第22話 異変

 そろそろ夏が始まるが森の中なので余り暑いと感じない。毎日ブレンドしてる水を飲んでるせいかメメのくれたキラキラを毎日1滴づつ飲んでいるせいかメキメキ強くなってる気がするんだよね。


 まぁ、他の魔獣や多種族、人間と戦った事がないから分からないが…。

 メノウも強くなったと言ってたから多分強くなっているんだろう…。


 メノウに聞きながらこの世界の事もきちんと勉強したりしているよ。魔族は余り国から出ないんだとか…。魔王ってイメージから悪いイメージがあるけど魔族は悪い魔族じゃないんだって。ただ、種族が違うだけらしい。多種族には人間嫌いもいるのだと。


 確かに…この世界では勉強すればするほど人間が愚かに感じるよ。愚かじゃない人間も沢山いるんだろうけど多分王族、貴族が愚かだから人間が愚かに感じるのだろう…。


 上に立つ人間はきちんとしてないといけないのにね。民達も王族、貴族にはひれ伏すしかないんだろうから。


 うわー!人間に会いたくなくなって来た。人間は嘘をでっち上げたり噂を広め人間が人間を陥れたり、欲望の塊がいたり、様々だからな。自分が偉いと勘違いしてる奴もいるし、やって貰って当然だと思う人間もいるし、悪い人間をイメージしたら次から次へと考えが止まらない。


 考えるのをやめよう。私の人間嫌いは病気になる程、身体が壊れるくらいの物だったから。


 今は皆がいるからそれでいい。ダンジョンには行って見たいが森で暮らしていくのも悪くないからな。人間には会わないし…。


 ただ、森を害する者は排除させて貰うがな…。聖域には人間が手に入れたいだろう物が沢山あるからな。


 あ、話しが変わって、盗賊、山賊、海賊がいるらしい。凄い!ファンタジーの世界だ!!少し感激したが自分達の存在もファンタジーだった!魔法や剣を使うのもディー達の存在もファンタジーだった!!


 交通は馬や馬車や船らしい。本当に科学は全然発展してないんだな…。多分パパ達から知識を貰った者が少しは発展の手伝いをしてるだろうが…。余り期待は出来ないな。多分、私の世界で言う中世な感じなのだろう。それに魔法やポーション等が加わった感じ…。


 初めパパ達も衝撃を受けてたもんな。あの凹みようは凄かった。




 6月に入ったある日嫌な感じがして飛び起きた!メメもパジャマ姿で走りまわっている。


《どうした?エル。メメもだな。》


「うん。何か嫌な感じが止まらない。」


 パジャマ姿で家の外に出る。皆急ぎパジャマ姿で出て来た。メメも皆の周りを走りまわっている。


《うむ。これ誰かが森に入ったか。森がおかしいな。》


「わかんないけど、凄く嫌な感じがずっと続いてる。多分メメも感じてるんだと思う。」

「確かに変な感じはするクマァ~!」

「イヤナカンジデス!」

「ヘンダヨー!」

「モリガイツモトチガウノナノ!」

「メェーン!メェーン!メェーン!」

「近くではないと思うんだけど…。なんだろ?この嫌な感じは…。」


《近くではないのなら少し様子見だな。我の聖域に入ったら我は分かるからな。》


 取り敢えず走りまわってるメメを抱っこしてディーと手を繋ぎ家の中に戻った。

 それから着替えをして、朝食をウル達と作り皆で食べて片付けをしたが嫌な感じがずっとする…。

 外では集中して訓練出来ないので闘技場に行き訓練をした。


「今日は駄目だ。集中出来ない。本当に嫌な感じが止まらない。ヤバイ連中なのかな?」

「メェーン!メェーン!」

「確かに変な感じはするクマァ~!嫌な感じクマァ~?」

「イヤナカンジアルデス!」

「イヤナカンジヨー!」

「イヤナカンジナノ!」


《なら我は外に出て聖域の結界を強くしよう。》


 皆また外に出てメノウは目を瞑りながら多分結界を強くしているんだろう。凄まじい魔力が渦巻いているから。


《確かに嫌な感じだな。東西南北何処から入って来たのか分からんが、冒険者等が魔獣を狩りするだけならこんな嫌な感じはしないのにな。おかしいな。森を開拓しようと沢山の人間が入って来たのか?まだ遠すぎて判断出来ないな。》


「神眼使おうか?」


《嫌、まだ大丈夫だろう。かなり遠くだと思うしな。》


「そっか。皆が感じてる嫌な感じはなんなんだろうね?」


《分からないが禁忌魔法の類を持った人間がいるのかもしれぬな。それか悪意だらけの人間か…。》


「禁忌魔法って?」


《我も詳しくは分からないが大勢の魔力や生命を犠牲とする魔法陣としか…。》


「とんでもない物だね。パパ達に相談した方が良いかも。」

「手紙書くクマァ~!」

「カクデス!」

「カクヨー!」

「カクナノ!」

「メェーン!メェーン!メェーン!」


《そうだな。一応報告しといた方が良いだろうな。》


 それから皆で家の中に入りパパ達に手紙を書いて送った。






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