ep15.結婚と毛根は慎重に。
西暦2324年 事件現場のパチンコ屋内にて...
「ここからはわしが事情聴取を進行しますっ。」
「「「あ、はい。」」」
こうして、オカズを喪失し半狂乱になってしまった特人の代わりに、ナノハが事情聴取を執り行うことになった。
(と、言っても次は何を聞こうか。そうじゃなぁ...、あ!宇宙人とのハーフは髪色が凄いことになるんじゃった!ということは...)
ナノハは容疑者三人の頭部を凝視する。
そしてまず初めに、先程なのはが助け出した店員さんの方を見る。
「えっとー、皆さんの髪色についてお尋ねしたいんじゃが、...まず店員さんの髪色は紫色じゃな?」
「はい、私はキョクン星人と地球人のハーフなので、地毛が紫色なんです。」
ナノハは一旦納得し、今度はドレッドの男に質問をする。
「なるほどなるほど。じゃあそこのドレッドの貴方、えっと堀内さんじゃったっけ?は、見たところ金髪のドレッドじゃが、それは地毛なんですか?」
「ア、ハイ。僕はペイパン星人とのハーフなので、地毛が金髪なんデス。」
「ほうほう。」
二人への聴取を終えたナノハは、最後に残ったおじいさんへの質問を始めた。
「では最後に、そこのおじいさんの髪色は、...って毛根死滅!」
「テメェらさっきからワシの頭イジリすぎじゃろ。...ワシはこれでも昔は赤い髪を靡かせて、『赤髪の菊三郎』と呼ばれていたんじゃ!!ワシはカーマ星人とのハーフじゃからの!!嘘じゃないぞ!」
「と言われても、今のその頭じゃ信じれないのう....」
ナノハは一通り全員の髪色を調べたが、これじゃ地毛が黒い純地球人を見つけられない。
(くそ!全員の髪色を聞いてみたものの、これじゃその髪色が本当に地毛かの証明にはならん!なにより、この毛根死滅じいさんの髪色が明らかになっていないではないか!!)
ナノハは悩んだ。
一体どうすれば、このジジイの今は無き髪色を確認できるのか。
(例えば、頭以外で毛の色が分かるところがあれば...__!!そうか!なにも髪の毛に拘ることは無いのか!)
そう、ナノハは気づいたのだ。髪がなければ別の場所で調べればいいじゃない。と。
「おじいさん!貴方の毛の色は、髪の毛以外も赤かったんですか!?」
「あぁ、まぁそうじゃな。けど、今はほとんど毛は抜け落ちて、残っているのはアソコの毛くらいしか......」
「充分ッ!!こんな時のための、特人捜査官です!!そうじゃろう?特人!!」
「....へ?」
ナノハは勢いよく振り返り、特人に指をさす。
さっきまで半狂乱になり泣いていた特人は、流石に落ち着きを取り戻して地べたに座り込んでいた。
しかし特人は状況を理解できていないのか、アホ面でナノハに聞き返す。
「今、なんて言った?」
「じゃから......、特人よ!このおじいさんのアソコの毛の色を確認してくるのじゃ!!」
「......!?」
「そうせんとこの毛根死滅おじいさんの地毛の色が分からん!さぁ、立ち上がって!ホラ!」
(俺が、このハゲジジイの、ち〇毛を見る、だと!?)
ナノハはドシドシと俺に近づき、俺の手を取る。
そして手を引っ張り、おじいさんの元に引き寄せた。
「い、嫌だ!なにが悲しくてジジイのち〇毛なんて見ないといけないんだ!こんなに心に傷を負ったというのに、俺はまだトラウマを増やさなくてはいけないのか!!」
「人のデリケートゾーンをトラウマ呼ばわりするな!ワシだってお前のような野郎に自慢のイチモツを見せたくはないが、容疑を晴らすためじゃ!だから協力しろクソガキ!!」
「ほら、おじいさんだってこんなに協力的じゃ!仕事だと割り切って見てくれ!」
ナノハは抵抗する俺を押さえつけ、グイグイとおじいさんの方に近づける。
おじいさんも、もぞもぞベルトをいじりだして今にも脱ぐ気満々だ。
「っていうか!じゃあナノハが見ろよ!なんで俺じゃなきゃダメなんだ!」
「だ、ダメに決まってるじゃろ!わしは可愛い女子中学生じゃぞ!?こんな思春期のガールが見てしまったら、それこそトラウマもんじゃ!!」
「ほれほれぇ~!もう脱ぐぞ~....!脱いじゃうからな~!しっかり見るんじゃクソガキ~!わっはっは!」
「大丈夫だナノハ!ガールはダンディを知ってレディになるんだ!!だから放せ!!ってかなんでこのジジイはノリノリなんだよ!!」
ナノハが目を瞑り、代わりに俺の瞼を無理矢理開こうとしてくる!!
そしてジジイが、そのもっさりとしたブリーフを脱ぎ始めた!!
「見よ、これがワシの地毛の証明!真っ赤なアンダーヘアじゃ!」
「わしは絶対見ないぞ!特人、しっかり目に焼き付けるんじゃ!!」
「グァァァーーー!!!やめろナノハ!お、俺の眼が!俺の純粋無垢な眼がァァァーーー!!」
ナノハが更にギュッと目を瞑った!横に居た男性店員とドレッド男も目を隠す!!
一方、俺はナノハの指によって強制的に開眼!
そして遂に、ジジイは自分のムスコごと下半身を曝け出したッ!!
俺の視界いっぱいに、ジジイのイチモツが映りこむッ!!
「...うおッ、でかすぎんだろ...」
「いやそっちはどうでもいいから。」
「あ、あぁそうだった。......!!こ、これは!ち〇毛が、赤い!!」
そう、俺の目に映ったジジイのイチモツは、とてもデカく.....じゃなくて、到底地球人とは思えないような、真っ赤な毛が生えていたのであった!!
「お、おいナノハ。このハゲジジイは間違いなく宇宙人とのハーフだ...。こんな色の毛、初めて見たぞ...!」
「そ、そうか。よし、おじいさん、もうズボンを履いてもらって大丈夫じゃ。ご協力感謝する。」
「いいのか?お嬢ちゃんもワシの真っ赤なたてがみを見といたほうが__」
「早く履け毛根死滅ジジイ。」
ハゲジジイはいそいそとズボンを履き直し、ナノハ達は警戒しながら目を開いた。
これにて、全員の地毛色検証が終わった訳だが...
「な、なぁ特人よ。これ、結局全員の地毛が黒じゃなかったって事か...?このままじゃ純地球人が見つからんぞ、どうする...?」
「そうだったのか?俺半狂乱になってたから前半の記憶ないんだよね。もう一回、この三人の情報教えてくれない?」
俺が聞き返すとナノハは呆れたように首を振った。
しかし、このロリっ娘はなんだかんだ教えてくれる、そういう奴だ。
「全く...。いいか?店員さんは『キョクン星人』とのハーフで地毛は『紫』。ドレッドの人は『ペイパン星人』とのハーフで地毛は『金』。おじいさんは『カーマ星人』とのハーフで地毛は『赤』。ほらな?みんな宇宙人とのハーフらしい奇抜な髪色じゃ。」
「なるほど、確かにこれはどうしたものか...」
と、思考の迷路に陥りそうになった時、俺の記憶の中でふと何かがよぎった。
あれはたしか、及川との会話の記憶。そこに何か、大事なことが隠れている気がするんだが...
「......はッ!!!分かったぞ!この中の誰が嘘をついているかがなぁ!!」
俺は及川との何気ない会話の中に、今回の真実を暴くカギを見つけ出した。
俺の声高らかな宣言を受けた容疑者三人は、緊張した様子でお互いに目配せをしている。
「ほ、本当か特人!!嘘をついている奴が分かったのだな!?」
「ああ...!俺は何としてでもこの謎を解明して見せるぜ...!!この穢されし我が両眼の弔いの為にもなぁッ!!」
「お前、ワシのアソコ見ただけで言い過ぎじゃろ。」
続くッ!!
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