第24話 ぽこ家族、まさかのびっくり同行!?
『ぽこちゃだ!』
『ぽこちゃ~!』
『ぽこっちゃ~!!』
『みんにゃ、おはよにゃんだじょ!!』
『おはよにゃにょ!!』
『いままで、どこいっちぇちゃにょ?』
ナンパなぽこちゃん、実は赤ちゃんの中では大人気。ナンパをしている時以外は、必ず赤ちゃん魔獣の誰かが、ぽこちゃんと遊んでいる。みんなぽこちゃんと遊ぶのが大好きなんだって。その中でも仲が良いのがくるちゃんで、よく2人でつるんでいるよ。
と、まぁ、みんなが仲良しなのは良いんだけど。そう、本当にいいことなんだけどね。やはりここで問題なってくるのがナンパで。
最近は、くるちゃんがぽこちゃんの真似をしようとするし、他の赤ちゃん魔獣も、真似しそうな勢いで。監視するのが大変だったんだ。まったく仲良いで終わってくれれば良いのに、ナンパの何が良いんだか。
『ぽこちゃ、にもちゅいっぱい。どちたにょ?』
『ままもぱぱも、にもちゅいっぱい?』
そうそう、今はナンパじゃなくてそっちだ。
ぽこちゃん家族は私たちの所へ着くと、持ってきた荷物を、ドンドンドンッとその場に置き。ぽこちゃんも真似して、小さな葉っぱの袋を頭に乗せていたんだけど、それをトンッ!! と大袈裟に地面に置いたよ。
そしてぽこちゃんパパの真似。
『あ~、いつも荷物を運んではいるが、いつもと違う荷物だと、どうにも様子が違って、肩あたりが痛く……重く感じるな』
そう言いながら、肩を軽く叩くぽこパパ。それを見ていたぽこちゃんが、
『あ~、かちゃが、ちょんちょんだじょ』
なんて言いながら、肩を叩くぽこちゃん。ぽこパパは肩が凝ったんだろうけど、ぽこちゃんはそんなわけないでしょう。仕草は可愛いけどさ。
『その様子、決まったみたいだな』
ぽこちゃん家族の荷物にびっくりしているうちに、いつの間にかドウェインが、私たちのところに来ていたよ。
「きまっちゃ?」
『ああ、ぽこ家族は用事があると言っていただろう? その用事が終わって、これからのことが決まったから、荷物を持ってきたんだ。と、そうだろう? 揉めたか?』
何々? 何の用事だったの? それに用事が終わって決まったことって? ドウェインの話しに、みんながぽこちゃん家族を見る。
『別にこれと言ってな』
『ええ、私たちが行くことに関しては、これいって揉めなかったわよね』
『そうなのか? そのわりには、戻ってくるのが遅かったじゃないか』
『みんな一緒に行きたがったのよ』
『自分たちも勉強しに行くって言ってな』
『勉強……か?』
ドウェインが眉を顰めながら、少しだけニヤッと笑う。
『ドウェイン、あなたが考えている通りよ。まったく、みんな自分たちも勉強に行くべきだ、なんて言ってるけど、本当はお酒を飲みに行きたいだけだって。私に分からないとでも思ってるのかしら』
『半分くらいが手を挙げたな』
『挙げたな、じゃないわよ。あなたも昔、同じようなことを言っていたじゃない。あなたの場合はルガオン様に影響されたんでしょうけど、今回のことはきっと、あなたに影響されたのよ。少しの間離れることで、少しでもその浮ついた気持ちがなくなれば良いのだけれど』
『そうだったか?』
『そうよ』
『ぱぱ、おしゃけはだめにゃんだじょ』
『しょよねぇ、おしゃけはだめにぇ』
『おちゃけはだめにぇ』
決めたことについては、まだ何のことか分からないけど、子供たちにお酒のダメ出しをされるってどうよ。というか、魔獣ってお酒飲むのか。
いや、お酒って言っているけど、私の知っているお酒じゃなくて、全然違い飲み物かも? 後でドウェインに聞いてみよっと。
『まぁ、その辺は、時々帰ってくるから、その時に確認すれば良い。で、全員で行くのか?』
『ええ、あなたと同じような理由でね』
『だが、俺は少ししたら戻るつもりだ。その時に送ってほしいんだが、頼めるか? さすがにまだ、ずっと離れられる状況じゃないんでな』
『ああ、分かった。いつでも言ってくれ』
なんだろう、この感じ。ぽこちゃん家族もどこかへ行くのかな? それに、帰る時はって送ってくれって? それだとドウェインがすぐ近くいるってこと? それか遠くだけど、何か連絡手段があって、ドウェインと連絡をとって送りに来てもらうとか?
「どえいん、どちたの? ぽこちゃんかじょくも、どこかいく?」
『ぽこちゃん、そうなの?』
『うへへじょ』
ぽこちゃん、その笑いは何よ。
『びっくりしゅるじょ。うへへへへへじょ』
私は思わず顔を顰める。
『リン、ルーファス、まだどうなるか分からなかったから話していなかったが、ぽこ家族も私たちと一緒に人間の所へ行き、一緒に暮らすことになった。人間のところでも仲良く遊ぶのだぞ』
……え?
『いっしょ?』
『ああ、一緒だ』
『えっと、にんげんのところにいって、ごはんも遊ぶのも、ねるのもいっしょ?』
『そうだ、全部一緒だ。全員で人間の所へ行くんだ』
『みんないっしょ……』
「……」
一緒?
『わわ!! ほんと!? ぽこちゃんいっしょ!? やった、ぽこちゃん!! いっしょいっしょ!!』
ルーファスがぽこちゃんの手を握り、そっとその手を上下に振りながら喜ぶ。ぽこちゃんも最初はニコニコと、ルーファスと一緒に喜んでいたよ。でも少しすると私の方を見てきて、へっと笑ったんだ。
えええええ!?
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