未来の自分から返事が返って来る日記を無くしてしまった件につい

えびまょ

忘れられたノート

 夕日が差し込む教室。

 外からは生徒達の部活動の声が聞こえてくる。

 そんな中、男子生徒が一人で落とし物を探していた。


「なんで、いつも忘れるかな。自分で嫌になる!」

 彼は頭をかき乱しながら交換日記をさがしている。

 

 それも普通の交換日記ではない。未来の自分から返事が返ってくる日記なのだ。

 彼は未来の自分に明日のテストの答えを書くように頼んでいた。

 そんな大切なタイミングでノートを失くしてしまうとは、自分自身に嫌気がさす。

 

 彼はカバンや机の中身を全部出して確認したがノートは見当たらなかった。

 思い返せばいつも大切な物や場面では忘れ癖が酷くなる


「ほんと、勘弁してくれよ」

 その時ロッカーと壁の隙間に青色のノートがあるのが目に入った。

 彼は中身を確認する。

 確かに彼の交換日記だ。

これさえあれば明日のテストは赤点を回避出来る。

 彼は答えを見るためにページを開いた。

だが、そこにあるのは一言だけ。


『テストの内容を忘れてしまった。ごめん』

「だから、なんで忘れちゃうんだよ!」

彼は心の底から自分の忘れ癖を後悔した。

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未来の自分から返事が返って来る日記を無くしてしまった件につい えびまょ @motiguma

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