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 うん、そう。怪談の続き。百一話目の怪談。


 私、とっておきの怖い話を知ってるんだ。ハハハ、逃げようったってダメよ。真っ暗で何にも見えないでしょ?玄関まで辿りつけんの?ウチは広いんだから。私が話し終わったらまた蝋燭に火つけてあげるから。じゃ、話すわよ。


 百物語で最後の蝋燭を吹き消すとオバケが現れるって話は有名でしょ?これはそれにまつわる話なんだけどね……


 百物語ってのはすごい昔からあって、起源もよくわかってないらしいんだけど、昔からの正しいやり方ってのがあるのね。


 まぁ蝋燭一本ずつ消してくってところは変わらないんだけど、昔は蝋燭が置いてあるのは別の部屋で、そこに行って火を吹き消す前に必ず手鏡で自分の顔を見なくちゃいけなかったんだって。


 理由は知らない。


 でもそれが正しい方法らしいんだ。正しいからこそ、やっちゃいけない方法。……それを、やっちゃった子がいたんだって。


 部屋に置いてあった、三面鏡を使ってさ。


 友達と百物語をしようってことになって、最後の一本をその女の子が消しにいったの。暗闇の中を、手探りで。それで、消し終わると同時にオバケが現れるって言うじゃない。それを思い出して、怖くなったんだって。でも皆、隣の部屋で待ってるし、やらなきゃいけないような気になったから、勇気を出して蝋燭を吹き消したんだってさ。三面鏡の前に持って行って、こう、フーッと。

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