第44話|復活の鼓動──再び動き出す命の瞬間

※この作品は台本(脚本)形式で執筆しています。

会話の前にキャラクター名が入る構成です。



こんにちは、お疲れ様です。西竜愛星です。

いつも『鼓動の先に』を読んでくださり、本当にありがとうございます。

前回の第43話では、結愛が病室で祈り続ける時間と、ひよりが手術室で命を預ける時間が並行して進み、緊張感のピークを迎えました。

今回の第44話は、“止まった鼓動が、再び動き出す瞬間” を見届ける回となります。

結愛にとっても、ひよりにとっても、そして読んでくださる皆様にとっても、一つの壁が動き始める大切なエピソードです。

どうか、ゆっくりと読み進めていただければ幸いです。



前回のエピソード

https://kakuyomu.jp/works/822139837672594690/episodes/822139840085833118



⚠️ご閲覧に際してのご注意


本エピソードには、

**心臓手術中の描写(止血・リーク確認・再灌流準備・心臓の再始動)**が含まれます。


・手術器具の動き

・無拍動状態の心臓の描写

・全身麻酔下で眠るひよりの表情

・血液や術野のリアルな状況

・回復を祈る結愛の心理的揺らぎ


など、医療的に踏み込んだシーンが登場します。

生々しい医療描写が苦手な方は、ご無理のない範囲でお読みください。

また、物語上の演出として

**結愛とひよりの“命の時間の対比”**が強調されます。



🕑 14:00〜 結愛サイド


〈鳳英医科大学附属病院・リハビリテーション室〉


麻未が車椅子を押し、リハビリ室の入口まで連れてきた。


麻未「じゃあ私はここまで。

結愛さん、無理しないでね。

終わったら迎えに来ます」


結愛「……はい」


午後の日差しが広く差し込むリハ室。

年配の患者、若いスポーツ選手、膝の手術明けの主婦──

年齢も症状もバラバラの人たちが、それぞれの担当療法士と向き合っている。


結愛は少し緊張しながら室内を見渡した。

こんな「普通の世界」に混ざるのは、久しぶりだった。


詩織がおっとりした笑みを浮かべながら近づく。


詩織「結愛さん。午後もよろしくね。

午前より少しだけ、負荷あげてみましょうか」


結愛「……はい」


車椅子のフットレストを畳み、

詩織がゆっくりと結愛の右肩と左肘を支える。


詩織「じゃあ立ちますよ。

“いち、に、さん”……」


結愛の足が床を踏む。

膝がわずかに揺れ、胸骨の奥にじんとした痛みが走る。


結愛「っ……はぁ……」


詩織「呼吸ゆっくりで。

午前より安定してますよ」


平行棒のところまで歩かせるあいだ、

結愛は気づけば“ひより”のことが胸によぎっていた。


結愛(心の声)《今……どうしてるんだろ……

もう心臓、動き始めてるのかな……》


その不安が体の力を少し奪う。


詩織は結愛の表情の陰りをすぐに察し、

ふわりと声をかけた。


詩織「ねえ結愛さん。

心ここにあらず……って顔してますよ?」


結愛ははっとして、小さく首を振る。


結愛「……大丈夫……です」


詩織「そっか。

でも無理に頑張ろうとしないで。

“今の結愛さんの体”だけを見てあげてください」


その言葉に、結愛の視線がわずかに戻る。


詩織は平行棒の前に結愛を立たせ、

横で手を添えながら声をかける。


詩織「じゃあ、歩きましょうか。

今日は“5メートル”を目標にします」


結愛「……歩きます」


両手で平行棒を握り、

一歩。

また一歩。


足は重い。

胸骨はまだズキッと主張する。

息は上がり、視界の端が少しにじむ。


でも──


結愛(心の声)《ひよりん……頑張ってるんだよね……あたしも……負けてられない……》


その思いが背中を押した。


詩織「……はい、半分! すごいですよ結愛さん!」


結愛「……はぁ……はぁ……っ……」


息は荒い。

汗が喉元をつたう。

それでも、足は止まらなかった。


そして──

ゆっくり、ゆっくりと。


詩織「……はい、到達!

午後の目標、達成です!!」


結愛は平行棒に体重を預けながら、小さく笑った。


結愛「……できた……午前より……歩けた……」


詩織「うん。

結愛さんの背中……しっかり前に向いてましたよ」


その言葉に胸がちくりとして、結愛は目を伏せた。


結愛「……ひよりん……今、頑張ってるから……

あたしも……頑張らないとって……」


詩織は深く頷いた。


詩織「うん。それでいい。

誰かのために頑張れるのも、立派な力ですよ」


休憩後も、平行棒を使って数回往復する。

歩幅もバランスも、午前より明らかに良くなっている。


詩織「今日はここまで。すごい進歩です」


結愛「……ありがとうございます……」


ちょうどその頃、病棟に向かう廊下から麻未が姿を見せた。


麻未「結愛さん、お迎えに来ました」


詩織が笑顔で引き継ぐ。


詩織「今日は前よりずっと歩けました。

自信つけて大丈夫ですよ」


麻未「さすが結愛さん。がんばりましたね」


結愛は胸を押さえながら、小さく息を整えた。


結愛「……ひよりんも……頑張ってるから……」


麻未と詩織は目を合わせ、

その一言の奥にある強い心を感じていた。


麻未が車椅子を押し、ゆっくりとリハビリ室を出た。


結愛は座面に深く腰を下ろしながら、

胸の前をそっと押さえていた。


胸骨の奥がじんと響く。

歩いた分だけ、確かにそこに負荷がかかった証拠だった。


麻未「大丈夫?痛み強くないですか?」


結愛「……大丈夫……です。

ちょっと……息が上がってるだけなので……」


息は浅く、鼓動は早い。

でも、苦しさではなく“やり切った疲れ”だった。


廊下の窓から差し込む午後の日差しが、

どこか現実感のない柔らかい光を落としている。


麻未「でも、今日すごかったですよ。

歩幅も広がってたし、姿勢も前より安定してました」


結愛は小さく息を整えながら答える。


結愛「……ひよりんも頑張ってるから……

あたしも……頑張らないと……」


麻未の手が、車椅子の取っ手で止まる。


麻未「……そっか。

結愛さん、ほんとに優しいですね」


結愛は照れたように俯く。


結愛「……優しいとかじゃなくて……

なんか……放っておけないんです……

昨日会ったばっかりなのに……」


言いながら胸の奥がきゅっとなる。


結愛(心の声)《ひよりん……まだ、終わらないのかな……》


廊下を曲がり、病室の前に着く。


麻未はドアを開け、車椅子を中へ押し入れ、ベッド横へ止める。


麻未「じゃあ、立ちますよ。

“いち、に、さん”……はい」


結愛は手すりと麻未の肩を借りながら立ち上がり、ゆっくりとベッドへ腰を下ろした。


結愛「……はぁ……っ……ふぅ……」


疲れは強い。

でも、午前より明らかに“できること”が増えている。


麻未は結愛の足を揃え、ブランケットを整えた。


麻未「痛みあったらすぐ呼んでくださいね」


結愛「……はい。ありがとうございます」


麻未が軽く頭を下げ、部屋を出ていく。


病室に静寂が戻る。


結愛は天井を見つめ、胸の上に手を重ねた。


結愛(心の声)《……ひよりん……

どうか……ちゃんと戻ってきて……

また話したい……笑ってほしい……》


呼吸がゆっくり落ち着いていくのと同じように、

その祈りも静かに深く沈んでいった。



🕑14:00〜 同時刻・ひよりサイド


〈鳳英医科大学附属病院・手術室〉


人工心肺の駆動音が、

ドゥン……シュゥゥゥ……ドゥン……

と規則的な呼吸のように室内を満たしている。


無拍動・無音の心臓は、白い照明に照らされ、静かに沈んでいた。


しかし手術は山場を越え、VSDパッチの全周固定と追加縫合が完了してから、すでに1時間以上が経っている。


いよいよ次は——

再灌流(血流再開) の準備だった。


寺西「よし……リーク(縫い目からの漏れ)問題なし。

止血確認して……左心房のエア抜きいくぞ」


モブ助手A「左心房のルート、確保しています」


モブ看護師「排気ライン、セット完了です」


佐久間「人工心肺、還流量このまま維持……

血圧安定、ガス良好です」


寺西「よし、じゃあ……エア抜いていく」


停止した心臓の表面にそっと触れ、

左心房側の気泡をわずかに押し流すように操作する。


細かな空気が プツプツ…… と

吸引ラインへ消えていく。


──そのとき。


眠るひよりの顔が、照明のわずかな反射で淡く光った。

長い睫毛は微動だにせず、頬は麻酔の影響で白く、乾いた唇は開かずに静かに保たれ、

幼さの残る横顔はただ“眠る少女”そのものだった。

しかし胸の奥では、外科医たちの緊張が積み重なるように

未来のための縫合が続いていた。


佐久間「SAT安定……脳波も問題なしです」


寺西は口元だけで短く微笑む。


寺西「うん。……もう少しだ。

……ひよりさん、よく頑張ってるぞ。

ここを越えれば、また心臓が動き出す」


モブ助手Bは軽く喉を鳴らし、

緊張を押し殺すように視野を保つ。


助手B「左心房、エア……消失しました」


寺西「確認する。

——よし。エア抜き完了」


佐久間「再灌流の準備、整ってます」


寺西は一度、手を止めた。


そして静かに、完全に眠り続けるひよりの寝顔を見つめる。


頬の白さは変わらない。

だがそれが逆に、

“生きている証”として美しくさえ見えた。


その全てが、

“まだ手術の途中なのに、生きている”

という事実を強く物語っていた。


寺西(心の声)《……よくここまで持ちこたえた。

次は——君の心臓が、自分でまた動く番だ》


寺西「じゃあ……いくぞ。再灌流、開始」


佐久間「再灌流……いきます」


人工心肺のモニターが、

わずかに波形を変えた。


静かに……

だが確実に、ひよりの全身へ “血流” が戻り始める──。



🕒15:00〜 結愛サイド


〈結愛の病室〉


コンコンとノックが鳴る。


明るい声が重なった。


瑠奈「ゆあ〜〜! お邪魔しまーす!」


沙耶「こんにちは。体、大丈夫?」


志帆「みんなで来ちゃった」


結愛の表情がぱっと明るくなる。


結愛「瑠奈……沙耶……志帆さん……!」


瑠奈はソファに荷物を置きながら、目を丸くした。


瑠奈「えっ、歩行器で立てるようになったって本当!? やばいじゃん成長!」


沙耶「無理してない? 痛くない?」


志帆「顔色は……うん、前よりずっと良くなったね」


結愛は少し恥ずかしそうに笑った。


結愛「……午前も午後頑張ったよ。

でも……頭はずっと……ひよりんのことばっかで……」


瑠奈「ひよりん?」


結愛「……うん。隣の隣の病室の子……

今日、大きな心臓の手術で……」


沙耶は胸に手を当てる。


沙耶「そうだったんだ……そりゃ気になるよね」


志帆もうなずき、柔らかい声を落とす。


志帆「結愛、優しいね。

人のことをそんなに思えるの、簡単じゃないよ」


瑠奈はベッドの端にしゃがみ込んで結愛の手を握る。


瑠奈「大丈夫! 絶対成功するよ。

だって結愛がこんなに心配してあげてるんだよ? その想い、届くって!」


結愛「……届くかな……」


沙耶「うん。届くよ。あなたの気持ちは強いから」


三人の言葉に包まれ、結愛の胸の緊張はすこしだけ緩んだ。


15分ほど談笑し、近況や新しい曲の話、メンバーでふざけあった写真を見せたりして──

結愛は久しぶりに笑った。


志帆「また来るからね。無理せずに」


瑠奈「次来たら、また歩いてるとこ見せてよ!」


沙耶「体、あったかくしてね」


結愛「……ありがとう……ほんとに……」


3人が退室し、病室が静かになる。


結愛はそっと胸の前で指を組んだ。


結愛(心の声)《……ひよりん……がんばれ……がんばって……もう少しできっと終わるから……》


その祈りは、再び手術室へ向かって静かに伸びていった。



🕒15:00〜 ひよりサイド


〈手術室〉


手術室の空気が張りつめていた。


白いパッチで補修された中隔は完璧に縫合され、止血も完了し、いよいよ “心臓を動かす” 段階へ進もうとしていた。


人工心肺の駆動音が低く、一定のリズムを刻む。


寺西「……じゃあ、再灌流いくぞ。

モブ技師さん、ゆっくり血流戻して」


モブ工学技士「了解。

再灌流、開始します──ゆっくり上げます」


人工心肺装置がわずかに唸り、

ひよりの停止した心臓に、少しずつ血液が戻り始める。


暗い紫色だった筋肉が、ほんのり赤みを帯びていく。


佐久間「酸素化良好、循環安定……問題なし」


だが──

心臓はまだ沈黙したまま。


ひよりの顔は、麻酔の眠りの奥でまったく動かない。

長い睫毛は触れれば揺れそうなほど繊細で、

唇は乾き、頬は血の気が薄い。


ただ、眠っている少女のように見える。

だが胸の奥では、“生きてほしい” と願われながら心臓がまだ動かない。


寺西は視線を逸らさず、心臓の上に軽く手を添える。


寺西「……来い……動け……」


しかし心臓は小さくピクリと震えただけ。


佐久間「心電図……微弱波形だけですね。

本拍動、来ません」


モブ助手A「心室細動も……ありません。無拍動です」


静寂。

人工心肺だけが命を繋いでいる。


寺西はすばやく判断した。


寺西「……徐細動、いく。出力20」


モブ看護師「20ジュール、チャージ……完了」


パドルが停止した心臓の小さな胸郭にそっと当てられる。


寺西「──ショック!」


バシュッ!!


ひよりの体が、わずかに跳ねた。


佐久間「反応なし。本拍動、起きません」


寺西「……もう一度。出力30」


助手たちの手が一瞬だけ止まる。


16歳の小さな胸に電気ショックを与える。

だが、やるしかない。


モブ看護師「30ジュール、チャージ完了!」


寺西「──ショック!」


バシュンッ!!


再びひよりの華奢な体が微かに跳ねる。


モニターは……沈黙したまま。


佐久間「……まだ……来ない……」


手術室全体に重い空気が落ちる。


ひよりの寝顔は変わらない。

幼く、穏やかで、無防備。

今にも泣き出しそうな弱い少女の顔。


しかし、その胸の奥では、

“生きるかどうか” が、ほんの数秒の努力に委ねられていた。


寺西の声は、研ぎ澄まされた刃のように強く静かだった。


寺西「……もう一発。出力40。

ここで起きろ……ひよりさん」


モブ看護師「40ジュール、チャージ──完了!」


佐久間「酸素化問題なし。人工心肺そのままキープで」


寺西はパドルを握り直し、停止した心臓を見据える。


寺西「ショック──!!」


バシュウンッ!!!


ひよりの体が、一番大きく跳ねた。


直後──

モニターのラインが揺れ、


ピ……ピッ……ピッ……!!


佐久間「……来た!本拍動、再開!!」


心臓が……震えたあと、

弱く、しかし確かに──収縮した。


収縮。

拡張。

収縮。


弱い。

でも動いている。


寺西「……よく戻った……ひよりさん……!」


助手A「心拍数上昇、血圧回復傾向!」


ひよりの頬も、ほんの少しだけ、白から淡い赤みを帯びはじめた。


もちろん、ひよりは何も知らない。

深い眠りの奥で、ただ呼びかけに応えるように、小さな命を再び動かしただけ。


それでも──


その小さな胸の奥で、“命が戻った” という事実が、手術室全体を静かに震わせていた。


心臓が再び鼓動を始めた直後。

弱いけれど確かな拍動が続いている中──


モブ助手 B「……あれ?縫合部、出血……少量あります」


胸腔内の吸引管に “赤い筋” がゆっくり流れ込む。


寺西「……血圧が戻った分、縫合ラインにテンションがかかったな。

モブ技師さん、流量そのまま維持。視野固定」


助手A「視野、確保します!」


拍動する柔らかい心臓。

その動きに合わせて、パッチの縫合部の“ほんの1ミリの隙間”から血が滲んでくる。


寺西は迷わない。


寺西「追加縫合する。糸、お願い」


看護師がすぐに糸を手渡す。


寺西は動いている心臓に合わせて、

一瞬のタイミングを見極め──


チチッ……と2針追加。


モブ助手A「……止まりました。

出血、ほぼゼロです」


寺西「よし。

この子の心臓は素直だ……ちゃんと応えてくれる」


ひよりの頬はまだ白いまま。

だが人工呼吸器の規則的な音と、

胸の奥のかすかな鼓動が、確かな“生”を示していた。


胸腔内は、再拍動を始めた心臓のゆっくりとした動きに合わせて、規則正しい振動を返していた。


追加縫合で“滲む出血”が止まったのを確認し、

寺西は短く息を吐く。


寺西「……よし。止まったな。

視野、もう一度全周チェックする」


助手A「了解、吸引軽めに入れます」


吸引が弱く入ると、さっきまで赤く染まっていたポイントは、すでに落ち着きを取り戻している。


佐久間「血圧、安定しています。

拍動も規則的で、良好です」


人工心肺の回転音が、ひよりの鼓動とは別のリズムで静かに空気を震わせる。


寺西は胸骨の奥に鎮座する心臓を

もう一度、細かく“視線で触る”ように見つめた。


寺西「……いい。

この子の心臓、強い。

じゃあ──人工心肺、離脱の準備に入るぞ」


佐久間「了解。流量、徐々に下げていきます」


人工心肺の流量がほんの少しだけ弱まる。

ひより自身の心臓の拍動が、その隙間を少しずつ埋めていく。


まだ細く、頼りない拍動。

だが確かに──“自分の力で”血を送り出し始めていた。


寺西「左心房の空気、最終チェック。

──よし、問題なし。

肺動脈側、もう一度確認」


助手B「視野良好。空気、ほぼゼロです」


スッ……と寺西が指先で胸腔内をなぞり、

残る空気がないか最後の確認を入れる。


寺西「モブ技師さん、ここから人工心肺さらに1段階下げる。

ひよりの心臓の強さを見たい」


モブ技師「了解。流量、段階2へ移行」


人工心肺の低い駆動音が少し落ち、

モニターの波形はひよりの心臓による拍動が

ゆっくりと大きさを増していく。


ひよりの顔は変わらない。

白くて、幼くて、長い睫毛を震わせることもなく眠り続けている。


──その胸の奥では

彼女自身の心臓が、またひとつ“自分の力”を取り戻していた。


寺西「……いい調子だ。このまま離脱いける。

慎重に進めるぞ」


手術室の空気が静かに、しかし確実に緊張を帯びていく。


ここから先は、ひよりの身体が“生きる力”を示す時間だった。



TO BE CONTINUED



次回予告


長い戦いの果てに、手術室では最後の工程が静かに進んでいく。

結愛は病室で、ただひよりを想い続ける。

胸が閉じられるまで気を抜けない時間。

結愛の祈りと、手術室の緊張が、夕暮れの病院でひとつに重なる。

願いは届くのか──

その答えが、まもなく訪れる。


次回、鼓動の先に 第45話

安堵の鼓動──願いが届く瞬間



あとがき


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

第44話では、ひよりの手術が大きな山場を迎え、停止していた心臓が再び鼓動を取り戻す瞬間を描きました。

結愛自身もリハビリで確かな前進を見せ、ふたりの“命が動き出す時間”が静かに重なった回だったと思います。

次はいよいよ、手術の行方が明らかになる瞬間へ。

結愛の祈りは届くのか──

そして、ふたりの“鼓動”がどんな未来を描いていくのか。

引き続き見守っていただけると嬉しいです。



次回第45話

https://kakuyomu.jp/works/822139837672594690/episodes/822139840205706686

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