第43話|交差する鼓動──手術室と病室、ふたつの時間
※この作品は台本(脚本)形式で執筆しています。
会話の前にキャラクター名が入る構成です。
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こんにちは、お疲れ様です。西竜愛星です。
いつも『鼓動の先に』を読んでくださり、本当にありがとうございます。
第43話では、結愛と、手術の真っ最中にいるひより──
“ふたつの時間”が同時に進んでいきます。
病室で祈り続ける結愛の胸の鼓動と、
止まった心臓を前に、静かに糸が進む手術室。
全く違う場所なのに、どちらも必死に未来へ向かおうとしています。
結愛にできるのは信じて待つことだけ。
ひよりは眠り続けたまま、命の橋を渡っている最中。
どうか、この交差する想いを
最後まで見届けていただけたら嬉しいです。
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前回のエピソード
https://kakuyomu.jp/works/822139837672594690/episodes/822139840067899502
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⚠️ご閲覧に際してのご注意
本エピソードには、手術中の描写(開胸・人工心肺・縫合など) が含まれます。
医療シーンが苦手な方はご注意ください。
また、心臓手術の描写は最大限リアルさを重視しています。
実際の医療現場を基にした内容のため、
緊張感の強い場面があります。
どうかご無理のない範囲でご覧ください。
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🕥10:50〜 ひよりサイド
〈鳳英医科大学附属病院・手術室〉
人工心肺の駆動音が一定のリズムで空気を震わせる。
その中央で──
ひよりの顔が、全身麻酔に包まれた静かな表情で横たわっていた。
マスク麻酔で眠ったときのままの柔らかさ。
長い睫毛は微動だにせず、
頬はまだ幼さの残る丸みを帯び、
薄い唇はわずかに乾いている。
その顔は、ただ眠っている少女そのものだった。
しかし、胸の下では──命が静かに開かれ、修復されている。
人工心肺の規則的な駆動音だけが、静かな緊張を刻む。
停止したままの心臓。
視野の中央には、白いパッチがしっかり固定され、
その周囲に、細く精密な追加縫合が続いていた。
寺西「……ここ、あと2針。慎重にいくぞ」
モブ助手A「視野、固定しています」
佐久間「血圧安定、ガスも良好です」
無音の心臓。
そのすぐそばで、ひよりの頬は白く、
麻酔で深く沈んだ呼吸に合わせて鼻先がほんのわずかに揺れる。
まるで、静かにゆっくり眠っているだけ──
だが、その胸の奥では“生きるための工事”が続いていた。
寺西の手元は迷いがない。
ひよりの未来を守るように、針が心筋へ正確に入り、
白いパッチが少しずつ固定されていく。
佐久間「血圧安定、ガス良好です」
寺西「……よし、パッチ固定。追加縫合、いくぞ」
顔は穏やか。
胸の中では、命が緊張の中で修復され続ける。
その“静と動”のコントラストが、
まるで時間が止まったような手術室に凛と刻まれていた。
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🕥10:50〜 同時刻・結愛サイド
〈結愛の病室〉
結愛はベッドの上で姿勢を整えていた。
午前リハの疲労で少し肩が上下する。
扉がノックされ──
母・優子と父・将弘が病室へ入ってきた。
優子「結愛……午前、リハビリ頑張ったんだって?」
結愛はゆっくり頷いた。
結愛「……うん。……でも、ひよりんことで頭いっぱいだから……なんかそわそわして……」
優子「ひよりん?」
結愛「……うん。……昨日知り合った……隣の隣の病室に入院してる女の子……今日が手術で今真っ最中」
優子はベッドのそばに座り、娘の手を包み込む。
優子「あなたのことじゃないのに、そんなに心配できるなんて……結愛は優しい子だよ」
将弘もうなずき、小さく笑った。
将弘「安心しろ。寺西先生がついてる。大丈夫だ」
結愛の胸がすこしだけ緩む。
結愛「……ひよりん……頑張ってるかな……」
優子「きっと、頑張ってるよ」
15分ほど、家族は結愛のそばで過ごした。
優子「また来るからね。無理しないで」
結愛「……ありがとう……」
家族が退室し、病室が静かになる。
結愛は胸の前で小さく指を握りしめる。
結愛(心の声)《……ひよりん……どうか……無事で……》
その祈りは、遠い手術室へ向かって確かに届こうとしていた。
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🕚11:30〜 ひよりサイド
〈手術室〉
人工心肺の回路を流れる血液が、静かな唸りをあげる。
その一定リズムの中で──
ひよりの顔は沈黙そのものだった。
薄い唇はかすかに乾き、頬はわずかに青白く、
睫毛は微動だにしない。
マスク麻酔から眠りに落ちたあの瞬間のまま──
16歳の少女が深い眠りの中に閉じ込められている。
だが、その小さな身体の中では、
命の綱渡り が続いていた。
胸の奥の手術野では、白い人工パッチが心室中隔の穴を覆い、
その縁に沿って、寺西の針が“生”を縫いとめていく。
寺西「……次の角度、吸引お願い」
モブ助手B「はい、吸引入ります」
チュイィィ……と吸引音が走り、視野が一瞬クリアになる。
佐久間「血圧、依然安定。乳酸値も問題ありません」
寺西「いいね……落ち着いてる。
……ここ、縫合ライン少し浅い。深く修正する」
モブ助手A「視野、保持しています」
チ、チ、チッ──
無音の心臓に、針が一定のリズムで進む。
ひよりの胸は動かない。
呼吸は人工換気のわずかな胸郭の上下のみ。
それでも──その顔はまるで安らかに昼寝する少女のようだった。
だが、胸の奥では“生まれつきの穴”を確実に塞ぐための、
緻密で繊細な作業が続いていた。
寺西「……パッチの縁、全周固定。
追加で補強縫合いくぞ、糸交換」
モブ看護師「糸、交換します」
新しい糸が手渡される。
寺西は一瞬だけ視線を落とし、
無音の心臓の上へ再び集中の全てを注ぎ込む。
佐久間「人工心肺、良好。
ガスも問題ありません。
このペースなら、予定どおりいけそうです」
寺西「了解。
……ここからが山場だ。最後まで気を抜くなよ」
助手たちの背筋が自然と伸びる。
針が心筋に入る瞬間、白いパッチがわずかにたわむ。
その度に寺西の指は迷いなく一定の速度を刻む。
16歳の少女の未来のための、
一刺し一刺しが積み重なっていった。
ひよりの頬は静かに白く、長い睫毛は眠り続け、幼さの残る横顔は“ただの寝顔”にしか見えない。
だがその胸の奥では、確かに──ひよりの人生の“穴”が閉じられようとしていた。
寺西「……よし。パッチ全周、固定完了。
次、リーク確認いくぞ」
佐久間「心筋表面、出血軽度。問題ありません」
モブ助手A「視野、良好です」
寺西は小さく頷き、停止した心臓の上へそっと指を添えた。
寺西「……よく頑張ってるよ、ひよりさん。
その調子だ」
ひよりの顔は、まるで時間から切り離されたように穏やかだった。
麻酔で深く眠るその目は、長い睫毛が影を落とし、頬は血の気を奪われたように白く、
唇は乾き、わずかに開いている。
呼吸は人工呼吸器の規則的な機械音に合わせて、胸がほんのわずかに上下するだけ。
──だが、その静かな寝顔には
幼さと、確かに“生きようとする強さ”が滲んでいた。
胸の中では外科医たちが未来を繋ぎ、
顔にはまったく違う“眠るだけの少女の表情”が残る。
その対比が、手術室の緊張をいっそう濃くしていた。
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🕛12:00〜 結愛サイド
〈結愛の病室〉
昼食が運ばれてきた。
メニューは軟菜食に近い、ほぼ普通食。
今の結愛なら、問題なく“自力で完食できる量”だ。
結愛はスプーンを握り、ゆっくりと一口、口に運ぶ。
──美味しい。
身体も、ちゃんと受け入れている。
けれど。
結愛(心の声)《……ひよりん、大丈夫かな……
今も……胸、開いてるのかな……》
食欲がないわけじゃない。
むしろ身体は回復していて、しっかり食べられる。
ただ──ペースが落ちる。
ひよりの手術が気になって、
ひと口ひと口、噛むたびに頭のどこかがそわそわ揺れる。
結愛「……(もぐ……)」
食べる動きは止まらないが、
時計を見る回数が、いつもより圧倒的に多い。
それでも、結愛はきちんと食べきった。
結愛(心の声)《……あたしが心配しても意味ないのに……でも……手術室にいるひよりん、ひとりじゃないって……思ってほしいな……》
食後のトレーを片付けてもらった後も、
結愛の視線は自然と病室の扉方向へ流れていた。
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🕛12:00〜 ひよりサイド
〈手術室〉
人工心肺の駆動音が、一定のリズムで低く鳴り続けていた。
その中心で——
ひよりの心臓は、まだ沈黙したままだった。
鼓動はない。
震えもない。
かつてリズムを刻んでいた筋肉は、いまは静かに、無言のまま白いパッチに覆われている。
寺西は、術野に視線を落としたまま短く息を吸う。
寺西「……よし。パッチ全周、縫合は完了。これからリーク確認に入る。生食、お願い」
モブ看護師「生理食塩水、取ります」
ステンレスのトレーの上で小さなボウルがわずかに鳴り、透明な液体がシリンジに吸い上げられる。
寺西は受け取ったシリンジを慎重に構え、視野をさらに近づけた。
寺西「じゃあ、少しずつ入れていく。吸引、準備して」
モブ助手A「はい、吸引スタンバイしています」
チュッ……と静かな音を立てて、透明な液体が、停止した心臓の中へ流し込まれていく。
ひよりの心室中隔——
白いパッチの縁をなぞるように、生理食塩水が満ちていく。
寺西「……ここは大丈夫……こっち側、もう少し見せて」
モブ助手B「視野、少し開きます」
心臓の一部がわずかに持ち上げられ、光が差し込む角度が変わる。
パッチの縁に沿って、薄い水の膜がきらりと光った。
その一部に——
ごくわずかに、赤みが混ざる。
寺西「……ここ、ほんの少しにじんでいるな。追加、いく」
モブ看護師「糸、お願いします」
寺西は新しい糸を受け取り、パッチの縁ギリギリを慎重にすくい上げる。
針の先が、静かな心筋にふれる。
チッ……チチチッ……
糸が通るたび、人工の白と、ひより自身の心臓の色が、もう一度強く結びつけられていく。
佐久間「血圧安定、ガスも良好です。人工心肺、流量も問題ありません」
寺西「助かる。……このあたり、もう一針。リークはここで抑える」
無音の心臓。
だが、その沈黙の裏で——
16歳の少女の未来が、少しずつ、確実に縫いとめられていく。
寺西「……よし。もう一度、生食お願い」
モブ看護師「はい。生理食塩水、追加します」
再び透明な液体が流れ込み、パッチの表面をなぞる。
今度は、赤いにじみはほとんど見られない。
寺西「……うん。リーク、ほぼなし。許容範囲だ。周囲、確認する」
モブ助手A「視野、広げます」
心臓全体が視界に入るように器具がわずかに動き、パッチの周囲だけでなく、近くの心筋・縫合部・小さな血管の一本一本に光が当たる。
細い血管から、ほんのわずかににじむ赤。
その一滴も、決して見逃さない。
寺西「ここ、太い針じゃないと潰れるな……細かく、止血」
電気凝固の先端が、そっと血管の根元に近づく。
ジッ……
白煙がほんの一瞬だけ立ち、焦げた血の匂いが吸引に引き込まれていく。
佐久間「血圧、依然として安定。体温もコントロール良好です」
寺西「了解。……よし、止血もついてきたな。少し洗浄しよう。洗浄、生食」
モブ看護師「生理食塩水、用意します」
透明な液体が器械から術野にかけられ、血の色が薄まっていく。
ひよりの心臓は、まだ動かない。
だが、白いパッチと縫合線に囲まれたその姿は
確かに「これから再び動き出すための形」に整えられつつあった。
ひよりの表情は、相変わらず穏やかだった。
長い睫毛は微動だにせず、一度も涙を流すことなく眠り続けている。
頬は少しだけ青白い。
だが、手術前に見せた不安でこわばった表情はもうなく、ただ静かに、淡い光に照らされているだけだった。
麻酔器のモニターには、一定の換気を示す波形。
人工呼吸器の「シュー……ゴォ……」という規則正しい音が、ひよりの“代わり”に息をし続けている。
——彼女はなにも知らない。
いま、自分の胸が開かれ、心臓が止まり、縫われていること。
それでも、その小さな身体は、懸命にこの時間を耐え抜いていた。
寺西「……よし。リーク確認、止血とも問題なし。次は左心房側の処理に移る。準備を」
ひよりの心臓は動かないまま。
だが、手術は確実に、次の段階へ進もうとしていた。
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🕐13:00〜 結愛サイド
〈結愛の病室〉
昼食を食べ終えて、いつもなら自然とまぶたが落ちる時間。
だが今日は違った。
結愛はベッドを少し倒し、横になりながら天井を見つめていた。
結愛(心の声)《……ひよりん、今どうしてるんだろ……
痛くないかな……ちゃんと眠れてるかな……》
麻未が記録をつけながら、ちらりとベッドの方を見る。
麻未「結愛さん、眠れそうにないですね……?」
結愛は苦笑し、小さく首を振った。
結愛「……ひよりんの手術……気になっちゃって……」
麻未「……そっか。
無理に寝なくて大丈夫ですよ。体だけ横にして休んでてくださいね」
結愛「……うん……ありがと……」
目を閉じても眠気は来ない。
代わりに胸がきゅっと締まるような不安が、静かに広がっていく。
結愛(心の声)《……ひよりん、どうか……無事で……》
──同じ時刻、手術室ではひよりの心臓が
静かな修復の時間を迎えようとしていた。
⸻
🕐13:00〜 ひよりサイド
〈手術室〉
時計の針が、いつの間にか13時を指していた。
手術室の中に、時間の感覚はほとんどない。
ただ、人工心肺の一定の駆動音と、モニターの電子音だけが、淡々と“進行中であること”を知らせていた。
寺西「……では、左心房側の処理に移る。エア、残らないように慎重にいくぞ」
モブ助手A「はい。左心房、視野出します」
心臓の上にかかった牽引器具がわずかに動き、左心房へのアプローチが開かれる。
停止した心臓の内側が、手術灯にさらされ、
淡い赤と白が入り混じった複雑な構造が露わになる。
モブ看護師「ベントライン(管)、確認しました」
寺西「ベント、ここに。位置、もう少しこっち……そう、その角度」
細い管が、左心房内へと挿入される。
再灌流の際、心臓の中に残る空気を外へ逃がすための“出口”。
空気がわずかでも残れば、再鼓動のとき——
それは致命的なトラブルになりかねない。
佐久間「人工心肺、流量・圧ともに安定。いつでも再灌流に向けて調整できます」
寺西「エアは絶対に残さない。しっかり見ていくぞ」
停止したままの心房の壁が、ライトに照らされてわずかに透ける。
薄い膜の向こうに、静かにたまった血液と、生理食塩水が揺れている。
寺西「ここ、少し吸う。……ベント、軽く引いて」
モブ助手B「ベント、軽く吸引します」
管の先から「チュッ」と音がして、淡いピンク色の液体が引かれていく。
寺西「……よし、そのままキープ。エアの混入がないか、じっくり見る」
術野には、動きがほとんどない。
心臓は止まったまま。
しかし、その“止まった空間”の中で、
目に見えない空気を探し出し、消していくという地味で、だが極めて重要な作業が続いていた。
佐久間「中心静脈圧、安定。体温も目標範囲内です。カリウム濃度も問題ありません」
寺西「了解。……このあたり、問題なさそうだな」
ふと、寺西の視線が一瞬だけひよりの顔へと向く。
ひよりの睫毛は、その瞬間も微動だにしない。
まぶたの下で眼球が動く気配もない。
さっきより、唇の色がほんの少しだけ良くなったようにも見えた。
それは、冷静に見れば照明の角度が変わっただけかもしれない。
それでも——
寺西「……もう少し、頑張ろうな」
小さく、誰にも聞こえないような声量でつぶやき、
再び視線を術野へ戻す。
寺西「心筋温、どうだ?」
モブ助手A「現在、目標範囲内です」
佐久間「カーディオプレジア(心筋保護液)の量も十分です。心筋虚血時間、このままいけば想定内で収まりそうです」
寺西「よし。……準備は整ってきたな」
人工心肺担当のモブ臨床工学技士が、静かにモニターとダイヤルを確認していく。
モブCE「送血圧、流量ともに安定しています。再灌流に入るタイミングの指示、いつでもどうぞ」
寺西「ありがとう。こっちは左心房側のエアをできるだけ追い込んでおく。……もう一度、ベントの位置、確認」
細い管がわずかに角度を変えられ、心房の最も高い位置——空気がたまりやすい場所へと誘導される。
寺西「その位置で固定。……エア、残したくないからな」
無音の心臓。
だが、手術室の空気は張り詰めていた。
再灌流は、ただ「血を返す」だけでは終わらない。
止まっていた心臓を再び動かすための、
綿密で、一つのミスも許されない工程だ。
ひよりの顔は、相変わらず穏やかだった。
手術灯の光が、睫毛の影を頬に落とす。
乾きかけた唇の隙間から、わずかに呼気が漏れるように見える。
実際には、人工呼吸器が送り込む空気が肺へ行き来しているだけだが——
そのたびに胸がほんの少し持ち上がる様子は、
どこか「頑張って息をしている」ようにも見えた。
彼女は知らない。
胸の奥で、どれだけの人間が、どれだけ集中して
「もう一度この心臓を動かすために」働いているのか。
佐久間「ガスも良好、カリウムもコントロール範囲内。……そろそろ、再灌流の準備に入りましょうか」
寺西「そうだな。……ここまでよく粘ってくれた。あとは“血を返して”、もう一度動いてもらうだけだ」
寺西は、停止した心臓にそっと視線を落とした。
寺西「ひよりさん。……いよいよ、ここからだ」
動かない心臓。
だが、その周りでは——
モニター、人工心肺、麻酔器、そして外科医たちの緊張が、
確かに“再び動き出す準備”を着実に進めていた。
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次回予告
静かに進む手術室の時間。
止まったままのひよりの心臓は、外科医たちの手で“再び”動き出す瞬間を待っている。
その頃、病室の結愛は、ただひよりの無事だけを祈っていた。
やがて訪れる、運命の再灌流。
小さな命が未来へ進むための、大きな一歩。
結愛の願いと、ひよりの身体が交差したその瞬間、それぞれの“生きたい”という思いが静かに重なっていく。
次回、鼓動の先に 第44話
「復活の鼓動──再び動き出す命の瞬間」
⸻
あとがき
今回のエピソードは、
結愛とひより──ふたりの“居場所の違う時間”がゆっくり交差していく回になりました。
結愛は病棟で祈り、
ひよりは手術室で未来へ向かい、
それぞれが“生きる”という同じ一点に向かって歩いている。
そんな細い糸のような繋がりを、少しでも感じていただけていたら嬉しいです。
次回はいよいよ、ひよりの心臓が「再び動き出す瞬間」が描かれます。
どうか、見守ってあげてください。
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次回第44話
https://kakuyomu.jp/works/822139837672594690/episodes/822139840173932885
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