第3章第3話 原稿発見と犯人の告白


碧は机の下を覗き込み、結は棚の隙間を確認していた。

「絶対にここにあるはず!」碧は力強く言う。

「焦らず、順番に確認しましょう」結は落ち着いてメモを取りながら指示を出す。


すると、棚の最上段に積まれた段ボールの角から、紙の端がちらりと見えた。

碧は思わず駆け寄る。

「見つけた!」


手に取ったのは、昨日の原稿の最後の一枚。

くしゃくしゃに折れていたが、無事に残っていた。

「やっぱり事故だったんだ……」碧が安心した表情で言う。


その瞬間、田中副委員長が申し訳なさそうに歩み寄る。

「……ごめんなさい。私が最後の一枚を見落としてたんです」

「田中先輩、事件の中心はそこだったの?」結が静かに尋ねる。

「はい。コピーを取ったあと、机の隅に落ちていた原稿に気づかなくて……本当に不注意でした」


碧はニヤリと笑う。

「でも、無事に見つかったし、解決ってことで!」

田中もほっとした表情でうなずく。

「ありがとうございます。碧ちゃん、結ちゃん」


結は微笑みながら、二人で床に散らばった原稿を整理する。

「事故で事件になるって、やっぱりドタバタだわ」

「でも、こうして無事に全員分揃ったんだし、めでたしめでたし!」碧は満足そうに言った。


その時、佐藤が小さく笑った。

「でも、碧ちゃん、今回も結ちゃんと一緒じゃないと危なかったかもね」

「そ、そうかも……でも、名探偵ごっこだから!」碧は照れくさそうに胸を張る。


夕陽が図書室に差し込み、柔らかい光が原稿の上に広がった。

静かな空間に、小さな達成感が漂う。

事件は解決――だが、碧と結の日常には、また次の“ドタバタ事件”が待っている。


「次は何が起こるのかな?」碧がワクワクした声でつぶやくと、

「……怖いけど、楽しみでもあるね」結は微笑みながら答えた。


こうして、図書室の消えた原稿事件は幕を閉じた。

不注意で起きた小さな混乱だったが、二人の名探偵ごっこで無事解決――

そして、新たな事件への準備はすでに始まっているのだった。

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