第7話 経験値の聖域《メタル地帯》

「よし、準備はいいか?」


「はいっ!バッチリです!」


『ウォン!』


 《海辺地帯》攻略をした翌日、俺とエリュシアは昨日手に入れた『メタルパスポート』を使い、《メタル地帯》に行こうとしていた。


「じゃあ《メタル地帯》へレッツゴー!」


 『メタルパスポート』を掲げる。 その瞬間、カードが淡く光り、俺たちの足元に魔法陣が展開される。

 光に包まれ、景色が一瞬で切り替わる。

 次に目を見開いた時、そこには銀色の大地が広がる不思議な場所だった。


「ここが《メタル地帯》なんですね…っ!」


 エリュシアが息を吞む。


 足元の大地は銀色に輝き、地平線の向こうまで金属質の岩肌が続いている。

 空気はひんやりとして気持ちがいい。とても快適な空間だ。


「メタル系モンスターしか出現しない夢のような場所、それが《メタル地帯》だ!」


「わあ~!こんな世界があるなんて知らなかったよ~!」


『ピキ~!』『ウォン!』


 メタルンは嬉しそうにずっとぴょんぴょん跳ねているし、ルーちゃんもこの広い大地を走り回っている。

 そんな時に周りを見渡すとメタルンと瓜二つな『メタルスライム』があちこちに居座っていた。


「とりあえず効率重視で行こう。二手に別れてそれぞれメタル狩りしようぜ」


「わかりました。でも帰る時ってどうするのでしょうか?」


「1時間が経過したら使用した元の場所に帰れるようになってるから大丈夫だ、気にせずメタル狩りできるよ」


「なるほど!じゃあ早速ですが行ってきます!」


 そう言ってエリュシアはメタル狩りを開始しにメタルスライムを倒しに行った。俺も始めるとしよう。


「俺は狩りよりも契約メインに集中しよう。行くぞメタルン、カンムリ」


『ピキ!』『ぷるっ!』


 《メタル地帯》特有の環境音と、メタルスライムの足音…足音?に合わせて音が響く。

 どこを見渡してもメタスラがうろうろしていて、不思議な感覚に陥る。


「よっしゃ!殴って殴って殴りまくるぞ~!」




~ここからダイジェスト的な?~




「当てろメタルン!ひたすら攻撃!」




「今だ!(契約術)失敗した!」




「今だ!(契約術)あ!また失敗した!」




「逃げるな!卑怯者!(某鬼殺隊風)」




「お!会心の一撃!ナイスだカンムリ!」




「今度こそ!(契約術)よっしゃー!成功した!やっと1匹目!」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 慌ただしく、ただひたすらに《メタル地帯》を駆け巡り、ある時は倒したり、ある時は逃がしてしまったり、ある時は仲間にしたりと、無我夢中で追いかけ回していた。

 その後、1時間が経過してしまい、元居た場所に戻り今日は解散。それを数日間行い、エリュシアがルーちゃんを配合しようとした結果──。


「で、出ました!これが言ってたあの【スキル】ですね!?」


「ああそうだ、さっさと配合してまた《メタル地帯》に行くよ」


「はいっ!」

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