第27話 意外と初心な最強ギャル

「意外と面白かったね! あの映画」


「だな。僕もああいうラブコメ映画は初めて見たけどなかなかに面白かった。凜々花と一緒だったからってのもあるのかもしれないし」


「ちょっ!? いきなりなに恥ずかしいこと言ってるの?」


 凜々花は顔を真っ赤にして僕の胸をぽかぽか叩いてくる。

 凄く可愛いけど、いつまでも叩かれ続けるのはあれなので腕を掴んで止める。

 こんな風にスキンシップしてくるのは最近になってからだけど、やっぱり気を抜くと少し意識をしてしまう。

 煩悩を追い払わなければ。


「凜々花だって普段は似たようなことを言ってるじゃないか。なんで僕が言うとそこまで怒られないといけないんだよ」


「だ、だって、普段からそういう事を言わない龍くんがいきなりそんなことを言うと照れちゃうじゃん! それくらいわかってよ!」


 なんか怒られる理由理不尽じゃないか?

 でも、本気で怒ってるというよりは照れ隠しみたいな感じだからいいか。

 こんな風に感情をむき出しにしてる凜々花の姿を見るのは珍しいし、素って感じがして好感が持てる。

 って、僕は何を考えてるんだ。

 凜々花には惚れちゃダメなのに。


「努力はするが、女心ってのは難しいらしいからな」


「なんか、今日の龍くん変だよ? 何があったの?」


「だって、今日はデートだからな。優しくだってするさ」


 これは本当だ。

 罰ゲームとはいえこれはれっきとしたデートなのだ。

 であるならば、僕はしっかり凜々花をエスコートしないといけないし、凜々花を楽しませてあげないといけない。

 古い考えかもしれないけど、僕はそう考える。


「じゃあ、常にデートしたいんだけど。龍くんがそんなに優しくしてくれるならさ」


「それはないな。僕はすぐにデートをするような安い男じゃないんだ」


「それはもうどうゆう事なの!?」


 変な突っ込みをされたけど、それはスルーすることにした。

 凜々花はなんだか最近は僕に遠慮が無くなってきたのか、前よりも砕けたような口調になってきた気がする。

 その方が好感が持てると思うけど、本人には口が裂けても言えない。

 だって、言ったら絶対に調子に乗るから。


「どうだっていいだろ。それよりも、これからどうしようか。またカフェに行くのも変だし」


「まあ、時間も時間だからそろそろ解散でもいいよ。今日一日付き合ってくれてありがとね」


「意外とあっさり引くんだな」


 凜々花のことだからなんやかんや理由をつけて僕と長い時間一緒に居たがると思っていたんだけど、自意識過剰だったかな?


「だって、今日の龍くんカッコよすぎて心臓もたない。恥ずかしすぎる」


「それは今日コンタクトをしてきてるからか?」


 いつもと違って今日の僕はメガネではなく、コンタクトをしてきている。

 つまり、今の僕の容姿はかなり良く見られているという事になる。

 だから、普段よりもカッコいいと言われるのだろうか?


「違うよ、全然ちがう。なんか、今日の龍くんは積極的でうちがドキドキするようなことを言ったりしたりするから心臓がバクバクしちゃうの!」


「そ、そうか」


 そんな真っすぐ言われるとこちらも照れてしまう。

 できるだけ顔に出さないようにしながら、僕は凜々花を見やる。

 やっぱり可愛い。

 同年代の女子と比べても群を抜いて可愛く見える。

 流石は最強ギャル。


「というわけで今日は解散! じゃあね!」


「ちょっと待て、せめて送るくらいは……ってもう行っちゃったか」


 とんでもない速度で彼女は走り去ってしまっていった。

 そこまで恥かしかったのか。

 なんか申し訳ない事をしたな。


「僕もボチボチ帰るか。帰ったら乃彩に怒られるんだろうな~はぁ」


 物凄く家に帰りたくなくなったけど、今すぐ帰らないといけないな。

 これ以上怒らせるととんでもない事になりそうだ。

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