第23話 異変2

 あれから落ち着かない感じなので今日は探索に出るのを辞めた。メメも落ち着かないのかまわりをグルグル走っている。

 パパ達からの返事はまだないのでリラックス出来るハーブティーを入れて皆で飲んだ。

 初めての感覚にどうしていいのか解らないのだ…。


「例えば人が沢山入って来たとして聖域付近に近くまで来るのにどれくらいかかる?」


《どの国からか分からないからな。ただどの国からも歩いて来る事になるから近くて一ヶ月以上はかかるんじゃないか?魔獣と戦いながらだともっとかかるかも知れないが。》


「はぁ~。こんな嫌な感じ初めてだから落ち着かない。でも最短でも一ヶ月以上なら平気かな?これが悪意ならかなり悪意のある奴らが森に入ったって事だよね?」


《そうだな。ただ簡単に魔獣には勝てないだろうから安心するといい。メメも落ち着け。》


「アハハ。メメずっと走りまわってるもんね。」


 そう言い走りまわってるメメを抱っこした。


「メェーン!メェーン!」

「ん?メノウが大丈夫だって。だから落ち着こうね。」

「メェーン!」


 メメを抱っこしたらメメは少し落ち着いたみたいだ。


「エル~手紙が来たみたいだクマァ~!」


 パパからの手紙をディーから受け取り見る事にする。


   エルへ

 森が変に感じ嫌な感じがするとの事だが調べてみたらフロラー国の王の息子第一王子が王弟の第一1子に誘われ森で狩りをする事になり前辺境伯と大勢の騎士軍団を引き引いて高ランク冒険者を雇い森に入った事が原因だな。

 嫌な感じか…。原因は多分王弟の子供だろうな。かなり薄汚い魂の持ち主でかなりの野心家で自分が1番の馬鹿だからな。人を騙し蹴落とし陥れる事に躊躇がない人物だ。

 もしかしてたら狩りも名目なのかも知れないな。

 まぁ、メノウの聖域にすら辿り着けないだろうが此方でも強力な結界を張ったので安心するように。

 万が一何かあっても此方から何とか出来る様にしといたから安心して過ごしていいからな。

 では。また。

   パパより


「だって。安心していいみたい。名目か…。何か嫌だな。」


《馬鹿国の馬鹿王族が馬鹿な事を考えてるんだな。冒険者達は巻き込まれたか…。高ランクの冒険者ならこの森が危険な事は知ってるだろうからな。名目…嫌な感じだな。》


「パパ達が結界を強化してくれたお陰か嫌な感じ薄くなった気がする。」

「メェーン!」

「嫌な人間クマァ~?怖いクマァ~!!」

「メェーン!メェーン!」


 ソファーに座りメメとディーを膝に乗せ撫でる。抱っこしていないとメメは走りまわってしまうからな。

 多分誰よりも嫌な感じを感じているのかもしれないな。


「フロラー国って昔森を開拓して大勢の犠牲者を出した国の一つだよね?後一つはラベン国。」


《そうだ。両者睨み合ってる状態で実際開拓は行われていなが…。》


「森に侵略して開拓して国を大きくしても自国を脅威に晒すだけって何でわかんないんだろ?パパ達やメノウみたいに魔獣が入ってこられない強力な結界なんて張れないだろうし…。」


《欲深な人間の考える事はわからぬな。上が馬鹿だと下が困る事になる。魔除け程度では強い魔獣は避けられないだろうがな。》


 ディーとメメをソファーに座らせてから魔獣図鑑を部屋から持ってくる。あ、メメが着いて来たので抱っこする。


「うーん。竜が1番強いんだよね?」


 聞きながらページをめくる。


《竜というか、1番は古代竜だな。まぁ竜種は大体は強いが。後強いのは神獣もだな。》


「メェーン!」

「あぁ、フェンリルだね。メノウだね。」

「カッコいいクマァ~!」

「これ、全部覚えるの不可能なんだけど。何系とかは覚えるけど同じ属性でも個体によって色々違うでしょ?スライムにも様々なスライムがいるように。メメがいたくらいだから図鑑に乗ってない魔獣もいそうだし。」

「確かにクマァ~!全部は無理クマァ~!」


《良いのではないか?我も全て知ってる理由じゃないからな。会った事ない魔獣も神獣もいるしな。スライム系、ゴブリン系、狼系、等と覚えていけば。森にいる系とか海にいる系とか砂漠にいる系とか山にいる系とかその都度何処かに出掛ける時に勉強すればいい。後はどんな魔獣が来ても倒せるくらい強くなればいいのだ。それにその図鑑は神々がくれた物だろ?多分普通の図鑑に乗ってない物まで乗ってるから分厚いんだ。普通の図鑑は多分そんな細かく乗ってない。

それから知能を持たない魔獣より知能がある魔獣の方が厄介だと覚えとけ。》


「成る程。知能があれば此方の動きを読まれるって事だよね?」


《人狼等は人間に化けてたりするからな。鑑定がない奴らは終わりだな。奴らは狡いし賢いからな。他には死霊系は光魔法がないと倒すのが大変だろう。後要注意はゴブリンとオーガだな。男しかいないから女性を狙い攫うからな。》


「ウグッ…迂闊にパパ達にダンジョン頼むんじゃなかった。あ、行かないというのもありか!それに女性狙いね。気持ち悪い。」

「メェーン!メェーン!」

「確かに気持ち悪いクマァ~!」


《ゴブリンやオーガに狙われ攫われたら終わりだ。だから覚えておけ。ダンジョンはどうせ10歳になるまで冒険者登録が出来ないからゆっくり考えればいい。》




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