ep14.エ〇本に知り合いの名字出てきたら萎える。
西暦2324年 事件現場のパチンコ屋室内にて...
「今からお三方には、事情聴取を行います!俺の質問には正直に答えてください!」
俺は自身が警察というアドバンテージを活かし、最大限イキってこの事情聴取を宣言した。...とはいっても、このドレッド黒人が圧倒的に怪しいことに変わりはないんだが。
ま、まぁ一旦先入観は捨て、この三人に平等な事情聴取を行うとしよう。
(まず初めの質問は...)
と、考え始めた俺にナノハが耳打ちをしてきた。
「おい特人、最初の質問としてわしに名案がある。まず最初に、三人の名前を聞くのはどうじゃ?」
「ほう。名案どころか、小4の俺でも考えついてそうな愚直な案だが、一応その訳を聞こうか。」
「まず、宇宙人とのハーフは名前が変になる!及川の例を知っているだろう?彼女の本名は『及川・エクストラデッキ・梅子』。ふざけてるとしか思えない名だが、宇宙人とのハーフには一般的な名前らしい。...つまり!この三人の中でフツーーな名前が居たら、逆にソイツが純地球人、つまり、特能を使用した大男の正体な訳じゃ!」
「まぁそうなるわな。じゃあ最初の質問は、三人の名前を聞き出すことにするか。」
俺はナノハの思いついた名案(?)に乗り、一旦この容疑者三人の本名を聞き出すことにした。
俺は最初に男性店員を指さし、本名を尋ねる。
「では、そこの男性店員さん!本名を教えてください!」
「あ、はい。私の本名は『鈴木・バトルフェイズ・裕也』です。」
「うん!実に宇宙人とのハーフらしい、遊〇王感溢れるふざけた名前だ!」
ひとまず、コイツは宇宙人とのハーフで間違いないだろう。
姿はほとんど純地球人と変わらないが、髪色も紫色だし、こんな珍妙な名前なら間違いなく宇宙人とのハーフだ。こんな恥ずかしい名前を、わざわざ地球人が名乗るまい。...っていうか、やっぱミドルネームは遊〇王関連から付くのは何なん。
ま、というワケで、次はあのハゲジジイに本名を聞いてみよう。
「では次はそこのハ....おじいさん!本名をどうぞ!」
「おいテメェ今ハゲって言いかけただろ。...まぁよい。ワシの本名は『杉本・ブラックマジシャンガール・菊三郎』じゃ!」
ほうほう、『杉本・ブラックマジシャンガール・菊三郎』ね。ハイハイ。
「...嘘つけェェーーーッ!!!」
「え!?テメ、クソガキ!人の名前に嘘とは何事じゃ!!」
「...あぁ、いやスンマセン。こんなハゲジジイの本名にブラックマジシャンガールの12文字がついてると思わなくて、ちょっと取り乱しちゃいました。」
「お前今ハゲジジイって言ったな。濁すことなくハゲジジイって言ったなゴラ。」
よし、一旦落ち着こう俺。
中学生の頃大変お世話になっていたあのブラマジガールの名が、こんなハゲに使われていたとしても動揺するな。
ここは未来だ!フューチャー!宇宙人とのハーフは必ずミドルネームに遊〇王関連の名が使われているものなんだ!だからこれは深く気にせず、このまま事情聴取を...
「できるかァァーーーーッ!!」
「ちょ、おい落ち着け特人!!なんでこのおじいさんの名前で暴れだすんじゃ!」
「嫌だ!俺は今後ブラマジガールにお世話になる度にこのジジイが脳裏に浮かぶんだー!!こんなの呪いじゃないかァッ!!」
「言っている意味がよく分からないが、今は取り乱すな!これは仕事じゃ!わしら警察、特課の仕事じゃないか!」
ハァ!ハァ!!
そ、そうだ特人、落ち着け...
これは事情聴取、そして仕事!!このド底辺大学生がせっかく手に入れた公務員という食いぶちを、ここで失う訳にはいかない!!
ブラックマジシャンガールという癒しは俺の人生から完全に消え失せたが、なぁに!それくらい安いもんさ!
別に俺の夜のお供は、何もブラマジガールだけじゃない!
俺は某ワンピースのナミさんや、某
とにかく、ここは冷静に事情聴取を遂行させることが最優先!
俺はブラックマジシャンガールの犠牲を糧に、事情聴取を進める決意を固めた。
さぁ、最後はこのドレッド黒人の番だ!
「ふぅ。...では最後に、そこのドレッドヘアのあなた!本名をどうぞ!」
「ア、ハイ。僕の本名は、『堀内・ナミ・ジュン18号』デス。」
...あ、フーン。本名、『堀内・ナミ・ジュン18号』ね。ハイハイ。
「......嘘つけェェェーーーッ!!ギィヤァーーー!!」
「ちょ、ストップストップ!!この人は本名を言ってくれただけじゃないか!!なんでまた暴れだす!?」
ナノハが必死に俺の狂乱を止めに入った。
そして俺は、その女子中学生の静止にすら勝つ気力もなく、地面に座り込んでしまったのだ。
「だっで、おでは...!この事情聴取中に、三個もオカズを失くした...!!!」
そう...
俺はこの先の人生、ブラックマジシャンガールにお世話になろうとするとこのハゲジジイの顔が脳裏によぎり、ナミさんと18号にお世話になろうとするとこのドレッド野郎の顔が脳裏によぎるのだ。
こんなの、こんなの、あんまりじゃないかッ!!
「うぇぇええん!!」
「...はぁ。えーっと、申し訳ありません。彼は知力ステータスが250しかないから時々ストレスに耐えきれずこうなってしまいます。...けど、まぁこのアホはほっといて、ここからはわしが事情聴取を進行しますっ。」
「あ、はい。」
こうして始まったナノハの事情聴取!この中二病女子中学生警官は、謎の大男の正体を探ることができるのか!?
続く!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます