銀河鉄道での美味しい食事……主人公は何を思うのか!?
- ★★★ Excellent!!!
主人公の男性は宇宙を走る銀河鉄道に乗っている、ちょうど月に近づくところ。
他にも乗客が席に座っているのだが、皆、元気のない表情。
と、主人公はお腹が減ったことに気が付き、食堂車へと向かう。
食堂車の乗客たちが何を食べているのかを観察する。
おにぎり、ハンバーガー、オムライス……バラエティに富んだメニューがあるようだ。
しかし席に座るや、メイドがいきなり「お待たせしました」と料理を運んできた。
それは、男性の地元にあるラーメン店のもので――。
宮本賢治様の描く『銀河鉄道』。
本作から醸し出される寂しさは、本家(!?)においても描かれていた情感でしたが、加えて宮本様の物語には飯テロが!
これがまた、すごく美味しそうなのです。
そしてそこにこそ、宮本様のメッセージが込められていると思われます!
「美味しい料理」を食べること、それは善く生きてやろうとする欲であり、すなわち業の肯定であり……とてもとても深い意味があります。
本作の主人公は、思い出の味を噛み締めながら、星空を旅立っていきます。
銀河鉄道での食事、それは生きることの意味を改めて見つめるための、最後の一時なのかもしれません。