第7話 父聡
「あなたごめんなさい。ぅうううっ……( ノД`)シクシク…決してあなたを裏切るつもりはなかったの……わあ~~~ん😭わあ~~~ん😭わあ~~~ん😭」
「そんなこと……そんなこと……許せる訳ないだろう」
「ごめんなさい。許して……考え直して……わあ~~~ん😭わあ~~~ん😭わあ~~~ん😭」
話し合っても解決の糸口がつかめない静香。
この後どのような結末が待っているのか?
🥼💉👩⚕️
恭介夫婦は2人目のベビー誕生を心待ちにしているが、中々授からない。妻も不妊治療の辛さから最近は諦めモード。こうして2人は子供を貰い受けることを決意。それが江梨香だった。
それでは…不妊治療は何が辛いのか?
【1】痛い(注射、腫れの痛み、排卵痛など)
【2】毎日または頻繁に通院すること
【3】副作用・体調が悪くなること
【4】排卵のタイミングは、あらかじめ予定が立てられないので、医師から指示のあった日に病院に行かなければならない。それと同時に、医師から決められた日にセックスしないといけない。
🥼💉👩⚕️
美琴は、今までは亜里沙の事では父聡から、人目に晒すなと言われ続けてコンプレックスの塊となってしまっていたが、それでも…江梨香を貰い受けた事でまた以前の自身に満ち溢れた女に戻りつつある。
どういう事かと言うと江梨香が余りにも可愛いからだ。どこに連れ出しても「こんなかわいい子はいない!」と、手放しで褒め称えてもらえる。江梨香を養子縁組したことで毎日が夢のようだ。こんな可愛い子供を自分の子供に出来たのだから……。
早速習い事の幼児教室に通わせた。幼児教室では教育メソッドに沿って、遊びや運動、音楽などさまざまな体験ができて、英語の習得、体操やリトミックなど身体能力を高める、音楽の才能を伸ばす、絵画など芸術の才能を伸ばす等の、カリキュラムが用意されている。
美琴は亜里沙では叶えられなかった成長するする姿を目の当たりに、夢がどんどん膨らんで行った。3歳からは本格的にピアノや英会話ダンスを習わせ、成長を何より楽しみにしている。
見栄とエゴで凝り固まった父聡に辟易している美琴だったが、江梨香を貰い受けた事で生活に張りが出来て来て見違えるほど明るい家庭に戻った。これで江梨香がいなかったら、救いようがない家庭だったが、江梨香の存在は非常に大きい。
美琴は亜里沙では今まで味わったことのない他人の「 白眼視」白い目で見られることで、すっかり意気消沈して、今までのお嬢様然としたプライドは完全に地に落ちたかに思われたが、江梨香を貰い受けた事でまた以前の傲慢お嬢様が頭をもたげて来た。
「江梨香ちゃんは吞み込みが早くてうらやましいですわ」
「英会話では江梨香ちゃんが一番ですわね」
「そんなこと……たまたまですよ」
またダンス教室でも筋が良いらしく、どんどん才能が開花している。リズム感と身体能力のバランスがよく、他人の動きを観察し吸収する力がある。
「江梨香ちゃんはリズム感が抜群ですわね。本当にうらやましい」
このように江梨香は恭介の頭脳を貰い、母静香の運動神経の良さが遺伝したことで万能幼児となって習い事教室で、お母様たちから口々にやっかみ半分の褒め言葉に、美琴は鼻高々ですっかり有頂天だ。
妻美琴は養女として向かい入れた江梨香が可愛くて可愛くて仕方がないが、一方父聡のエゴで亜里沙を、あのような奥深い森に閉じ込めている事への嫌悪感が消える事はなかった。亜里沙のことが不憫で不憫で仕方ない。時間を見つけては江梨香と別荘に出掛けている。
盆と正月くらい家に連れて帰ろうと思うが、婿養子の恭介は現在37歳だが、教授選に勝ち脳神経外科教授としての任務が待っている。だが、医学部教授の場合、臨床や研究のスケジュール調整も必要となるため、数か月から一年程度の準備期間を要することとなる。このような理由から、来客も頻繫にあるので、亜里沙を同業者の目に触れさせることを極端に嫌うのだ。
「負の存在亜里沙を表沙汰にするな!」そう言って怒るのだ。
父聡が家に連れて帰ることを強く反対するので、いたたまれなく思っている。
*このように近親者の障害への偏見を隠匿した著名人は多くいる。その中でも有名なのが、アメリカ国内でも有数の「華麗なる一族」として有名なケネディ家だ。
【アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディの親きょうだいは、その多くが数奇な運命を辿っている。オカルト愛好家などの間では「ケネディの呪い」と呼ばれている
ケネディ家の不幸の伏線には、隠されたルーツがケネディ家を駆り立てたのではなかろうかとも言われている?
ルーツを辿ると見えてくるケネディ家の、アメリカ合衆国大統領執着への限りない欲望の軌跡が見え隠れする。実はケネディ家はアイルランド系移民。アイルランド系移民とは迫害の歴史だ。イギリス人は彼らをアメリカ人に年季奉公人として売り飛ばし「白人の黒人」と呼んでいた。
アイルランド系移民の血を引くコンプレックスから、極端に世間の目に敏感になったのかもしれない。
世間体や評判には非常に敏感だった父ジョセフは、悪評を未然に防ぐために、知的障害を持つ長女ローズマリーを秘匿したと言われている。
世間体を重んじる父ジョセフと母ローズの第三子ローズマリー・ケネディは人為的な医療ミスによって脳に十分な酸素が行きわたらず、後天的な知的障害を負う羽目になった。
たとえ人為的な医療ミスで障害を負ったとしても、「悪い遺伝子があるに違いない!」と疑われる。
ローズマリーは成長するにつれて我が強くなっていき、思春期からは癇癪を起こすようになる。優秀なきょうだい達についていけない苛立ちや父親からのプレッシャーなど、様々な要因から怒りを爆発させて暴れることがあり、ケネディ一家は1940年にイギリスを離れるのだが、ローズマリーだけ1人残した。
それでも…1941年、父ジョセフから1年遅れで帰国したローズマリーは修道院付属学校に入れられ、毎日過密なスケジュールに追われるようになるが、これは事実上の軟禁状態に陥っただけだった。
当然、受け入れられないローズマリーは夜な夜な修道院を抜け出しては自由を謳歌するようになる。ローズマリーが夜の街へ繰り出していると知った父ジョセフは、娘の素行がいよいよ自身の政治活動にとって妨げになるのではないかと危惧するようになる。
ケネディ家は敬虔なカトリック教徒のため、もしローズマリーが男女問題など起こそうものなら父ジョセフにとって致命的な醜聞となると考え、ロボトミー手術の権威フリーマンに頼み込み、ジョセフは周囲の反対を押し切り、独断で手術同意書にサインした。
当然、ロボトミー手術は失敗に終わり、ローズマリーの知的障害はより重くなったほか半身麻痺や尿失禁などの後遺症まで加わってしまった。父ジョセフはこれを悔いるどころか、重度知的障害者となったローズマリーを居ないものとして扱い、二度と顔を合わせることはなかった。
アメリカ大統領ジョン・F・ケネディの父親がジョセフであり、「ケネディ王朝の創始者」としてアメリカの政財界に君臨した人物だが、その手法は決して褒められたものばかりではなかった。インサイダー取引や風説の流布、空売りと組み合わせた相場操縦など、現代では禁止されている手法も少なくなかった】
🥼💉👩⚕️
美琴は江梨香を養女にしたことで、計り知れない幸せの中にいる。
「江梨香ちゃん今度お姉ちゃんがいる別荘に行きましょうよ」
だが、そんな幸せな家庭に、ある日の事だ。思いもよらない事件が起きる。美琴が恭介の書斎を片付けていた時にとんでもないものを見てしまった。
それは本型金庫の存在だ。
恭介の書斎を掃除をしていた時に本を落としてしまったのだが、その時に”チャリン”と音がしたのだ。拾い上げて本を所定の位置に戻そうとした時に、中でガサゴソ音がした。不思議に思いページをめくってみると最初のページに鍵穴が見つかった。
「ええええええええええぇぇええええええええっ!これは一体何?」
そこでキーを徹底的に探してみた。すると引き出しの奥に何個かキーが見付かった。1つ1つはめて行くとそのブック型金庫が開いた。
何と……そこには写真が入っていた。それも凄い美人と恭介が仲良さそうに写っていた。
この写真を金庫に隠さなければいけない理由は何なのだろうか?
更にはDNA鑑定(父子私的)の結果報告書が入っていた。そこには「親子関係を認められない」とあった。更には「DNA鑑定」依頼書のコピーが入っていた。
これは一体どういうことなのか?
依頼者の欄には木下昇と書かれてあった。
美琴はこの書類は一体何を意味しているのか、理解不能だ。
そこで木下昇という男を徹底的に調べた。
調べた結果経歴的にも何の問題もない男で、母の職業に憧れ料理人を志した木下昇は、帝都ホテルの副料理長で国際大会で優勝経験のある凄腕のパテシェであり、1年前に妻の木下静香と離婚していたことが判明。
一体この男と夫恭介にはどのような関りが有るのか?
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