第30話 箱根観光!
「ん、むぅ」
「おはよう。よく眠れたみたいだね。乃彩」
「なんで龍斗が私の部屋にいるの?」
「姉さんに任されたんだよ。鍵貰ってね」
驚いて目をぱちぱちさせている。
まあ、驚くのも無理はないと思うけど。
それよりもこれからどうしようか。
眠い見たいならゆっくり休ませてあげたいし、無理に箱根の街並みを歩かせるのも良くないと思う。
乃彩は最近疲れていそうだから休んでほしいし。
「なるほど……結衣ちゃんめ。そんな結衣ちゃんはどこに行ったの?」
「一人で箱根の街を散策しに行ったよ。かなりテンション高かったね」
「ま、結衣ちゃんは箱根とかこういう旅行スポット大好きだからね。じゃあ、私達も行く?」
「乃彩が良いなら一緒に行こうか」
「もちろん!」
こうして僕たちは部屋を後にして箱根の町に向かった。
乃彩とこんな風に隣り合って旅行スポットを歩くのはなんだか新鮮で気恥ずかしくもあったけど、それ以上になんだか嬉しかった。
昔憧れてた人とデートをしてるみたいでドキドキする。
隣り合って歩くのは学校とかでもあったんだけど、僕が憧れていたのは細波先生ではなく細波乃彩だ。
こうやってプライベートで一緒に居るのと学校で彼女と会うのとでは明確に何かが違うのだ。
「龍斗は待っててくれたんだね?」
「そりゃあ、おきて一人だったらつまらないだろ? それに僕は乃彩とこうしてまったりしたかったし」
「へぇ~今日は妙に素直じゃん。なんか良い事でもあったの?」
「どうだろうね」
良い事と言えば、こうして箱根に来ていることなのだが。
きっとそういう事を聞いてるわけじゃないんだろうな。
こうやって普段と違う環境にいる時くらい素直になってみてもいいのかもしれない。
「強いて言うなら、こうやって乃彩と一緒に歩いてるからかもね」
「はっ? どうしたのいきなりそんなこと言って……体調でも悪いの?」
「失礼だな。思ったことをそのまんま言っただけだ」
僕は乃彩のことが嫌いじゃない。
どちらかというと好きなくらいだ。
綺麗だし、優しいし。
彼女は僕にとって幼馴染であり先生であり初恋の人でもある。
「妙に素直でびっくりしたけど、まあいいや。龍斗に嫌われてるかもって少し思ってたけどそう言うのは無いらしいね」
「ないない。なんで僕が乃彩の事を嫌いにならないといけないんだよ。そんな事天地がひっくり返ってもないない」
「だって、高校に入ってから私によそよそしいし、それに冷たくなったじゃんか。私何かしちゃったのかと思って結構不安だったんだからね」
確かに高校に入ってから乃彩に少し冷たく……というかあたりが強くなってしまった気はする。
心菜のこともあって心は荒んでたし、何より乃彩は教員だ。
馴れ馴れしく接して乃彩の教員としての立場を危うくさせたくないって言う気持ちもあった。
それが乃彩に変な誤解を与えていたなんて考えもしなかったな。
これはちゃんと反省しなくては。
「ごめん。でも、本当に嫌いとかじゃないから。安心してほしい」
「うん。その様子だと本当みたいだし安心することにするよ! それよりもあそこのお店見に行こう!」
「わかったから引っ張らないでくれよ」
こうして僕たちの箱根観光が始まるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます