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鍛高短歌(たんたかたんか)

鍛高短歌(たんたかたんか)

逸漣

おすすめレビュー

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★★★
★6
2人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 悠鬼よう子
    1134件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    頬を染める言葉たち――『鍛高短歌』を読んで

     逸漣 様の短歌集『鍛高短歌』は、五七五に縛られず、思いきり自由な言葉がきらめいています。色彩と心の揺れが静かに絡み合い、読んでいるこちらもそっと頬を染めてしまいそうでした。

     特にお気に入りは、「りんご」の一首で、幼き日の記憶がやさしく胸をくすぐるような作品でした。病気という非日常の中で、祖母と過ごした時間だけが静かに色づいていく――りんご病の頬の赤も、トーストのジャムも、どこか懐かしく温かな余韻を残します。そこに漂うのは、子ども時代の孤独と幸福が同居する不思議な光。

     詠み手の逸漣 様のまなざしが優しく、言葉の奥で「過ぎ去った時間への感謝」が小さく呼吸しているようでした。

    • 2025年11月4日 15:27