第24話 おかしい
あれから一ヶ月が経ったのに嫌な感じは強くなるばかりだ。訓練を終えて昼食を食べ片付けをしてからソファーに座っている。
「本当に狩りなのかな?侵略じゃない?狩りなら一ヶ月も森にいるのおかしくない??」
《確かに…。直ぐ帰ると思ったんだがな。運よく強い魔獣と出くわしていないのかもな。どんどん此方に向かって来るな。下手したらラベン国に着くぞ。そしたら戦争になるぞ。》
「メェーン!メェーン!」
「オカシイデス!」
「オカシイヨー!」
「オカシイナノ!」
「怖いクマァ~!」
「うーん。やっぱり神眼で観てみるかな?」
そう言い外に出た。そして神眼を使ってみる。
その頃の冒険者達
昼休憩の為皆まわりを気にしながら休んでいた。リーダーのジョシュア17歳、イーサン17歳、ワイアット16歳、シーダ15歳はコソコソ話しをしていた。
「なぁ、狩りに一ヶ月もかけるのか?」
「嫌、俺も可怪しいと感じてる。」
「運よく倒せる魔獣にしか会ってないですからね。」
「それに狩りに女性を連れて来るなんて馬鹿。」
「確かに女性剣士の他に戦えそうにない女性もいるからな。」
「離脱出来ねーの?かなり奥地に来たじゃねーか。そろそろ強い魔獣が出てもおかしくねーよ。」
「確かにそうですね。」
「僕流石に疲れるんだけど。」
「前払いで払われてるから流石に離脱は難しいな。」
「げっ!マジかよ!」
「これ、森に侵略する為の視察とかじゃないですか?」
「僕もそう思う。」
「だから王族、貴族嫌いなんだよ!!んでリーダーどうするんだ?」
「何時帰還か聞いて来る。」
リーダーのジョシュアは雇い主の第一王子に会いに行った。
「すいません。ホムラのリーダーのジョシュアです。第一王子殿下にお会いしたいんですが…。」
護衛騎士が第一王子殿下が休んでいる所に行き話しをしてるみたいだ。
「通っていいぞ。」
「有難うございます。」
テントに通され話しをする。
「ホムラのリーダーのジョシュアです。帰還は何時頃の予定でしょうか?」
「かなり奥地に来てしまったからね。当初の予定では直ぐ帰る事になってたんだけど。ノービルが強い魔獣と戦って見たいと聞かなくてね。でも、そろそろ奥地に来すぎたから帰還する事にするよ。」
「わかりました。そうメンバーにも伝えます。」
「我儘につき合わせてすまないね。」
「いえ。大丈夫ですので。では、また。」
ジョシュアはテントから出てメンバーのもとに帰った。
「どうだったんだ?」
「そろそろ帰還するとの事だ。」
「やっとですか。」
「本当にね。」
「元第二王子殿下の子息に第一王子殿下が付き合ってるって感じだった。」
「あぁ、あの我儘子息か!」
「戦いたいと言う割に騎士達や私達に戦わせていますよね?」
「王族、貴族元々嫌いだけど僕アイツ嫌い。我儘を野放しにしてる奴らも嫌い。」
「まぁ、もうすぐ帰れるみたいだからな。」
「また一ヶ月かけて帰還ですか…。」
「次から王族、貴族の依頼は受けねーぞ。」
「分かったよ。」
エルはみたまんまを話した。
「んー。狩りなのに女性騎士の他に戦えなさそうな女性もいるね。数はざっと50人以上はいそうだね。こっちの人を初めてみたけど……んー、ダサいな。冒険者らしき人物の方がマシだよ。あれは…。多分だけど冒険者らしき人物達にもこの狩りに疑問を抱いてそうな感じがした。」
《そうか。やはりただの狩りじゃないのか?》
「それは分からないけどこっちに向かって来たら順調に行けば1週間くらいで近づきそうだね。何もなければだけど。」
「どうするクマァ~?怖いクマァ~!」
「メェーン!メェーン!」
「ほら。メメは走りまわらないの。教えて貰ったメノウの聖域を通っても神の聖域には入らないから大丈夫だよ。パパ達の事だから神の聖域に入れないようにしてそうだしね。」
「安全クマァ~?」
「うん。大丈夫。いざとなったら排除するから。」
「エルが怖くなったクマァ~!」
「やらなきゃやられる世界でしょ?」
「ソウデス!ハイジョデス!」
「ヤルヨー!」
「ハイジョナノ!」
「1週間経ってもいる様なら聖域ギリギリに隠密で様子見に行けば良いしね。」
《そうだな。しかし戦えない女性を含め50人以上か…。かなり大人数だな。奥地に入って来たんだ。今まで運がよく弱い魔獣を倒せても大人数ならどんどん強い魔獣に狙われるだろうな。》
「本当に馬鹿。戦えない女性を連れて来るとか頭おかしいよね。理解に苦しむんだけど…。王族、貴族無理。」
《真の魔獣の怖さを知らなんだろうな。流石は馬鹿国の馬鹿王族達だな。》
「私も魔獣に会った事ないからなんとも言えないけど…。戦えない女性を連れて来るのは間違ってるってわかるよ。良く一ヶ月も歩いたね。」
「メェーン!メェーン!」
「普通の女性が歩いて来るだけでも大変クマァ~!」
「タイヘンデス!」
「タイヘンヨー!」
「タイヘンナノ!」
「まぁ、命令なら逆らえないんだろうね。」
《確かにな。早く森から去って欲しいものだな。》
「今思ったんだけど、例えば直ぐ帰る予定だったのを一ヶ月も帰らないとなるとフロラー国動くんじゃない?」
《それは、最悪の結末だな。そうすればラベン国も動くだろうからまた、競い合って大勢の犠牲者を出す事になるぞ。他の国々も黙ってないだろうから、戦争になるな。》
「メェーン!メェーン!」
「メメ落ち着くクマァ~!!」
走りまわってるメメをディーが追いかけて鬼ごっこのようになっている。
「ま、取り敢えず中に入ろうか。」
《そうだな。メメ、ディー家に入るぞ。》
「メェーン!」
「クマァ~!」
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