜると美味しいビールになりますから
そしてウィスキーは蒸留を2回行います
ドワーフ殺しは多分一回と思われますけど」
「リョウ!おめぇ酒に詳しいんだな!それならそのウィスキーの作り方を教えてくれ!
ドワーフ殺しより旨い酒を作れるなら本望だぜ!
さあ!教えろ!先ずは良いエール作りからだ!さあ!さあ!」
ヒィェ~怖い怖い!ガッドガさんの目が!それにターニャさんも!
ドワーフ恐るべし!
仕方なく先ずは濾過器を造りエールを!そして蒸留器!
なんと近所に濾過器を作った事があるドワーフさんが!
そしてあの殺しを作った事が有るドワーフさんも出て来て・・・
こりゃ駄目だ!酒造りに夢中だよ!
なんかむさ苦しい背の低いガッシリしたヒゲを生やした爺さん達が目をキラキラさせて機械を造り始めたよぉ!
失敗したなぁ・・・
「ウィスキーは樽に入れて7年とか寝かせるんですが・・・
これは大麦の焼酎なら直ぐに飲めますね」
「ショウチュウ!なんだそれは!」
「アハハ・・・殺しに似た酒ですよぉ┅」
「そのショウチュウなら直ぐに飲めるんだな!そしてウィスキーってのは樽で寝かせる!
よし!初めはそのショウチュウ造りだ!そしてウィスキーだぜ!」
「ワインからブランデーとかも・・」
「!┅┅┅なっ!リョウちゃんは私達が知らねぇ酒が凄く詳しいんだね!
造って飲もうじゃないの!」
「そうだ!知らない酒を嬢ちゃんから教わって飲むぞ!」
「「「「「おお!酒だ!リョウ!」」」」」
はぁ~もう知らねぇしぃ!
好きにしてよぉ・・・
私のクナイと手裏剣!何時できるのぉ~!
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