第3章第4話 事件のその後
図書室には、昨日までの混乱を思わせない静けさが戻っていた。
碧と結は、最後の原稿を整理しながら、佐藤や田中副委員長と一緒に確認作業をしている。
「これで全員分揃ったね」碧が満足そうに言うと、田中は深く頭を下げた。
「本当にごめんなさい。私の不注意で、皆に心配をかけてしまって」
「うん、でももう大丈夫!」碧はにっこり笑った。
結も原稿の山を整えながら、静かに付け加える。
「事故だったとはいえ、こうして解決できてよかったね。みんな安心できる」
佐藤も安堵の表情で、原稿を丁寧に整理している。
「碧ちゃん、結ちゃんのおかげで、本当に助かったよ」
「名探偵ごっこ、少しは役に立ったかな?」碧は得意げに言う。
「うん、立ったね」結は笑顔で答えた。
その後、三人で最後の原稿を棚に戻し、コピー用紙や資料も整理された。
「図書室も元通り……これで事件は完了!」碧は拳を握る。
「本当に、小さな事故でも事件みたいになっちゃうのね」結は苦笑した。
外の夕陽が窓から差し込み、柔らかい光が図書室を包む。
碧は窓の外を見つめ、次の事件を想像しているようだった。
「ねえ、ゆい。次はどんな事件が起こるのかな?」
「……怖いけど、楽しみだね」結は肩をすくめながら微笑む。
こうして、図書室の消えた原稿事件は無事解決。
不注意から始まった小さな混乱も、碧と結の冷静な観察と推理で収束したのだった。
碧は満足そうに胸を張り、結は微笑みながらその様子を見守る。
事件は終わった――しかし、二人の学園生活には、まだまだドタバタが続く予感が漂っていた。
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