第3話 助さんと看板娘・12

 軽食屋・双葉屋の暖簾(のれん)をくぐった。

ノリのいい大将が迎えてくれる。この店の売りは、

海鮮だろう。

大将の腕と新鮮な品ときたら、

ハズレは無い。

「いらっしゃいませ♪」

みくちゃんだ。

桜のかんざしがよく似合っている。

「酒と、納豆飯を。」

「はい♪」

か、かわいい!笑顔を見るだけで、心が癒やされる。彼女の優しさにふれたら、もっと注文しないと申し訳ない。

オレはたった今気が付いた。

女性に貢(みつ)ぐ男の気持ちが。。。

オレはみくちゃんなら、

命をかけたっていい。

たとえあのじいさん、、、御隠居を裏切っても。

「あと、焼き鮭と……みそ汁もくれないか。」

「はい♪♪♪」


 ほどなく料理が運ばれて来た。料理は見た目も

大事。見るだけで食欲がそそられる。

色使いも美しく、見るのも楽しい。

そこに香りが重なれば、

食べるしかないだろ。

 納豆飯を一口。。。

うまい!!

醤油だれが香り、納豆の臭みを旨味へと進化させている。

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