第11話 啓介の怒りとぶっ飛んだ家族

 とある祝日、バイトに出た啓介は公園で暦ちゃん達、子供達が話をしてるのを見かけた。けっこう公園でも集まる子供達っているんだなぁって思っていた。そしたら、少し離れたところで、小学校高学年くらいの男の子達がサッカーをしていた。


 「まぁ、子供達は楽で良いよな。楽しく遊べて、、、」


 とつい、吐露が出てきてしまう。しかし、男の子達の蹴ったボールが暦ちゃん達の方に飛んで行き、暦ちゃん達の一人の女の子の側頭部に思いっきり、直撃した。そして、男の子達の一人が


 「お前ら邪魔なんだよ。この公園から出てけ。」


 と言った。側頭部に当たった子供が倒れている。急いで、啓介はその子の様子を見た。軽い脳震盪を、起こしている。


 「お前ら、ふざけるな!ちゃんと、謝れ!」


 とつい言葉が出た。そして、小学校高学年くらいの男の子が


 「そんなの知らねーもん。」


 と言い、小石を投げて、暦ちゃんに当たった。


 丁度、その時、静と琴音が駆けつけていた。どうやら、俺の怒りに気づいて、琴音が


 「啓介兄さん、まっ、」


 と言葉を発した時に、俺の怒りがピークに達した。そして、公園ごと周りが、暗闇に覆われた。


 「オマエラ、モウイチドイッテミロ。」


 啓介の体が空に浮かび、真っ暗なオーラに包まれて、目だけ明るい。

 その姿に子供達はおしっこを漏らした。


 丁度、父親がやってきた。


 「ヤバい。啓介!」


 と言って、赤色の丸い物体を俺に飛ばし、俺を包んで、別な空間に飛ばした。

 

 「琴音、静は子供達を頼む!」


 と言って、父親も別な空間を作り、入った。


 周り暗闇の空間は無くなったが、暦ちゃん達の子供達をすぐに琴音が魔法で光に当てた。

 静は力の圧が強かったせいか、震えて、動けなかった。

 母親も来て、高学年の男の子達を光の空間に入れて、

 

 「ハァ〜、良かったわ、たまたま啓介の家に行くところで」

 

 と言って、琴音も光の空間を作り、暦ちゃん達のグループはその光の中に入った。

 

 「子供達の回復をお願いね。琴音。」


 「はい。お母さん。」


 と言って、子供達は光から出てきて、無事に何もなかったみたいに、元の公園と景色になった。

 脳震盪起こしていた子供も何事もなかったみたいにしてた。

 

 静が


 「あれが、啓兄の力?」


 と言い、ブルブルと震えてしまっていた。母親が手を取って、魔法を静に使い、震えが止まった。


 「本当に危なかったね。母さん。」


 「ええ、怒りの第二段階で良かったわー。」


 と静は落ち着いて、


 「啓兄って、ひょっとして、魔王よりもつよいんですか?」


 と言うと、母親が


 「そうよ。あのまま、お父さんがいなきゃ、太陽系くらいは吹っ飛んだかもしれないわねー。」


 「そうそう、お父さん居て良かった〜。また、天界に逃げなきゃって思ったもん」


 と琴音と涼しげに言う。


 ぶっ飛び過ぎの家族で、あ然と静はしてしまった。


 一方、父親と啓介は別空間で、父親が力を封じて、啓介の記憶を消していた。時間は半日かかり、

啓介の記憶も消して、啓介の家のベッドに寝かしていた。

 

 静は


 「啓兄は怒らすと本当にヤバすぎた。」


 と日記にそれくらいしか書けなかった。


 次の日、何事なく、啓介も暦ちゃんも普通にみんなに登校した。

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