エピローグ 初恋は桜が散るように

 あの騒動後、あの三人は警察に逮捕されました。その時はすでに三人とも廃人のように容疑もすべて認めました。

 

キツネは逃げた二人の様子を見に行っていました。遠く離れた田舎で笑顔で畑仕事をしている結花の姿がありました。


「本当にこれでよかったのか、キツネ様よ」

 

キツネの後ろに龍之介の姿がありました。龍之介はあの一件以来あの二人との交流は続いているという。ちなみに会社のほうは無事だそうです。結婚式前に忙しかったのはこの件で最小限のダメージになるように動いていたのです。


「いいのさ、あの子が幸せなら・・・。」


「キツネは願い事を叶えてくれるのに自分の願いは叶えないんだな。」


「・・・うるさい。もう行く。」


そう言ってキツネは消えていきました。キツネの初恋はまるで桜が散るようにむなしく叶わなかったのでした。


この話はフィクションです。ここまでお付き合いしていただきありがとうございました。

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桜の散るころに 幻のP @maboroshi-P

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